コケて起きたら異世界でした。
「ここ…どこ?」
私は気付いたら見知らぬ世界にいた…って流石におかしいと思う。急過ぎない?なぜなら私は今さっきコケた。コケて、顔上げたら周りは知らない世界だった。
「…全く状況がわからねぇ‼︎」
ふぅ…とりあえず深呼吸深呼吸。
「スゥ〜ハァ〜スゥ〜ハァ〜」
よし、もう大丈夫‼︎落ち着いた‼︎
ここで終わったかもしれない私の人生を声に出して振り返ってみる。
「私、鈴木優香は17歳のニー…じゃなくて自宅警備員‼︎先程まで久しぶりにコーラを買いに外出‼︎そして今さっきコケた‼︎」
私がそこまで言い切り、最高のドヤ顔で胸を張ると、後ろから吹き出す声が聞こえてきた。
「ぷっ、あはははははっ」
私が驚いて後ろを振り返ると、そこには白い杖を肘置きにし、頬杖をついている黒髪ロングの女の人がいた。
「ど…何方…様?って言うかこの世界にも人いたのか…」
何気に失礼なことを言いつつも相手の名前を確かめる。
「あぁ、ごめんごめん。僕の名前はリオン・アルバート。通りすがりの天、才、魔法使いさ‼︎」
「…え?」
今この人凄いこと言わなかった?しかもさらっと。
「通りすがり?」
「そこ⁉︎…まぁいいや。そう、僕は旅する魔法使い。何度か死にかけたよ。」
どうやらリオンさんは旅人魔法使いらしい。
「あ、君信じてないね?」
「はい信じてません。」
「なっ…」
リオンさんは信じてない私のことを一睨みし、杖を構える。
「みてみな…僕の魔法を‼︎」
そう言ってリオンさんは呪文を唱…えず、魔法をぶっ放した。
「ガルダルアーナァァッ‼︎」
そのとたんリオンさんの後ろに魔法陣が現れ、その魔法陣の周りから光の矢が放たれた。
「…えぇぇぇぇっ⁉︎」
私は軽くよろめいて尻餅をつく。
「ふっ…どうだい?僕の魔法は?」
「す、凄い…です」
そして驚きに顔を引攣らせる。
「…おっと、君の名前を聞くのを忘れてたよ。君、名前は?」
「え、あ、私、優香、鈴木優香です‼︎」
「ユウカか…宜しく、ユウカ。」
そこでリオンさんはよしと呟くと、
「またどこかで会えるといいね♪」
と、私を置き去りに歩き出した。
…は?置き去りぃ?
「待て待て待てぇい⁉︎」
私は走ってリオンさんを追いかける。
「え⁉︎何、何⁉︎」
リオンさんも驚いて走り始める。
だが残念だな‼︎私が運動で負けたことなんて一度もないんだよ‼︎
「ふ は は は は は は ‼︎」
「怖い怖い怖い怖い‼︎」
リオンさんは私の速さに怖気付いたのか、やっと止まってくれる。
「き、君の要件はなんだい⁉︎」
「私を旅に連れて行って下さいませ‼︎」
「は⁉︎」
私は思いっきり頭を下げる。
リオンさんはしばらくフリーズしていたけど、そのうち諦めて、
「ええい、面をあげよ‼︎」
となんとも古めいたセリフを吐く。
「わかったよ、連れてく連れてく」
「本当ですか⁉︎」
「うん、本当。でもその代わり、」
「その代わり?」
「僕の助手をすること。いいね?」
「はーい」
なんだか叱られてる子供みたいだな、と思いながら返事をする私。
「それじゃ、改めてよろしく頼むよ、ユウカ」
「こちらこそ‼︎」
こうして突然私の旅が始まった。