第12話 魔王軍のシステム
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「おいおい、どうしたんだ? リューン、また難しい顔をして。ほら、魔王軍について教えてやるから考え事はあとにしろよ」
2人のステータスを見て、関心半分嫉妬半分で色々と考えていたが、不意に声がしてびっくりしてステータスを閉じる。
「おっと! すいません、ドレイクさん」
「いやいや、誤られるほどの事じゃないだろ。それじゃあ教えてやるよ」
そう笑って言って、ドレイクさんは話し始めた。
「いいか? まず魔王軍兵士には12の階級がある。下の階級から順に「下級(迷宮防衛隊)兵士」「上級兵士」「近衛兵士」「上級100人隊長」「下級(迷宮防衛隊)隊長」「近衛100人隊長」「常闇の尖兵」「上級1000人隊長」「近衛隊長」「魔王軍の戦闘メイド」「魔王軍幹部」「魔王」だ。そして俺たちはこの12の階級の中で一番下の階級の下級兵士。他の階級の詳しい説明は割愛させてもらうが、下級兵士は普段から迷宮内の警備、魔王城外の警備、おまけに飯は各自で調達、人間との戦争時は野戦では先鋒という危険な役割を押し付けられ、迷宮内での防衛戦では捨て駒のように扱われる。つまり最悪の待遇プラス低生存率ってわけだ」
ドレイクさんは、そこまで説明すると一息つく。
さっき散々飲んでいたのにも関わらず、酒を器に注ぎ一気に飲み干す。
マジで頭おかしいぜ。
これだけ飲んでなんで酔いつぶれないんだ?
いや、そんなふざけたことを言っている場合じゃない。
俺は魔王軍に入ってきてなんだかんだ最高のスタートダッシュを切り、ちょっと調子に乗りすぎていたが、俺は下級兵なのだ。
今ドレイクさんに言われたことを聞き、改めてこれからの自分の未来を考えると、ゾッとする。
「けどそれなら……」
しかし、俺はドレイクさんのさっきの発言からある一つのことに気が付く。
「あぁ、流石はリューン。お前の思う通りさ。戦時に危険な役割を押し付けられるってことは武功を上げるチャンスが多いってことだ。雑魚兵でもかなりの数を倒せば上級兵ぐらいには簡単に昇格させてもらえる。俺が魔王軍に加入してから4年ほど経ち、人間との戦争は10回はあったが俺はいまだに上級兵になれていない。魔王軍に加入して最初の戦が起こった当時の俺のレベルは32。今ではむしろよく死ななかったと思うよ。それほどまでに下級兵の待遇は厳しい。それでこんな最悪な話の後にさらに最悪の話をお前に一つしてやろう」
ドレイクさんはさらに器に酒を注ぐ。
もうやめとけ。
しかし最悪な話?
「そりゃいったい……」
「ふっ、お前にとっては運悪く魔王軍に加入して早々に人間との戦だ」
「はぁぁぁぁぁ!?」
俺は思わず大声を出してしまう。
え、早速俺はそんな地獄に放り出されんの?
無理でしょ。
温室育ちの俺がちょっとレベルが上がって力を得たとしてもその力を引き出せないわ。
「驚くのも無理はないな。だが俺は今回の戦こそ大きな武功を上げ上級兵士になる。そして戦は俺たち33班で一緒に戦い抜く。お前も頑張ってくれよ。まぁあのワイバーンを撒くほどの実力者なら何とかなるだろうがな。期待してるぜ」
期待するな!
俺はマジで雑魚だ。
だが問題なのは俺の命もそうだが、魔王軍の戦力と人類の戦力だ。
ここをしっかり把握しておけば戦の大局をしっかり見極めながら立ち回ることができる。
戦のカギになるのは単純な個々の強さもだが、なにより戦略。
むやみに敵に突撃するのではなく、相手のスキを見つけてそこを突く。
そういう戦い方をしなければ命がいくつあっても足りない。
特に俺には。
「なぁ、魔王軍の戦力と人類の戦力を教えてくれよ」
俺はドレイクに問いかける。
「戦力か……。詳しくは知らないがおおよそなら知っている。魔王軍の戦力は下級兵が3500、上級兵が10000ほど。近衛兵が1500。上級100人隊長が100。下級隊長が12。近衛100人隊長が15。常闇の尖兵が48。上級1000人隊長が10。近衛隊長が1。魔王軍の戦闘メイドが7。魔王軍幹部が4。そして魔王が1」
なるほど、階級ごとの兵士の役割とか強さとかの指標がないからいまいち分からないが、なんとなくは分かった。
では、人類は……。
「そして人類の戦力は……」




