表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/76

第17話 決戦前夜 前編

1/2

「ふわぁ~あ」


 俺は欠伸をしながら大きく伸びをして、野営用の仮設テントから出る。


 予想では敵の到着は明日だが、油断することはできない。


 なにせ俺は迷宮防衛隊。


 つまり下級兵士だ。


 魔王軍の中での階級が低い分、使い捨てにされる可能性も高いし、何より自分の戦闘力自体がそもそもひくいので、死ぬ可能性がかなり高い。


 自分の置かれている状況を起きて早速冷静に分析した俺は再び出そうになる欠伸をこらえて、頬を両手で強く叩く。


 うん、すごく痛い。


 目が覚めるな。


 さて。


 今日は上からの指示は特に出ていない。


 つまり自由ということだ。


 とは言っても本当に自由なのは幹部かせめて1000人隊長以上の階級の者ぐらいなものだろう。


 魔王軍は基本的に人間にたちの軍に比べると士気が圧倒的に高い(ここからの話は主人公のゲーム、ラノベ知識に基づいた推察です)。


 人間の軍の一般兵は徴兵された農民や傭兵が主力。


 常備軍も少しぐらいはいるとはいえ基本的にはやる気もなく練度も低い傭兵や、家族のもとへ帰るために、死ぬのだけは絶対に避けたいであろう農民兵。


 指揮や練度が高いのは数少ない常備軍(『聖輝航空魔導隊』のような精鋭部隊も含む)くらいなもの。


 傭兵や農民も出世や褒章のために手柄を上げようと頑張るとはいえど、人類の主力は国の精鋭部隊。


 人類と魔王軍の戦力差を考えてみると、有利なのは圧倒的に人類側なのだが、それは数による優位であり、実際の個体差を見てみるとやはり身体能力は魔族である我々にある。


 たとえ俺と一般兵が真っ向から(詐欺とかの固有スキルを使わず、単純な腕力勝負)戦ったとしても、俺が圧勝するだろう。


 最弱の俺が、だ。


 それほどまでに、我々と人類の間には種族差いう物が大きく存在する。


 つまり、彼ら一般兵の役割としては、精鋭部隊が効率よく敵を倒すための足止め役だ。


 だから死ぬ確率も相当高い。


 さぁ、ここまでの話を聞いて、人類側の一般兵が必死に戦うかどうか?


 答えはNO。


 こういった理由から、人類側の軍の指揮はいつも低い。


 だがそれに比べて魔王軍の士気や練度はどうだろうか。


 魔王軍は基本的には所属するものすべてが兵士。


 階級が上がるほど待遇がよくなり、高い階級に行くためには戦で武功を上げるしかない。


 また、待遇がよくなると一口に言っても、階級による待遇の違いはまさに雲泥の差。


 さらに階級が低ければ低いほど死ぬ確率は高まる。


 つまり戦で武功を上げられなければ永遠と高確率で命を落とす戦にでなければならないことになる。


 このような理由から、魔王軍兵士はよっぽど高階級にいる兵士以外は武功を上げようと文字通り『命懸け』で戦うのだ。


 ここまで長々と話がずれたが、つまり言いたいのは「武功を上げるために皆張り切って剣を振って来る戦の準備をしていたり、作戦会議をしたりしていて、自由だからと言って遊んでいるような者はほとんどいない」ということだ。


 もちろん俺も例外ではない。


 前日からの疲れで今日は朝遅くまで寝ていたが、リーダーのドレイクに言われて、これから顔を洗い朝食(と言っても粗末な軍用食である)を取ったら、33班の皆の所に行き、作戦会議を行う予定である。


 まあ正直戦争においてこんな少人数の班での事前の作戦会議などが役に立つのかと疑問に思ったが。


 しかし、この時の俺は元の世界、つまり地球で起こった戦争をイメージして考えていたので、単純で重大なことをすっかり忘れてしまっていた。


 ついでに言うと、そのせいでこれまで頭の中でシミュレーションしてきたことのすべてが白紙に戻った。


 そう、その重大なこととは……。


 この世界は魔法やスキルなどという学問では証明のし難い超常現象が存在する世界であったということである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ