表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/76

第18話 決戦前夜 中編

2/2

「よし、全員集まったな、それじゃあ作戦会議を始めよう」


 予定通り俺は朝飯を軽く済ませたら33班のリーダーであるドレイクのもとに集まって作戦会議に参加した。


 みんなは真剣な表情で早速意見を出し始めているが、俺は中々やる気を出せずに、この作戦会議が終わった後に何をするかに頭を使っていた。


 前にも言ったが、戦争はよっぽど戦闘力が高いものでもない限り、1人で何とかなるほど甘くはない。


 だから俺にとっては作戦なんてものは、隊長クラス以上の人間が考えるべきもので、俺たち一般兵士はそれに従っていればいいと思っている。


 もちろん連携は必要だ。


 陣形をしっかりと組んでおかないと、すぐに陣形が破綻して総崩れになってしまう。


 だから作戦会議ではなく、連携の確認程度で十分だと俺は考えていた。


 しかし……。


「両翼の兵士の役割はいかにレナス川を渡り切り、どれだけの人数を対岸に集められるかがカギになってくる。ここまでは多分みんな何となくくらいは分かっていると思う」


 まず最初に意見を出したのはキースだった。


 キースはなんとなくこの班のサブリーダー的な役割な気がする。


 ドレイクさんは真面目で優しく、みんなをうまくまとめることのできる良いリーダーだと俺は思っている。


 ただ、6人という少人数とはいえ、1人で全員を完璧にまとめることのできる人間はそう多くはない。


 キースはそれを陰から支えるような、目立たない陰の立役者的な存在だと俺は前から思っていた。


 俺が魔王軍に来たばかりの時もいろいろと教えてくれたりして世話になったしな。


 そんなことを考えているとキースは再び意見を話し始める。


「そしてみんなが分かっているということは裏を返せば今話したことは相手も分かってるということだ。だから敵も両翼に常備軍を多く配置してくると思う」


 俺は最初は話し合いになんて表向きには参加しても本気で聞くつもりなんてなかった。


 だが、始まってみると、なんとなくキースの話の内容が気になり耳を傾けてしまう。


「なのに何故かうちの上層部は両翼に精鋭部隊を配置しない。事実俺たち下級兵を配置しているんだからな」


 確かにその通りだ。


 俺もその点に関してはかなり疑問を抱き、その意図を考えてみたが結局よく分からなかった。


 包囲殲滅作戦と敵に思わせておいて中央突破の作戦、とかなら納得できるが、幹部のヴィルフさんは包囲殲滅作戦だと明言していたし、ここで味方である俺たちに嘘をつく理由も見当たらない。


「俺がその理由について考えてみたところ1つだけ確証はないが分かった」


 キースはそこで少し間を取り、ニヤリと笑う。


 被害妄想なのは分かっているが、理由が分からなかった俺への当てつけかと思うとそのニヤけ顔はイラっと来る。


「この作戦はまず相手に包囲殲滅作戦かと疑わせ、両翼に精鋭部隊を集中させる。だがそれに対して我々魔王軍は戦力を均等に割り振っている。こうなるとよっぽどのイレギュラーでも起こらない限り我々が中央をジワジワと押すことになるだろう。両翼に戦力を割いている人類側は混乱状態に陥って我々が包囲殲滅作戦ではなく中央突破作戦を取ると勘違いするだろう。そして敵軍は両翼の兵士の一部を中央に集める。こうすれば両翼を突破できる」


 なるほど、2重3重に仕掛けられた罠ということか。


 悔しいが理にかなってるし、納得できる。


 だがいくら相手の混乱により両翼が弱体化したとはいえ、それでも突破できる確証はない。


 それに……。


「それに今の理由を聞いたからって油断してはいけない。何故なら人類の誇る精鋭部隊の行動は予測不能。やつらが存在する戦場で油断するのは命取りになる。……さて」


 キースは俺の言いたかったことを最後まで言い切ると、少し間を開けて……。


「それじゃあこれらのことを踏まえて本題に入ろうか」


 ……これ前置きだったのかよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ