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剣と魔法と宇宙船と  作者: 伊住 近
第1章 いきなり海賊退治ですか?
1/2

1.エサをまく? 釣りですか?

初投稿です。


スペースオペラで、ファンタジーな世界を描きたくて書き始めましたが、どうなるか分かりません。


不定期の投稿となります。のんびりとご覧下さい。


 1.エサをまく? 釣りですか?


 漆黒の宇宙空間。闇の支配する何もない真空の世界。しかし何も無い様に見える そんな宇宙空間の中も、見方を変えれば色々な物が飛び交っています。


遥か遠くに見える 淡く輝く 星々の瞬きや、複雑な色彩を散りばめた星雲や星団の数々を映し出す光子の波。巨大な恒星の爆発による高エネルギーの放射線。太陽から飛んで来る凄まじいプラズマの風。それらが入り混じり 絶えず変化に富んでます。


そんな変哲も無い星系の中を、一隻の宇宙船が進んでいます。ここは恒星バイグラントを中心とした星系で 、居住に適した惑星もなく 優良な鉱物資源もないために 星系と星系とをつなぐ中間航路として存在していました。


 しかし このバイグラント星系は 多少問題のある星系でした。主星のバイグラントが 頻繁に大規模な表面爆発を起こすため、主星からの強烈な太陽風と宇宙線が吹き荒れ、宇宙船が航行するには困難な宙域となって、宙航路としては滅多に使われる事がなく、星系内の航路の開拓が遅れていました。


 ただ 居住可能は星系をつなぐ航路としては、比較的距離が短いため 時間と経費を節約するために、腕に覚えのある船乗りや 不正な品物を運ぶ船などは危険を冒して航行するので。事故や海賊被害が絶えない宙域でもあります。


 そのん危険な宙域を進む宇宙船の名はフレイア ライズレイク号。かなり大きな輸送船で全長は800メートル位あり、全幅は120メートル位でしょうか。巨大な葉巻を思わせる丸みを帯びた船体と、エイの様な平たい物がくっ付いた形をしています。


前方には一角獣を思わせる長い突起物があり 探査装置や光学機器が備え付けられています。一応武装もしてるようで 砲塔の様な突起も見受けられます。船体中央部は格納スペースになっている様で。コンテナの搬入口や艦載機の出入り口になっている扉などが見受けられます。船体後方にはパイプやラジエーターなどの機械類が雑然と並んでいて 極めつけは物凄く大きな三基のエンジンと噴射口が横一列に並び、壮観な威圧感を与えています。


今 フレイア・ライズレイク号は 星系を横断をしています、何故かと言うと 亜空間を出入りするための特異点は 強い重力の近くで生成する事が出来ません。ですから 特異点は星系の外縁部か、比較的重力の安定しているラグランジュ点に作らないといけない訳です。その為 特異点から特異点へと 通常空間の中を時間をかけて移動する事になるのです。


亜空間の中は星系同士がほとんど隣合わせていると言われていますが 規則性がないため、比較的安全な直線距離を取って航路するのです。


亜空間航行は恒星間航行では欠かせない移動手段ですが。何処へでも行けると言う訳にはいきません、星系から星系へと飛び石伝いに移動するしか無いのです。


長いこと人類は、恒星間を移動する術を 見出だせずにいました。最大の原因はその距離でした、しかし亜空間と言う別次元の発見により解決することになりなした。その発見は偶然から もたらされました。『魔術』の発見です、かねてから全ての空間には 未知のエネルギーが満ち溢れていると予想されていました。ですが 見ることも 触ることも出来ない、エネルギーを 使う事が出来ずに居たのです。


ところが ある科学者が、ある物質に 文様を描いた時に、何らかかの現象が 起こる事があるのに気付きました。何も無い空間が燃えだしたり、水が吹き出たりと。まるで魔法の様でした。それは 、触媒に術式を通して 意志を伝えると、別次元の未知のエネルギー(‘‘魔素’’呼ばれている)が何らかの作用をして この空間に影響を及ぼしているのでは無いかと結論付けました。しかし いまだに詳しい事は解っていません。


しかし それからは 加速度的に発展して行きます。効率の良い触媒の発見と合成、術式と紋様の開発。極め付けは機械と魔術の融合です。魔術機関として発展してき。その恩恵は宇宙開発にまで及び。船体の強化と軽量化により 巨大な宇宙船が作られ。魔素エネルギーを推力に使うことにより 無尽蔵の推進力を得ることになります。そして特異点生成装置の開発に成功するのです。


さて 星系内を 移動している、フレイア ライズレイク号ですが 当然無闇に進んでいる訳ではありません、魔術機関のエンジンを使っているとは言っても 無闇やたらと 加速 減速していては、効率が悪すぎます。当然通常空間にいる訳ですから 物理の法則に従って進んでいる訳です。


宇宙船の司令室の中は広く、後部から前部にかせて緩やかな傾斜がついていて。ハートの様な型をしています、その一番高い場所に船長席が据えられ 前方に航法 操舵 。左に哨戒 通信 。右に機関 館内制御そして中央に火器管制と セクションごとに分かれています。


壁一面には、宇宙空間が映し出されていて、まるで宇宙空間にいる様な錯覚をしてしまいます。図上には航宙図が映し出され宇宙船の航路が見て取れます。どうやら 巨大なガス惑星に向かって進んいるようです。惑星の重力を使ったスイングバイで速度を稼ぐようです。


 航法士の、女性の名前はカリナ・キャビレア。細身の体付きでスタイルも良く長身なのですが、一番の特徴は 頭の上に付いている長い二つの突起です。まるでウサギの耳の様です。飾りではなく機能しているようで、あちら此方に向きを変えながら聞き耳を立てているようです。 


隣の操舵士は、男性で名前を カルマ デルバスと言います、全身筋肉で 覆われていて、着ている服がはち切れそうです。そんな彼が 航法士のカリナ嬢に聞いてきます。


「なあ、今度の海賊船。拿捕したら売っぱらっちまうのかい?」するとカリナが呆れた様に答えます。


「あんた 何も聞いてなかったの?。攫われた娘さんの居場所を聞いて、道案内させるらしいわよ」すると嬉しそうに。


「じゃあ、海賊どもを潰す前の前哨戦か?腕がなるぜ」と胸を張ります、着ている服が プチプチと抗議の声をあげます。それを見てため息をつきなが ら、カリナが答えます。


「あんた それだから、脳筋って言われるのよ」


「その言葉は 俺にとっちゃ褒め言葉だぜ」と、親指を立ててにゃ と笑います。


そんな 軽口と、各セクションからの報告を 船長は静かに聞いていました。 船長の名前は アルバート・レンフィールドと言います。高い身長とがっしりとした体格で安心感を与えています。顔立ちは良いのですが 捻たような表情と穏和な顔立ちで 年齢を感じさせない不思議な雰囲気を醸し出しています。


 そんな船長の背中をボンヤリと眺めるている少年がいます。船長席の斜め後ろに据えられた 簡易シートに座る少年で。名前は クリストファー・サブレアート、年齢は17歳 で金髪で細身の顔はかなり整って、美少年と言えるのですが 自信無げな表情が少しマイナス点でしょう。身長も高く程よく筋肉もついているのですが、細く見えるのは若いからなのでしょうか?。


 クリストファー少年は とある事情で船に乗り込んでいるのですが。問題は 今の状況です、海賊に攫われた姉を助けたい、とお願いしたところ。快く引き受けた船長さんなのですが。 


 「海賊からの要求がないぃ!!。これでは時間の無駄だ! 海賊に聞いたほうが早い」

と言い出しまして、今この宙域を彷徨って居るのです。

一体どうやって聞き出すと言うのでしょうか?。海賊船を襲う?。そんな輸送船なんて 聞いた事がありません。この船はおかしすぎます。


「航路クリアーです、進度上に障害物はありません。太陽風の影響で 若干流されていますが、フレイア がすでに微調整済みです」

 前方の操舵席に座っている ボルフからの報告に 船長がのんびり答えます。


「よろしい!進路、速度 ともにそのまま。哨戒員は監視を厳密にたのむよ。フレイア、太陽黒点はどうだい まだまだ荒れそうかい?」


「レーダおよび全周囲光学監視装置には 不審な物体は検出されていません。あと太陽黒点は これ以上の活動は無さそうです」

 女性の声が 何処からとも無く聞こえてきます。

 

  彼女はこの船の管理AIで、操船はもちろん 船体の管理運営を行っています、その名前は船の名前にも使われていて 略称でAI、フルネームで船名と使い分けているみたいです。


「船長 レーダー照射で索敵してますが よろしいのですか?。本船の位置を特定されてしまいますが?」と カリナ嬢。


すると船長が どうでもいいと言いたげに答えます。

 

「かまわないさ ここは海賊団のテリトリーだ とっくに本船を捉えているだろうからねぇ。問題は どこで襲って来るのかだけど、どう思う?」 

 

と聞いてくる。するとカリナが 嬉しそうに答えます。

 

 「私は こちらのスイングバイに合わせて 惑星の影から来ると思います、追撃には不利ですが 奇襲には最適だと思うのですが?」すると船長が 肯定するように。

 

「そのあたりだろうぁ、まぁ餌は撒いてあるから 食い付いて来るとは思うが、うぅん(ため息)。まぁーどうせなら 生きの良いのが掛かるといいなぁ」

 

 頭を描きながら 船長がのんびり答えると。すると AIのフレイアが 自身ありげに話しかけてくる。

 

「大丈夫です、積荷はハイブレイト鉱石ですよ。こんな稀少鉱石を積んでいる船を襲わなければ 海賊失格です」


 いやいや おかしいでしょう。何ですか 餌をまくって? つりですか?。





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