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ヒストリー
俺の名前は山川桃里。
どこにでもいる40代半ばの男。
これから、自分の周りで起こった事件を話していこうか?
俺がこの世に生を受けたのは、1960年代半ばに関西でだった。
関西っていうと、大阪をイメージする人が多いと思うが、俺は大阪に隣接するエヌ県のワイ市の小さな町医者で産まれた。
俺の両親について、話しておこう。
俺の親父は中国地方のワイ県、母親はエフ県で生まれたそうだ。
親父は若い頃は暴れん坊だったようで、母と出逢ってから、親にも勘当され、大阪に出てきたようだ。
親父の性格を一言で言うと、『巨人の星』の星一徹のような頑固親父だったようだ。
一方、母親は、世間でよく言われる、正反対な性格の持ち主で、いつも優しく、穏やかな人だったような記憶がある。
そんな、両親が、どこで出逢い、どうして一緒になったかを、俺はきいた憶えがなく、今の今でも定かではない。
そんな両親が大阪に出てきたのは、親父が30、お袋が25の時だったときいた。