2階階段途中
ふと気がつくと真っ暗闇の中だった。少し寒く、かすかに何か懐かしいような匂いがしていた。昔、おれがまだほんの子供だったころに嗅いだような香り、蝉時雨と強い日差しとともに。夏の香りだと思った。その香りが何だったのか、もう少しで思い出せそうなところで別のもっと甘いにおいが漂ってきた、ほのかな、あまりにも滓かな香りだったが、元のにおいと混じりあって辿りかけた記憶が途絶えてしまう。新しいそれは花の香りだった、ばらの匂いだなーなんて貧相な香りの知識と照らし併せてみる。
誰かが頬に触れた。そしてふわんと、また甘い香りがする。視界がふっと白くなる、どうもおれは瞼を閉じているようだ、光で照らされているらしい。薄く目を開けると、光が長方形をしていることが分かる。スマホの画面を懐中電灯にして、こちらを見ている人影、逆光になって見えにくいが、目を開けてしまえば部屋全体も真っ暗ではなく、ほのかに明るい。女の子だ。このばらの香りも彼女のものだ。きれいな子だ。まっすぐな黒髪が頭の左右で結ばれている、結び目には可憐な薔薇の花を飾って。スマホを握った指や手首が細くて白い。思わず顔に見とれていると、唇がかすかに動いた。起きてる? 小さな声で、聞き取りにくい声音で、そう言われた。起きてる。とおれは返事をして身を起こした。
女の子はなんだか変わった格好をしている。元々はなにかかわいらしい、ピンク色がメインのワンピースだったようだが、煤けてひどく汚れていた。しかし手足は傷ひとつ、痣ひとつなく、芝居か何かで衣装を着させられているような、嘘くさい感じがあった。
薄明るい周囲に少しづつ目が慣れてくると部屋全体も見えてきた。妙な雰囲気で、白い机のような簡易的な寝台のようなものがきちんと整列し大量に置かれている。おれが先ほどまで寝転がっていたのもそのようなものの一つらしい。他のベッドのようなものには同じように人が寝ていたり、空っぽのものがあったりした。
「わたしはローズよ、あなたは?」
おれが一通り周りを見渡すのを待って、彼女は口を開いた。まったくの初対面、おまけにこんな訳の分からない状態なのに親しみをこめたような不思議な口振りだった。
おれは、と言いかけて困ってしまった。名前とか、そういうおれ自身に関する情報がさっぱり思い浮かばないのだ。あまりにもおろおろとした感じが全面に出てしまっていたのだろう、ローズと名乗ったその子はおれのベットの枕元から何かを拾い上げた。それは紙でできたらしい、手のひらほどの大きさのカードで、彼女の服と同じように汚れ、一部は焦げて三分の1ほどは欠けていた。元は白かったらしいそれには大きく飾り文字で数字が書かれており、41と見えた。
「41かあ・・・・・・。41、エイプリルフールちゃんでいい?」
もちろんよくない。このローズという子、顔はかわいいがなかなかエキセントリックだ。
「うーん、じゃあ四月ばかお?」
「バカとかフールとかは止めてほしいな。ローズさん」
「ローズでいいわよ。じゃあ四月うそおで。」
それもどうかと思ったが、深追いするともっとめちゃくちゃな名前をつけられそうなのでとりあえずよしとする
「ところでここはどこなんだろう」
ローズは可愛らしく首を捻り、しばらくしてぽんと手を打ち合わせる。
「病院よ。」
「病院?」
「そう、爆弾が爆発したのよ。」
ローズの話はこうだった。
彼女はそもそもアイドル、らしい。申し訳ないがあまり興味がないので深く知らないのだが、スーパーロリポップスというアイドルグループに属しているのだという。そんなアイドルの仕事は多岐にわたるらしいが今日の仕事は病院でのコンサートで、なんでそんなところでコンサートをするのかさっぱりわからないが彼女に言わせると愛と勇気を与えるのがアイドルなどとさらに訳の分からない話に迷い込んだのでとりあえず話を進めるとそのコンサートのリハーサル、その場所で爆弾が爆発したのだという。
なにがどうなったのかさっぱりだし、どうしておれがこんなところにいるのかということはやっぱりさっぱりわからないが彼女が考えるに爆発に巻き込まれたスタッフか病院の関係者なのではということだった。彼女はおれの顔に見覚えがないと言う。なにも覚えてないの? 本当に私を知らない? と彼女は何度も訊いてきたが、知らないものは知らないと返すしかなかった。
一通り話し終えると、心底申し訳なさそうに彼女は言った。
「私たちはステージの上でしか生きていないから、ステージの上で死ぬのは怖くない。あなたがステージに関係のない人だったら、けがをさせてしまって本当に申し訳ない。」
やけにしっかりした口振りで、おれの額に触れる。全く気がついてなかったのだが、触れられて初めて大きめの絆創膏が貼られていることに気がついた。その言い方が、さっきまでのおれの名前を勝手に決めたようなふざけたものとはまったく違って、すこしドキリと、した。
しかし病院にしてはこの部屋は窓もないし、暗い。ほのかな明かりは非常口のグリーンの灯火。とりあえず外に出ようかと手をかけたドアはぴくりとも開かない。ローズが懐中電灯代わりに使っていたスマホも圏外になっている。
「あそこはどうかな?」
ローズが指さしたのは、隅の壁にある細い鉄の網のようなもので覆われた換気のダクトと思われるものだった。まるでB級の映画だなと思ったが、とりあえず黙っておく。お誂え向きに空いているベットが下に置いてあったので、登ってみると網も簡単にはずれ無事入れそうだ。穴に入ってみると、中は案外に広い。立つのは無理そうだがかがんで座るくらいはできる広さだった。
10メートルほど行ったところが淡く、明るくなっている。かすかな隙間からうっすらと光が漏れているらしい。
「ここ、開いてる!」
ローズが嬉しげに言うが、明らかに通れる大きさではない。その瞬間、何か素早いものが空気を裂く音がした。狭い中で器用に蹴りあげた彼女の足が的確に隙間をとらえて、めきょっという音とともに薄い金属でできたダクトは歪んでいた。そこに体重をかけるように何度か飛び跳ねると、メキメキという音とともになんとか人が通れるかもしれないというくらいに広がった隙間が現れた。
「・・・・・・、すごいね。」
「アイドルは体が資本だから」
にっこりと笑う彼女はとってもきれいでかわいくて、逆らわないようにしようと思った。
ダクトの外はいろいろな管が集まった通路で、非常灯のような小さな蛍光灯が数メートルおきについているだけのスペースだった。先ほどまでとあまり代わりのない雰囲気の場所であったが、立って歩けるのが嬉しい。あてもなく歩き出すと、なんだか耳慣れない音がすることに気がついた。ずっとしていた空調の音とは明らかに違う、なにかがすすり泣くような声だ。ここは病院らしい、というのを今更思い出して、ちょっとぞっとする。ふつうに使われていないような、こんな道で泣いているのは・・・・・・、幽霊かもしれない。
「泣き声、しない?」
ローズも気味悪げに確認してくる。やはりおれだけの思い違いではなさそうだ。二人で顔を見合わせ、今来た道を指さす。彼女も頷く。泣き声のほうに近寄らない方向で、ゆっくりと身を返すと、キイ、とドアの開く音がした。ヤバい、一瞬背筋が寒くなる、ほんとにお化けだったらどうしよう。
「・・・・・・ろぉずちゃぁん」
鼻にかかった女の子の声は、幽霊というにはあまりにも間が抜けていた。
「えー、スーパーロリポップスのナンバー18、さくらです。」
「さくらだよぉ。」
にこにこと微笑む女の子は、よく言えば優しげな、悪く言えば頼りない雰囲気だった。もっと悪く言うとちょっとのろまっぽい感じがする。
「ローズちゃんこのかたどなた?」
「それがよく分からないんだよねー。とりあえずうそおさんという仮名で」
「うそおさんよろしくぅ。」
「さくら、なんでこんなところにいたの?」
「あーっえーっと、道に迷ったの」
そこは完全に物置のようだった。掃除用具が壁に立てかけられ、いくつかの棚には中身の見えない荷物が積まれている。道に迷ってこんなところに来るかは疑問だったが、このぼんやりした子ならそんなこともあるかもしれないと思わせた。
「爆発があったみたいだけど、大丈夫だった?」
「えー、知らない。ずっとここにいたよお」
「あのう、とりあえずここにいても仕方ないので出ませんか」
控えめな提案は受け入れられた。入ってきたほうの反対側にあるドアには鍵もかかっていなかった。
出てみれば何の変哲もない病院の廊下だった。リノリウム張りの懐かしい感じすらするところだ。ただ妙にしーんと静かで、夢の続きのような感じすらした。広い病院なのに、おれたちの他には人っ子ひとりいない。まあ爆発があったというのが本当ならみんな避難したのかもしれない。
「他のみんなはどこぉ?」
間の抜けた声でさくらさんがローズに訪ねる。
「ベリーやプラムやまっちゃんやオレやすいかやトフィーはわたしが寝てた部屋にいたけど、そう言えばストロベリーやオレンジやコットンキャンディなんかは見てないわ」
「・・・・・・スーパーロリポップスさん? は何人いらっしゃるんですか」
「えっ、ローズちゃんこの人わたしたちのこと知らないの」
「らしいよ・・・・・・。ヒくよね」
「すみません自分の名前も分からないくらいでね!?」
「スーパーロリポップスはぁ、40人のアイドルグループだよ。それぞれみんなフレバーが違うの」
「そうそう、わたしのローズも、さくらも。基本的にみんなフレバーで呼ぶの。人によっては関連企業がスポンサーにつくこともあるんだよ。ちなみに株式会社フラワー花壇さんのご後援をいただいております」
「さくらは和菓子桜堂本舗さんだよお」
「他にもバターがフワトロ乳業とか、おもしろいところだとドンパッチは花火やさんね」
「そういうの、流行ってるの・・・・・・?」
「最近は多いよお~。さくらはアイドルをやらせてもらえて本当に幸せものだよ」
「そうだようそおさん、さくらちゃんはコジドルなんだよ」
「こじどる・・・・・・?」
目が点になっていたかもしれない。コジドル、故事マニアとかか?
「さくらはお父さんもお母さんもいない天涯孤独なんだけどぉ、アイドルをさせていただいて今では育ててもらったハウスに仕送りもできてるんだよ~」
孤児のアイドル。略して孤児ドル。なんだかおれが思っているよりこの世界はだいぶ露悪的なようだ。
「そおいうローズちゃんだってさあ、すごいよ~。ナンバー8だよーひとけただよー人気者なんだよ~!」
さくらさんはにこにこしながら言う。
がちゃん。
不意に聞こえてきたのは鉄がぶつかり合うような、鈍い金属音だった。続いて何度も、がちゃん、がちゃん。
三人で顔を見合わせる。どうも数歩向こうのドアの向こうから聞こえてくるらしい。
「行ってみようよお。もしかしたら誰かいるかも~」
のどかな声でさくらさんが言い、そのままドアに手をかけてぱっと開けてしまう。
「え~っ」
戸惑いのまじった声だった。
部屋は普通の病室だった。四つほどのベッドが置かれているが、どれも空っぽだった。突き当たりには窓があって、久しぶりに見る外はよく晴れた青い空が広がっている。奥のベッドの横の椅子に、二人と似た雰囲気の、黄色っぽい衣装を着た女の子が腰掛けている。くるんと巻いた髪の毛のかわいい、すこし痩せているが活発そうな雰囲気のかわいい子だ。アイドルというのも頷ける。その腕に寸胴の鍋を抱えていなければ、だが。がちゃんがちゃんといいう音は大きなスプーンが鍋にあたる音だったらしい。
「パインちゃん、どうしたの!?」
さくらさんは狼狽え、おびえているようだった。見ればローズも愕然としている。
「あんなにカロリー気にして必要以上食べなかったパインがこんな時間に鍋でカレーなんてまさか・・・・・・!!」
なんだそれは。カレーぐらい好きに食え。
「あーもういいの。もういいの。パインほんとはカレー大好き」
この瞬間ももぐもぐしながら、幸せそうに彼女、パイン? が言う。カレーはうまいもんなー。
「一体どうしたの?」
「だってパイン、死んだもん」
「あれっ、知らなかったの? 爆弾が爆発してみんな死んだんだよ。パインはお母さんが作ってくれたお弁当を食べにステージの裏に居たんだけど、お弁当っていっても野菜とか多くてすかすかでおいしくなくて朝ご飯だけなんだものちゃんと食べさせてくれるの、変な時間に食べると太るから。ああそれで飛んできた箱馬の角で頭を打って死んだの。ふと目を覚ますとこの部屋に居て大好きなカレーがあるじゃない。ああこれは天国に来たんだなあもういつだってカレーをたべていいんだあって思って、食べてたの。」
「えっじゃあ私も死んでるのぉ」
「たぶんね」
「そうなの? やった~やった~」
なんだかものすごく異様な感じだが、嬉しいならいいかと思いかけて、いやいやと改める。
「えっと、もしほんとにおれたちが死んでるなら、なんでこんなところにいるのかな」
「パインが思うに、なにか心残りがあったらここにいるみたい。カレーとか。他の部屋に行ったらシーフードカレーやチキンカレーがあるかもと思ってそのへん覗いてみたんだけど、シナモンがいてさあ。カップを持っててね、ああこのコーヒーが一杯飲みたかったんだよ、って言って消えたんだよね。心残りがなくなったからだよね消えたのは。あとチェリーとコークがいちゃいちゃしてたの見ただけだったし。こんな昼間からいちゃいちゃできて嬉しいって言ってたし。あの二人出来てたんだねー。知らなかった。言ってくれたらよかったのにねー。ローズもさくらもなんか心残りがあったんじゃないのどうせ。」
「あったけどもういいよぉ。
あのね、私ね死んだら保険金いっぱいもらえるんだあ。今、ハウスちょっと苦しいからそれで経営がマシになったらいいなあとおもって、でも痛い死にかたはいやだから、ステージの花火をいーっぱいもってきてばーんってやったらきらきらきれいな中で死ぬかもなあとおもって、あの倉庫に持ってきたんだけど、爆発のさせかた解んなかったから、トホーに暮れてたの。でももう死んでたんだねえ~! やった~!」
なんだろう頭痛がしてきた。なんか間違ってないかその発案。でも、いろいろ考えてそうなっちゃったのかと思うと悲しい。さくらさんは屈託なく喜んでいる。
ふと手が引っ張られた。ローズだ。俯いている。そのまま手を引かれてドアをくぐる。後ろ手でドアを閉め、肩を震わせる。
「さくらは絶対、あんなこと一人で考えない」
ぼそりと呟いた。
「困ったことがあったら、周りに聞いて回ったりするけれど、死んで保険金なんて誰かに吹き込まれたんだ絶対。そんなこと言う奴なんてわたしがブン殴ってやる」
「まあちょっと落ち着けよ。そうかもしれないけど」
がちゃっと荒々しく、もう一度ドアを開けてローズは叫んだ。
「誰があんたに保険金なんて言ったの!? さくら!」
「ストロベリーだよぉ。あっ、これ言ったら保険金もらえなくなるんだったあ。でももう死んでるから、だいじょうぶだよねぇ~」
にっこり笑って、さくらさんは消えた。
「心残りがなくなったっぽいね」
カレーを頬張りながらパインが言う。
「あんたはなんで消えないのよ」
「あとシーフードカレーとチキンカレーとタイカレーが食べたいのよね」
「ストロベリーぶん殴る」
「そんなこと言いそうな人なの。そのストロベリーって。」
ストロベリー殴る、と言って部屋を飛び出したローズにやっと追いついた。パインは抱えたチキンカレーを食べきるまでここで落ち着いて食べると部屋から出ることはなかった。
「まあ得体のしれない人だわね。一種の化け物よ。わたしたちの1番だもの。」
「いちばん、」
「トップってことよ。トップアイドルよ。アイドルとして最適化されている女よ、わたしは嫌いだけど」
「そんなにすごいアイドルなのに嫌いなの?」
「なんか機械みたいなのよねー、完璧すぎて」
これ以上ストロベリーのことを聞くともっと怒り出しそうな雰囲気だったので話題を変えることにする。
「そういえば、ローズの心残りってなんなの?」
「そうねえ、言えばわたしの理想のアイドルみたいになりたいってところかなあ。」
「誰か、いるの。」
少しうつむき加減で、早足出歩くローズの、結ばれた髪がふわふわと揺れる。廊下の突き当たりの窓から差し込む日の光が髪を透かして、名前の通りのばらの色に見える。
「うん、何十年も前の人なんだけどね、甘草ばらねって知ってる?」
「ごめん、分からないや。」
「まあたちのことも知らなかったくらいだしね。歌よし、ダンスよし、顔はもちろんかわいくて、夢みたいな完璧なアイドルだったのよね。紅白だって十六歳までに三回も出て、そりゃもう人気だったんだけど、一つだけ嘘をついていたのよ。」
「嘘?」
「実はね、男の子だったの。しかもそれがばれちゃったのは、同業のアイドルの男の子と恋に落ちたからだったの。結局当然だけど、二人は結ばれることはなかったわ。甘草ばらねはアイドルを廃業、男のほうもぱっとせず終わったんだって。」
おれがなんとも言えないでいると、ローズはふと顔を上げ、おれのほうをまっすぐ向いた。
「でもさあ、今なら男の娘アイドルって、おいしいのにね」
あっけらかんとした口調と内容に、あぜん、としてしまう。
「だってホンモノの女の子よりずっとずっとかっわいいんだよ! ストロベリーなんかマジカスだよ、カス!」
「・・・・・・よっぽど好きなんだね。」
うん。と嬉しそうに頷くローズの頬は、まるで恋でもしているように赤く染まっている。
「わたしのフレバー、ばらねからもらったの。薔薇、ね」
ばらねの歌はとってもいいんだよ、と彼女は口ずさむ。未来で待っていて、会いに行くよ。思いは時をこえていく、そんな歌で、とにかく彼女は楽しげに歌った。様々な形に動いていく唇が、それこそ薔薇の花びらのようだった。おれは初めて、彼女が薄いピンクのグロスをつけていることに気がついた。真珠のいろに輝く細かいこまかいかけらがたくさん入っていてきらきらと光る。彼女は本当にきれいな女の子だ。
廊下の突き当たりには上に登る階段があった。2Fという表示があったのでここは二階らしい、とりあえず上に登りながらそのストロベリーを探していくつもりのようだ。
「あいつほんま殴っちゃるわー!」
先ほどの可愛らしい雰囲気はどこへやら、楽しげにローズは階段を登っていく。と、ふとその足がぴたりと止まった。
「ずいぶん楽しそうじゃない?」
「そうね、最近見なかったほどにね。」
階段の上に二人の女の子が立っていた。服装からして、スーパーロリポップスとやらの一員なのだろう。
短いプリーツスカートとノースリーブで大きめの胸が目立つのどことなくチアガールのような、オペラピンクの衣装で、ローズより短いツインテールはなぜか左右の長さが違う目つきのきつい女の子と、深い茶色とアクセントに白の入った衣装で、すらりとした足をショートパンツから惜しげもなく出したすこし大人びた雰囲気の短い髪の女の子は鋭いというか、射るような目つきだ。
「チェリーにコーク、よ・・・」
ローズが苛立たしげに言う。
「ストロベリーを殴るなんて言ってたわ。」
「まあ、ストロベリーを? 私たちのリーダーになんてひどい。」
「通さないわ、ここは。」
「邪魔しないで、ここからは。」




