小噺 隠者 バケモノの隠者と愚か者
「はぁ。」
「どうしたの、アリスタため息をつくなんて珍しいね。」
「…遊月か。」
「うん。というかここに来るのいつぶりなんだ?」
「お前こそ、グチャグチャな物は安定したのか?」
「ひとまずね。姿がかなり変わったけど。」
「そうだな。すっかり変わっている。前は黒髪で着物を着ていたのな。」
「この姿もそこそこ気に入ってるんだけどね。それで、どしたの。」
「いや…俺が今住んでる世界の生徒のとのことでな。俺は人形の生物どころかただの生物であるかも怪しい。それに強すぎるだろ、俺は。」
「そうだね。相対的に圧倒的にアリスタの方が強いよね。」
「そうだ。それで…バケモノだと拒絶されないか…と。」
「うわー。正直そこで悩んでいれる状況に嫉妬するんだけど。」
「…そうか。すまない、配慮が足りなかったな。」
「まあ自分なら隠しているのが嫌だから告白しちゃうかな。その告白をしても拒絶されないタイミングで。その見極めが大変だけどね。」
「………やはり告白したほうがいいか。俺が生物だと言えるかすらも曖昧な存在だと。」
「多分ね。拒絶されるのが嫌なら隠すほうが無難だけど。それにそっちの世界が落ち着いてからにした方が。」
「分かっている。今はゴタゴタしているからな。」
「あと、死神のシャドウはどうしたの。」
「お前の前では出ないんだと。お前のグチャグチャを見てからこうだよ。」
「そっか。聞こえていないだろうけど、ごめんね。」