餅まき絶滅
袋とフードと図々しさが必須アイテムです
平成に入る前の頃、近辺に在った神社さん、お寺さん、空き地等で御正月休みには、毎年餅まきイベントが行われていました。
私も毎年緊張しながら餅まきには参加して、開始する十分前には袋を握りしめてスタンバイしておりました。
前すぎるとお餅が頭を飛び越えてしまい、後ろだと揉みくちゃにされる事が分かっていましたので、真ん中より少し前、そして取りやすいように左か右と位置を決めていました。
袋以外に隠しアイテムのフードつきコートを身につけ、より多くのお餅を獲得出来るよう秘策を考えトライしました。
(今年もライバルは、ようさんおるな。
目標数、七個以上は拾ったる‼)
持参している袋の紐を片方だけ腕から外して、拾ったら入れやすいよう踏ん張りをきかせます。
さあ、お餅を撒く準備が主催側の人により整いました。
餅まき役(呼び名は分かりません)の御二人は左側と右側に分かれて、お餅入りの箱を開けました。
餅まき開始です。
「「はあいようっ‼」」
御二人が声を高らかに上げて、お餅を撒き始めました。
空気が変わり、参加者の皆さん、そして私も我先にと発射されてくるお餅を拾います‼
空中で取り損ねる事もあり、手を参加者の人に踏まれそうになる事もあり、結構必死のぱっちで(このワード使う人いるんでしょうか?)お餅をものにしようと鼻息を荒くします。
ある年はかなりの数を獲得したり、またある年は目標数より少なかったり、色々ありながらも楽しいイベントでした。
平成に入る少し前から餅まきが開催されなくなり、あの日のドキドキ感を楽しむ事が、今となってはありません。
理由は少子化問題です。
大人も楽しんでいましたが、やはりお子さんがいてこそ楽しい餅まきですから、このままいけば餅まきは絶滅するかもしれません。
あんな楽しいイベントが消えるのは悔しいです。
今から少しずつ貯金して私が七十歳を迎える頃、餅まきを開催しようかな……などと密かに案を練っているこのごろです。
(だいぶ予算要るやろうな)
餅まき、復活させてやりたいです。
復活させてやりたいです‼