第九頁「ただ、貴女のために」
朝の7時40分。
始業にはまだ早い時間なだけに、辺りを見回しても、ここ―――生徒玄関前には、ほとんどひとけがない。
「遅いなぁ、章と茜。ちゃんと連絡はしたんだろ?」
不意に、横にいた和泉くんに声をかけられた。
「はい。今日の7時半、ここに集合って。
……でも、桜井くん達が遅いのは、いつものことですし」
「ははは……福谷さんも涼しい顔してハッキリ言うよな」
「そんなこともないですよ」
「そんなことあるって。まあ、アイツらが朝遅いのは、確かにいつものことだけどな」
そうやって、事も無さげに和泉くんが言ってみせる。
言葉どおり、本当に気にしていないみたいだ。
この辺りは、やっぱり付き合いが長いから、2人のことをよく分かってるってことだろう。
―――今日から、いよいよ本格的に生徒会長の選挙戦が始まる。
その第一段階として、私たちは朝の声かけを始めることにした。
善は急げってことで、早速活動開始の許可が出ている、7時半から行動を起こそうと思っていたんだけど……。
桜井くんと陽ノ井さんが来ない。
私と和泉くんだけでやってもいいのだけど、
それだけじゃあまりにも寂しい気がしたので、こうして2人を待つことにした。
もう1人の立候補者である吉澤くんと、その後援会の皆さんは既に声かけを始めている。
そんな様子を見ていると、こうして待ってる間にも、少しずつ差をつけられているような気がする。
苛立つわけじゃないけど、心の中に少しずつ焦りが生まれてきるのが感じられた。
………
………………
もう2人で活動を始めようと、そう決断しかけたちょうどその時―――
猛スピードで突っ込んできた1台の自転車が、後輪を派手にスライドさせ、生徒玄関前に停車した。
乗っているのは2人……私たちの待ち人、桜井くんと陽ノ井さんだ。
「おせ〜ぞ章、茜!」
「ゴメンッ! ちょっと寝坊しちゃって!」
「な〜にが『ちょっと寝坊して』よ!
あやのちゃんに起こしてもらった後に二度寝に入って、
それから私が起こしたのに、さらに三度寝に入るバカがどこにいるのよ!?」
「ゴメン! ホントにゴメン!」
朝から散々だったみたい……。
和泉くんは、言葉の割にはそんなに怒ってないみたいだけど、陽ノ井さんは……字面通りの怒りって感じがする。
「福谷さん、ゴメン。大事な初日に、しかも僕は後援会長なのに……」
「いいんですよ、まだまだ時間はありますし。
明日から、ちゃんと来ていただければそれで。
それにまだ時間帯が早いですから、みなさんあんまり登校してきていませんし」
桜井くんは両の掌を合わせ必死に謝ってくれている。
そんな必死さから、彼の誠実さが伝わってきて、実はちょっぴり嬉しかったりもする。
やっぱり、桜井くんを選んだのは間違いじゃなかった。
それに時間の方も、何だかんだでまだ7時45分過ぎ。
あと40分と少しぐらいは活動できる。
登校のピークはまだちょっと先だし、今からでもどうにかなりそう。
「それで、僕たちはどうすれば?」
「とりあえずは登校してきた人に挨拶して、声かけをしてください。
ポイントは元気よく、です」
「分かった。遅れた分は、仕事してきっちり返すよ!」
桜井くんの元気のいい返事と共に、いよいよ私達の選挙活動が始まった。
……よしっ、頑張らなくっちゃ!
………
………………
―――キーンコーンカーンコーン
予鈴のチャイムが鳴り響く。
それは、今日の活動の終わりを告げるチャイムでもあった。
ひたすら声をかけ続けるっていう地味な活動だけど、私は演説とかよりも大切な……一番大切な活動じゃないかなって思う。
やっぱり、考えを伝えるとかよりも、まずは顔や声を覚えてもらうのが大事なはずだ。
簡単なことだけど、大事なこと―――今できるのって、多分そういうことだろうから。
……それに、声を出し続けてちょっと疲れるっていうのも、何だか活動している感じがして妙に嬉しい。
実は、そんな理由もある。
「いや〜、やっと終わったよ」
「みなさん、ご苦労様です。明日も同じ時間に同じ場所で、よろしくお願いしますね」
みんなも少し疲れているのか、終わるのと同時にフゥっと小さな溜息の音が聞こえた。
……うん、明日も頑張ろう。
茜ちゃん、光、そして福谷さんに僕を含めた4人で1−Aまで歩く。
今、気づいたのだが、立候補者も後援会もみんな同じクラスのメンバーだ。
名簿を見た時点で気づかないのもアレだが……やはり、こうして並んでこそ気づく事実ってものもある。
目で見ることの大切さを実感した―――ってことで、まとめておくとしよう。
それはともかく、教室まで無言というのも、何となく寂しい気がしたので、さっきから気になっていた事を口にしてみた。
「ねえ、茜ちゃん」
一瞬、茜ちゃんの隣にいた福谷さんが、なぜか微妙に反応したような気がしたが……多分気のせいだろう。
「何よ?」
「あのさ。福谷さんのの他に、もう1人選挙に出てる……え〜っと、吉澤って人いるじゃない。
あの人ってどんな人?」
「……あっきれた〜、まさか吉澤くんを知らないなんて。
でもまあ、空木さんも知らなかったし、分かるといえば分かるけどね」
「もはや反論する気もないけど……それでどんな人なの?」
「吉澤くんは1年生ながら、剣道部の実力ナンバーワンとも言われていて、1−Dの委員長もやってるんですよ」
横から割って入る形で福谷さんが答えた。
「へぇ〜。
……クラスの委員長ってことは、委員会つながりで知ってたの?」
「アンタねぇ……吉澤くんって言ったら、空木さんと並んでウチの学年の有名人なのよ?
ルックスよし、性格よし、成績よしの上に、剣道部のホープときてるから、
女の子に超人気で、非公式の私設ファンクラブもあるってウワサだし」
「そっ、そうなんだ」
怜奈ちゃんと吉澤とでダブルアイドル体制なのか、ウチの学年は……。
密かに当たり年だったりするんだろうか?
まあ、どうでもいいことではあるが。
「ホントにもう……興味が無くても、常識レベルの事ぐらいは把握しておきなさいよ」
「へ〜い」
いつもの如く丸め込まれてしまった。
……まあ確かに、学年の有名人ぐらいは知っておくべきだったかもしれない。
「しかしまあ、相手が吉澤じゃ、接戦になるのは必至だろうな。
何だかんだ言っても、こういう選挙じゃ有名人の方が有利なのは間違いないし。
茜も言ってたが、ファンクラブまであるぐらいだからな―――」
そこまで喋って光は急にハッとした顔になる。
「いや、ワリィ! 別に福谷さんがどうこうとかじゃなくって! その……ゴメン」
「いいんですよ」
慈母のような微笑みの福谷さん。そのまま続ける。
「苦しい戦いになるっていうのは、初めから分かってました。
有名人の吉澤くんに比べたら、ただのクラス委員長でしかない私なんて、
ご存知ない方も多いでしょうし」
少し自嘲気味に福谷さんが言った。
その姿はどこか痛ましい。
「……でも、生徒会長になりたいっていう情熱なら、
少なくても、そこは吉澤くんにも負けてませんよ。
―――それに、もう一つ。
私には、こんなに頼もしい仲間がいるんです。だから、きっと大丈夫ですよ」
「福谷さん……」
穏やかな表情ながらも、福谷さんは凛とした雰囲気で、選挙に向けての情熱を改めて見せてくれた。
どうして彼女がここまで生徒会選挙に情熱を燃やすのかは分からない。
多分、僕なんかじゃ及びもつかないような所に、それはあるのだろう。
初めは仕方なしというか、勢いに負ける形で引き受けたこの仕事。
……だけど、今は違う。
今は、絶対この子に生徒会長になってほしいと、心からそう思ってる。
福谷さんには、そう思わせる何かがあるんだ、
だから、明日は遅刻せずにちゃんと来よう。
まずはそこからだ。
自分にできることをやる……僕が今、彼女にしてあげられることなんかそのぐらいだろう。
ならば、その“できること”を精一杯やるだけだ。
と、色々と決心がついたところで教室に着き、今日も新しい1日が始まるのだった―――
………
………………
そして、特に事も無くやがて昼休みになる。
さっきから、昼食もそこそこに“生徒会長選挙規約”なるものに目を通しているのだが……。
―――う〜む、こんなものを見てても、票数を伸ばす戦略なんて中々思いつかないな……。
実は、今日の休み時間を利用して、対抗勢力の吉澤について調べたのだが、
名前は“勇”と書いて“いさみ”と読むことや、相当の人気者であることぐらいしか分からなかった。
まあ、要するに、朝の情報の確証が取れて、名前が分かったぐらいしか新情報はない。
が、身長やら体重が分かったところでどうしようもないし、とりあえず情報収集は十分だろう。
とにかく、遠く1−Dから我が1−Aまで名前が通っているという事は、
茜ちゃんが言っていたように、相当の有名人であることは間違いない。
生徒会は2年生が担当するという志木高の性質上、現2年生は選挙に出てこないので、
福谷さんにとって、最大にして唯一のライバルはこの吉澤ということになる。
だが、その唯一のライバルが、半端じゃ無く強力だ。
色々と情報を集めるうちに、その強大さが徐々に判明していった。
まず第一に、みんなが彼の名前を知っているというのは大きいと思う。
女子はともかく、男子も多くが彼のことを知っているのだ。
こういう選挙って、知ってる人と知らない人が出てたら、
知ってる人に悪いイメージを持っているなら話は別だけど、
何となく知ってる人に票を入れてしまうものだ。
この点に関して言えば、福谷さんは圧倒的に不利だろう。
彼女が、例えば1−Dとか、遠くにまでその名を知られているとは少々考えにくい。
最悪、1−Aのみんなと、後は1−Bの女子ぐらいしか知らないかもしれない。
そして第二に、吉澤についての悪い評判を、ほとんど聞かなかったということ。
とどのつまり、“彼が嫌いだから票を入れない人”ってのは、ほとんどいないってことだ。
福谷さんは、絶対に悪いイメージを持たれてるってことは無いだろうし、
むしろ、彼女を知っている人なら、いいイメージを抱いていると思う。
この点に関しては、後援会長として自信を持って言える。
だけど、知っている人の絶対数が違う以上、あまり考えたくはないことではあるが、
このままじゃ恐らく選挙には勝てないだろう。
今さらと言えば今さらな結論だが、とにかく吉澤はいわゆる“スゴイヤツ”なのだ。
だが、そのまま手をこまねいて黙って見てるほど、僕は絶望しちゃいない。
そういうワケで、必勝の策を練るため、選挙規約を眼を皿にして読みながら必死に考えてるんだけど……。
実際は、首尾の方は芳しくなかったりする。
規約スレスレの荒業で票数を稼ぐ、ゲリラ戦的な戦い方を考えていたけど、
そんなことができるような規約の穴なんてそうそう見つかるわけもなく、
四苦八苦しているというのが今の状況。
ポスターを増やそうにも、選挙管理委員会から与えられた、指定の用紙以外を使って書くと規約違反だし、
もちろん新聞部の『SHIKI』とか、マスメディアを使って候補者を推薦してもらうのも不可。
呼びかけ運動は朝の7:30から8:25のみ。それ以外の演説その他はこれまた不可。
こうなってくると、立会演説会までにできることは、もはや毎日の呼びかけ運動ぐらいしかないことになる。
あ〜あ……優子ちゃんとか、新聞部とのコネがあるからどうにかなるとか思ってたけど、
そうそう上手くはいかないよなぁ―――。
まあ、マスメディアの利用不可は、当然って言えば当然だと思うけど。
もっと僕にネットワークがあれば……そしたら、それを使ってどうにかなったかもしれないのに。
―――ネットワーク……人脈?
「それだ!」
次の瞬間、人目もはばからない大声と共に、無意識のうちに勢いよく立ち上がっていた。
クラス中の視線を浴びているような気がしたが、この際四の五の言っていられない。
そうだよ……どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう!?
みんなの人脈を使って、根回しをすればいいんだ!
友達からの頼みなら、みんな快く引き受けてくれるはずだ!
確かにあんまり気持ちのいい作業では無いと思うけど、規約に禁止とは書かれていない。
それに、これぐらいのことは普通の選挙なら当たり前のようにやってることだ。
なんせ投票前に勝負が決まる……みたいな話だってあるみたいだし。
ただ、生徒会長選挙レベルでここまでやるっていう話はあまり聞かないが……。
そういう点では、ちょっとどうだろうっていう気持ちも多少はある。
いわゆる、組織票に近い部分があるのも、否定はできない。
だけど、吉澤の圧倒的な人気に対抗するには、こちらもネットワークをフル活用するしかない。
知り合いでパッと思いつくのが……翔子ちゃん、圭輔、優子ちゃん、未穂ちゃん、怜奈ちゃん。
―――でも、こんな小規模なネットワークじゃダメだ。
さらにそこから頼んで、それぞれの友達や部活にも根回しをしてもらうぐらいじゃなきゃ。
僕の知り合いは少ないけど、茜ちゃんや光、それに福谷さん自身の友達の力を借りればどうにかなるはず。
後は、選挙当日の立会演説で出たトコ勝負に持ち込めばいい。
よし……燃えてきたぞ―――!!
………
………………
そして放課後。
帰りのSHが終わるなり、福谷さんをはじめ後援会メンバーと、加えて圭輔に翔子ちゃんも呼んだ。
昼に立てた計画を説明するためだ。
「―――という訳なんだけど……みんな、協力してくれるかな?」
「私は構わないわ。でも、福谷さんはいいの?
これって結構、汚いと言えば汚いわよ?」
短い沈黙の後、翔子ちゃんが言った。
彼女らしく、痛い所を突いてくる。
確かに彼女の言う通りではある。
だけど、相手もやっているかも知れないというのも、また事実だ。
―――すると、あまり間を置かずに福谷さんが頷いた。
「……はい。出来ることなら、みなさんよろしくお願いします」
そう言って深々と頭を下げるので、慌てて上げさせる。
「島岡さんが言うように、確かにあまりいい方法では無いですけど、
この際手段は選んでられませんよね。
それに、相手さんだってやっているかもしれませんし」
どうやら、福谷さんも僕と同じ事を考えていたようだ。
これにて、計画の実行が決定する。
案外、あっさりと福谷さんが納得してくれて助かった。
そういう訳で、そこにいたメンバーはそれぞれの友達やら部活の仲間に“清き一票”を頼む事になった
あくまで強制ではなく、自分の意思を尊重してもらうのだ。
後腐れを無くすためにできることと言えば、せいぜいこのぐらいだろう。
とりあえず、これから優子ちゃんか未穂ちゃんか怜奈ちゃんの3人の内の誰かの所に行こうと思うんだけど……。
多分、この3人はかなり仲が良いから、1人に頼めば他の2人の票も約束されるだろう。
昨日のこともあるし、もしかしたら優子ちゃんが既に根回しをしてくれているかもしれない。
さてさて、どうしたものか―――?
………
………………
ちょっと考えた末に、僕は演劇部室前にいた。
よしっ、怜奈ちゃんに頼む事にしよう。
それに、彼女に頼めば上手くいけば演劇部からの票も獲得できるし。
そう言えば演劇部室って初めて来たような気がするな。
今までこの部屋に用事があることなんて無かったし。
それに、まさか演劇部に知り合いができるとも思ってなかったし。
……初めての用事がこれってのもどうかって気もするが、今は細かいことは忘れよう。
とりあえず、戸を叩かない事には始まらないので、まずはドアをノックする。
新聞部室みたく、何度も来ているわけでは無いから、ちょっと緊張してみたり。
殆ど間をおかずにドアが開く……と、そこには探し人の怜奈ちゃんが立っていた。
「怜奈ちゃん、いい所に! 実は、今日は話が―――」
「ゴメン! 今からキャストは発声練習なんだ! 良かったら少し待っててくれるかな?」
「えっ? あ、うん」
曖昧に頷くか頷かないかのうちに、そのまま怜奈ちゃんは出て行ってしまった。
聞いた話だが、演劇部の発声練習はクラブハウス棟の裏で行われているらしい。
とは言え、練習の邪魔になるのも嫌だし、演劇部室の方で待たせてもらうことにしよう。
部屋に入って中を見回すと、一見整然としているようだが、かなり膨大な物の量だ。
恐らく、小道具類なんかだろう。
それから、見るだけで大道具やセットだと分かる物もいくつか見られる。
それより何より目を引くのが……大量の台本だ。
目だけでなく、興味にも強烈に訴えかけてくる。
近くの演劇部員に許可をもらってから、一冊適当に取って読んでみる。
もしかしたら、こういう思わぬ所に、SSのヒントが眠っているかも―――。
………
………………
演劇の台本なんて生まれて初めて読んだけど、中々面白いもんだ。
もし良かったら貸してほしいくらいに。
まあ、部外者に貸すなんてのはできないんだろうけど。
そうこうしている内に、怜奈ちゃんら演劇部のキャスト達が帰ってきた。
「お待たせ桜井くん。それで、話って何かな?」
「実は、怜奈ちゃんにお願いがあるんだ。
ちょっと、時間いいかな?」
「お願い? ……うん、分かった。ちょっと待ってて」
そう言うと、怜奈ちゃんは先輩と思しき人物と何やら話し始めた。
抜ける許可でももらってるんだろう。
「オッケー、それじゃあ行こうか?」
すんなり許可はもらえたらしく、怜奈ちゃんはすぐに戻ってきた。
とりあえず彼女をクラブハウス棟の廊下に連れ出して事情を説明する。
「……なるほど、大体の事情は分かったよ。要するに私は、選挙で福谷さんに入れればいいわけね?」
「そういうこと。そして、できれば友達とか、演劇部の人達にも同じお願いをしてほしいんだ。
でも、強制じゃなくて、あくまで個人の意思を尊重する、っていうのを忘れないでね。」
「分かったわ、そっちも任せて。福谷さんに恨みでもない限り、多分みんな入れてくれると思うよ。
まあ……福谷さんなら、そんな心配も無いと思うけどね」
「ありがとう怜奈ちゃん、助かるよ!」
もし渋ったらどうしようと思ってたけど、そんな事は杞憂だったようだ。
多分これで50票ぐらいは確実に増えただろう。
「それにしても大変ね桜井くん、後援会長だなんて」
「まあ、頼まれちゃったものを、無下に断るわけにはいかないよ。
それに、後援会長っていったって、そんなに仕事があるわけでもないし。
せいぜい立会演説会で応援演説をするぐらいだよ」
「いや、そうじゃなくてっさ……あのね―――」
「わっと!? もうこんな時間だ!
ゴメン怜奈ちゃん! こっちから呼び出しておいてなんだけど、僕もう行かなくちゃ!
よろしく頼んだよ! それじゃあまた!」
「あっ! 桜井く〜ん!!」
怜奈ちゃんが何か言いたげだったけど、悪いけど今日は急がせてもらう。
実は、まだ応援演説用の原稿を書いていないんだ。
こういう演説の原稿って書いた事ないから、どの程度時間がかかるか分からないし、
それにどうせ書くなら推敲を繰り返して最高の物にしたい。
そういう訳で時間が惜しいから、今日はとっとと帰らなければ。
怜奈ちゃん、ゴメン。
……決戦の日、生徒会長選挙当日は近い。
演説もそうだけど、“できること”から、頑張ってやってかなきゃな―――!!
作者より……
ども〜ユウイチです♪
いかがでしたでしょうかLife第九頁は?
にわかに、ホントに微妙ではありますが物語が動き始めてますね〜。
次はいよいよ選挙本番です。
圧倒的人気を誇る吉澤くんに対し、我らがつばさちゃん陣営はどう立ち向かうのか!?
次回、ついに激闘決着! ……って、予告通りにいけばいいなあ(笑)
まあ、そんなこんなで頑張りますので、どうか暖かく見守ってやってください。
それでは次回、またお会いしましょう!
サラバ!(^_-)-☆by.ユウイチ