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第四十一頁「揺れる心と修学旅行」

 ―――ストンッ




 軽いながらも心地よさを感じる音と共に、分厚めの封筒がポストの中に納まる。

 ……同時に、これで懸念事項がとりあえず一つ減った。




 諸々の意味を含めてこういう状況は想定外だったけど、何とかなるもんだ。

 締め切りギリギリなのもご愛嬌。

 後は運を天に任せ……ってところか。


 まあ、“これ”は一つチャレンジみたいなものだし、そんなに気にすることもないよな。

 何かを求めてる訳じゃなくて、僕に“今できること”の集大成みたいなもんだから。

 あえて言うなら、今の自分の力を確認するためのものだな、“これ”は。


 結果が出るのは―――2月ぐらいだって話だ。

 まだまだ先の話だけど、首を長くして待つとしよう。


 そして今は、“これ”を完成させる気にさせてくれた二人―――未穂ちゃんと優子ちゃんに感謝を。

 眠っていた“これ”に再び取りかかれたのは、二人の熱い気持ちにふれたから以外に理由はない。


 本人達に知らせることは無いかもしれないけど……ただ、心の中で感謝の言葉を贈る。

 ―――ありがとう。



  正直、“これ”だけにかまけてられる状況ではなくなってきてるし。

 このタイミングで投函できたのはある意味でちょうどよかったのかもしれない。




 ……とは言え、懸案事項はまだあるんだよな。

 しかもメガトン級で、かつ未知の領域の。

 ―――懸案事項っていうには、失礼で贅沢な話かもしれないけど。




 つばさちゃんからの告白―――。




 修学旅行が終わるまでに答えを出すと伝えたものの、結局その話は今日まで全くしていない。

 まあ、あれからまだ一週間しか経ってないけど。



 ……いや、逆に考えれば、もう一週間か。

 あれこれ考えてはみたけど、全く思考が前進しないどころか、むしろ後退してる気すらするし。


 焦っても仕方ないのは分かるけど、タイムリミットは刻一刻と、確実に迫ってきている。

 こんな大事なこと、どれだけ時間があっても足りないよな、ホント。






 ―――さて、こうしてても仕方ないし、帰るか。

 なんとなく誰にも見られたくなかったから、わざわざこんな朝早くに出てきたけど、正直言って眠い。

 とは言えこの時間じゃ二度寝はできそうにないし……今日は辛い一日になりそうだな。




 ………




 ………………




 「お兄ちゃん、さっきはどこ行ってたの? ずいぶん早起きしてたみたいだったけど……」


 「ん、ちょっと……朝の散歩に」


 早速あやのからツッコミが入ったが、本当の事を言っては早起きの意味がなくなってしまうので、ここは適当なウソをついておく。

 それに、早朝の景色だって楽しんできたんだし、丸っきりのウソってわけでもない。



 「散歩? ふ〜ん……まあ、早起きしてくれる分には文句は言わないけどね。

  でも、睡眠時間がたりなーいとか言って、授業中に寝ちゃダメだよ?」


 「分かってるって。子どもじゃないんだから、その辺は考えてるっての」


 ……中々痛いところを突かれたのは黙っておこう。

 我が妹ながら、的確な攻撃をしてくるもんだ。



 「それに、早起きまではいかなくても、最近はちゃんと起きてるだろ?

  誕生日にもらった目覚まし時計もあるんだしさ」


 「うん、確かにそうなんだけどね。何ていうか……イメージかな?」


 「イメージ?」


 「お兄ちゃんイコール寝坊とか、遅刻寸前みたいな」


 ……ヒドイ話だ。

 これじゃちゃんと時間通りに起きる価値なんてあったもんじゃないな。


 ―――いやまあ、あやのが言ってることは狼少年的な理論であって、悪いのは自分だってのは分かってるんだけどさ。

 それにしたって努力の成果を見てもらえないってのは寂しいものがある。




 「でもお兄ちゃん、ここ最近はホントにちゃんと一人で起きれてるよね」


 「だから、人を子どもみたいに言うなっての」


 「あはは、ゴメンって。そういう意味で言ったんじゃなくてさ。

  何て言うか……お兄ちゃん、変わったな〜って。

  朝、一人で起きるとかそういうの以外にも何て言うか……全体の雰囲気っていうのかな?

  そういうのが前とは違うような気がするよ」


 「……似たようなこと、前に光にも言われたな」


 あれは終業式の放課後だったはずだ。

 想像だにしてない上に忘れようにも忘れられない質問をされたからな、ちゃんと覚えてる。

 ―――まさかあの時の質問について真剣に考えなきゃならない事態が、こんなにも早くやってくるとは思ってなかったけど。



 「あっ、そうなんだ? さすがは光さんだねー。お兄ちゃんのこと、よく分かってるよ」


 「そうだな……まあ、あやのも流石は妹って感じだよ」


 「そうかな? でも―――」


 あやのはまだなんやかんやと喋っていたが、あまり耳には入ってこなかった。

 僕の頭は、既に別のことに使われている。


 好きな娘、か……。

 つい最近まで縁がなかったけど、こうも真剣に考えてるなんてな。




 ―――朝早いってのも、色々と気が回っちゃうし、考えもんだな。

 とりあえず、今朝の総括はそれだった。





 ………





 ………………





 「おはよー」


 「おはようございます、茜さん」


 いつもの時間、いつもの場所に茜ちゃんが待っていた。

 学祭が終わってから一週間、毎日のことだった。

 いや、学祭前からだってそうだったが。



 ……なのに、学祭終わってからはなんでか顔を合わせづらいんだよな。

 別に茜ちゃんとは何があったってわけじゃないんだけど……ただ何となくって感じで。


 何かがあったのは茜ちゃんじゃなく、つばさちゃんとであって、別に関係ないはず―――はずなんだけど……。

 強いて挙げるなら、隠し事をしてるみたいな現状に、ちょっとした後ろめたさを感じているのが原因かもしれない。


 とりあえず、そのぐらいしか理由が思いつかなかった。



 「―――どうしたの章、ぼんやりしちゃってさ。

  もしかして、まだ目が覚めてないんじゃない?」


 「やっぱり慣れないことするから……」


 「慣れないことって?」


 「けさ、私より早く起きてどこかへ出かけてたみたいで……。

  お兄ちゃんは、朝の散歩とか言ってたんですけど」


 「……散歩?」


 茜ちゃんの表情があからさまに怪訝なものになった。

 いらん疑いを持たれる前に、誤解はといておくか。



 「色々と勘ぐりたくなる気持ちは分からないでもないけど、別に何でもないから」


 「ふ〜ん……まあ、遅刻さえしなきゃ別にいいんだけどね、あたしは」


 「それに、ちゃんと目だって覚めてるし」


 「そこはどうも信用できないんだけどね」


 ……やっぱりひどい話である。

 狼少年でも、もう少しマシな扱いだろうに。



 「授業中もちゃんと起きてなさいよ?

  寝てても起こしてあげないんだからね」


 「分かってるって。これでも最近は、前に比べればずいぶん起きてる方なんだから」


 「……そんなこと胸張って言われても、ね」


 「……ホントに」


 茜ちゃん、あやの共に相当に呆れている様子だったが、とりあえず気にしないでおこう。

 いつの日か見返してやるぞ……と、密かな反骨心を胸に抱きながら。




 「そう言えばもうすぐ修学旅行よねー」


 「えっと……来週の終わりからだっけ?」


 「そうそう、章にしてはちゃんと覚えてるじゃない」


 「そりゃね。このぐらいは覚えてるよ」


 ―――ホントは、つばさちゃんとの約束の日だから覚えてるって部分が大きいのだが……。

 そんなことは口が裂けても言えなかった。



 「いいな〜修学旅行。楽しそうだな〜……しかも北海道だし」


 「あやのだって来年なんだから、一年ぐらい大人しく待てって」


 「それはそうなんだけどさ……でも、いいな〜」


 ……変なところで子どもっぽいよな、あやのって。

 まあ、来年は僕達がうらやましがる番だろうから、せいぜい今のうちにやらせておくか。



 「お土産忘れないでね、お兄ちゃん? ちゃんとお母さんの分もね」


 「分かってるって」


 このセリフも修学旅行の話になる度に聞かされているので、いい加減に耳タコだったりする。



 「適当なの買ってきたらダメなんだからね?

  変なキーホルダーとか、ペナントとか、罰金ものだよ?」


 「分かった分かった」


 ……まっ、無難に某恋人でも買ってきてやるさ。

 お菓子ならあやのも文句はないだろう。



 「お土産もいいけど、準備もちゃんとしなさいよね」


 「それも分かってるって。小学生じゃないんだから、そのぐらい自分でやるし」


 「そんなこと言って、前の晩になって『あれってどこだっけ〜?』とか聞いてくるのナシだよ?」


 「……そっちは努力目標ってことで」


 ―――どうしてこう、僕って周りからの信用がないんだろうか。

 やっぱたかだか1,2ヶ月ちゃんとしてみた所で、10年近い積み重ねの前では無意味ってことだろうか?


 いやいや、やっぱり茜ちゃんやあやのの性格が問題なんだよ、きっと。

 ……そういうことにでもしておかないと、あまりにも寂しすぎるし。




 とまあ、冗談なのか本気なのかよく分からないような話はともかく、だ。


 こうして日常会話にも“修学旅行”という単語が出るようになってくると、

 それが間近だということを嫌でも感じさせられる。


 色々な意味で大きなイベント……僕としては早く来てほしいような、まだ待ってほしいような、複雑な心境だった。






 ………






 ………………






 ―――キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン




 6限目開始を告げるチャイムが鳴った。


 教壇には華先生の姿。

 しかし、この時間の授業は英語ではない。



 「え〜、そろそろ修学旅行も近づいてきたってことで、今日のロングホームルームでは、

  札幌市内での班別自由行動の計画を立ててもらいます。パンフレット類は前に置いて置くから、必要に応じて参照するように。

  いい? 高校の修学旅行は一生に一度なんだから、悔いが残らないように、ちゃ〜んと計画立てなさいよ?

  ……ってことで、後はみんなでやっといて。よろしく」


 一瞬、さすがにいいこと言うなぁなんてことも考えたけど……適当にも程があるぞ、華先生。

 らしいと言えばらしいけど。


 とは言え、先生が口出しすることなんてないのもまた事実。

 ここは華先生の言うとおり、好き勝手やらせてもらうとしよう。




 「章、とっとと集まろうぜ」


 「ああ、分かった」


 同じ班のメンバーである光に声をかけられた。

 ちなみに、班の他のメンバーは茜ちゃんとつばさちゃん。


 班の分け方はクラスに一任されているのだが、2−Aは男女混合の四人で1班ということになっていた。

 で、いつもつるんでるメンバーでは条件に合わないので、適当に仲のいい連中で集まって班を分けたらこんな感じになった。


 そのいつもつるんでる圭輔と翔子ちゃんは、京香ちゃんと野球部の永嶋と同じ班になっていた。

 まあ、妥当な所だろう。

 いささか京香ちゃんに不安な部分があったけど……翔子ちゃんがいれば大丈夫か。




 ガタゴトという机を合わせる音が鳴りやんだ頃、班の四人が揃った。

 気心の知れたメンツだ、問題はない。




 ―――そのはずなんだけどな……実際、そうとは言い切れない。


 ここの所、幾度となく僕の思考に登場してくる渦中の人物―――つばさちゃんの存在のせいである。

 ある程度は予想してたけど、まさか同じ班とはな……これも因果ってヤツだろうか?

 その一言であっさり片づけられる問題ではないけど。


 とは言うものの、あれからつばさちゃんに変わった様子はない。

 そりゃ、顔合わせる度にそういう雰囲気を出されても困るけど……。


 それにしても、あまりに何もなさすぎる。

 まるで何事もなかったかのように接してくるし。


 こういう経験には疎い僕だけど、多分そういうもんなんだってのは分かる。

 ……けど、逆に疎いからこそ、つばさちゃんのそういった態度は僕を戸惑わせた。


 一応、彼女に合わせて僕も普通に接してはいるけど……正直、上手くできている自信はない。

 とりあえず周りから突っ込まれる事はないから、大丈夫なんだろうけど……。




 そして問題ないと言い切らせてくれない原因がもう一つ。

 それは準・渦中の人物とでも言うべき茜ちゃんと同じ班だってことだ。


 そりゃ、もちろんある程度は話せる。

 朝だって何だかんだ言いつつ、普通に喋りながら登校してきたんだし。


 とは言え……なぁ。

 やっぱり隠し事をしてるというのは事実なわけで。

 茜ちゃんとの付き合いはもう15年にもなろうというところだが、思えば隠し事なんて初めてかもしれない。


 ……それだけでは無い気もするんだけど、とりあえず考えないようにしよう。

 何だかモヤモヤするんだよな、この事を考えると。

 タチが悪いことこの上ない。


 ともかく、何となくスッキリしない感じなのだ。




 ―――結局、どっちも僕の問題だから、自分で折り合いつけてどうにか対処するしかないんだけど。

 今はひとまず、話し合いに集中するか。





 「章は、どっか行きたいところはあるか?」


 「そうだなぁ……」


 光に聞かれたのでとりあえずパンフをパラパラめくってみるものの……今ひとつピンとこない。

 観光スポットがどうこうという話ではなく、写真とテキストだけじゃパッとしなかった。



 「いや、みんなに任せるよ。僕はどこ行ってもそれなりに楽しめるタイプだし」


 そういうワケで、お茶を濁しておいた。



 「それが一番困るんだけどな……まあ、それなら仕方ないな。

  じゃあどうするかな……」


 「あっ、あたしラーメン食べたいな。あと、じゃがバターとか」


 「茜は食い物、と……男みたいなリクエストだな」


 「べっ、別にいいじゃない! せっかく北海道行くんだから、おいしいもの食べたいでしょ!?」


 「わっ、悪かったって……そんなに怒るなよ。

  じゃあ、とりあえず昼飯はそれで決定だな。

  福谷さんは何かある?」


 「私は……そうですね―――」


 パンフに見入っているつばさちゃんにチラリと目をやる。

 ……やっぱ、変に意識しちゃうな。



 「お買い物なんかもいいですね。札幌駅の近くは大きいお店も色々あるみたいですし」


 「買い物か……確かに、都会に出るんだからそれもいいよな」


 個人的に見たいものはないが……悪くは無いな。

 何より、行きたいって言う人がいるならそれに従うまでだ。

 別に拒否する理由もないし。



 「―――食べ歩きと買い物はいいとして……あとはこの辺か。

  それでもまだ時間余るな……。

  章、本当に何もないのか?」


 「そうだなぁ……あっ、お土産買いたいかな?」


 「土産な。確かに、それも外せないよな。

  でも意外だな、章ってそういうのにあんまり興味なさそうなもんだけど」


 「あやのに催促されててさ。修学旅行の話が出るたびに言ってくるんだ、これが」


 「お前もなかなか難儀なヤツだな……まあ、あやのちゃんがそれだけ甘えるのもお前ぐらいなもんだけど」


 「そうかなぁ?」


 「そうだって。じゃあ、土産物を選ぶ時間は多めにとっておくか」


 甘えられてるとか、そういう実感は……無くもないけど、このぐらいは普通だと思うけどな。

 普段がしっかりしてる分、たまにこういうことがあるとやけに子どもっぽいような感じはするけど。






 「おっし、まあこんなもんだろう。別に計画通りに回る必要もないんだしな」


 それを言っちゃ本末転倒な気がするが……でも、行動計画なんてえてしてそういうものだ。

 回る必要もないが、“回れるとも限らない”って言い方もあるし。



 「お疲れ様、光。いやあ、なんか悪いね。班長は僕なのに、全部仕切ってもらっちゃって」


 「まっ、どうせお前のことだから、ロクなリクエストがないってのは分かってたし……。

  それに、こういうのは嫌いじゃないしな」


 「さっすがは光、頼りになる」


 「持ち上げてもなにも出ないぞ。

  それに、当日はその分こき使ってやるから、ありがたく思えよ」


 「へ〜い……」


 そうなんだよなぁ……班長の仕事って地味にめんどくさそうだし。

 普通に考えれば光か茜ちゃんかつばさちゃんか―――って言うか、僕以外は全員が適任なんだけどな。


 何でかジャンケンに負けてしまい、班長を押し付けられてしまった。

 ちなみに一発目で一人負け。


 勝利のブイだとか言ってチョキを出したものの、三人分の鉄拳にはかなわなかったらしい。

 ……人数の問題でもないが。






 「修学旅行、か……」


 話し合いも終わり、落ち着いたところでポツリと、何の気なしに呟きがもれた。

 それは単に行事としてだけでなく、今の僕にとっては別の大きな意味もあった。



 「ま〜たボンヤリしてる。どうしたの、章?

  なんか最近、そういうのが多い気がするけど」


 「いやまあ、別に何でも―――」


 『何でもない』と言いかけて、口を閉じる。

 つい反射的にそう言いそうになったが、そうじゃない事を意識して思いとどまった。


 別にバカ正直に言う必要もないが、言葉を止めてしまった以上『何でもない』は使えない。



 「やっぱ、何でもなくはないような……」


 「はぁ? なに言ってんの、アンタ?」


 怒られてしまった。

 ……無理もないか。自分でもなに言ってんだかよく分からないし。


 ただ、幸いにもつばさちゃんは他の班の女子と話している。

 今の微妙なセリフは聞かれていなかったようだ。



 「北海道でボーっとしてたら迷子になりました〜とか、そんなの勘弁してよ?

  アンタ、一応は班長なんだしさ」


 「大丈夫、大丈夫だって……多分」


 「……なんか話してたら余計不安になってきたわ……」


 僕だって迷子になるつもりなんざ毛頭ない。

 ボーっとするつもりだってない……つもりだ。



 「でさ、本当のところはどうなのよ?」


 「へっ?」


 「何かあるのか、それとも単にボーっとしてるだけなのかってこと。

  さっきの言い方だと、どっちとでも取れるでしょ?

  どっちでも問題ある気がするけど……原因があるなら、気になるじゃない」


 原因は―――ある。否定のしようもない。

 確かに、今さっきだってその事について考えていてボーっとしていた。


 ……だが、いかに茜ちゃんと言えど、これを言うわけにはいかない。

 心配してもらえるのは、もちろん嬉しいんだけど……。


 この辺の葛藤で、少ない良心を痛めていた。



 「いや、ホントに大丈夫だからさ。心配ないよ」


 「……そう」




 ―――チクリ




 茜ちゃんのやけに残念そうな表情で、また胸が痛んだ。




 「昔から、ウソが下手なんだから―――」


 だからだろうか、茜ちゃんの呟きも全く耳に入ってこなかった。






 ―――いつまでもこんな事、やってられないもんな。

 よく考えて……って言っても、あんまり時間はないけど。


 それでも、ちゃんと結論は出さないと。


 つばさちゃんの気持ちと僕の気持ちが重なっているのかどうか。

 そして、あの時感じた、胸のモヤモヤの正体……。




 色々と考えることは多すぎるぐらいだったが、転機になるであろう修学旅行は、確実に近づいてきていた―――


 作者より……


 ども〜作者です♪

 Life四十一頁、いかがでしたでしょうか?


 今回からは修学旅行編となります……って、まだ準備段階ですが(^^ゞ

 行き先は北海道(しかも監修つき!)となります。


 ま〜、章はホントに何やってるのやら(笑)

 つばさちゃんに振り回されて(?)ますね。


 まあ各人、色々と思うところはあるようですが、そんな思いもはらみつつ……

 次回は修学旅行に旅立ちます。

 いつものごとく、期待しすぎない程度に期待してお待ちください。


 それではまた次回お会いしましょう。

 その時まで……サラバ(^_-)-☆byユウイチ


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