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1-1-6

生徒たちが順番に鑑定を行っていくと、多くの生徒たちは「肉体強化」「魔法適正強化」などが定番であるようだ。

また中にはその両方のスキルを有している者もいるようで、生徒と王女たちは喜ぶ様子が見られた。


そしていよいよ僕らの番がやってきた。

最初に鑑定を行ったのは面川君だ。

見ただけでわかるほどに、水晶は今まで以上の光を放った。そして、

「おめでとうございます。あなた様の能力は剣聖でございます」

とベアトリーチェが嬉しそうに知らせる。


「やったぜ!俺の時代がいよいよやってきたんだ!」と大きく喜ぶ面川君。

周りの生徒たちも羨ましそうに面川君を見ている。

「おめでとう、一博」と天神君が声をかける。


面川君は

「何かあったら俺が守ってやるから安心しな」と返す。

この能力鑑定で他の人たちよりもレアな能力を得た彼は、だいぶ尊大な様子になっていた。


次は天神君の番だ。

彼が水晶に手を乗せると、先ほどとは比べ物にならないほどの光が放たれた。

そして彼がこの世界に召喚されて手に入れていた能力は


『勇者』


「おおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」と大きなどよめきにあたりは包まれる。

それはそうだろう。言うまでもなく彼はこの魔王討伐にむけた召喚儀式で中心人物になったのだから。

天神君は

「俺が?勇者?」と困惑している様子であった。


「流石、天神君だね」

「すごいよ、天神君」

と僕と九条さんは褒めたたえる、


次は九条さんの番だ。

すると勇者の天神君ほどではないにしても、剣聖を得た面川君よりも強い光を水晶は再度放った。

そして彼女が得た能力は


『聖女』


異世界の物語において勇者とセットになることの多い、あの聖女であった。

場は再びどよめきに包まれた。

神官と思しき者たちは「聖女様!」と拝んでいる様子も見られた。

一方の九条さんは自分がどれだけ凄い存在となっているのか自覚がないような様子で呆けていた。


ベアトリーチェは

「勇者と聖女が同じ時代に現れるとは、この国の未来は明るいようですね」と喜んでいた。


そしていよいよ、僕の番になった。

天神君が勇者、九条さんが聖女、面川君が剣聖。カースト上位たる彼らがそんなレアを通り越してユニークとしか言いようがないものを引き当てたことに納得する一方、

ありきたりな僕はありきたりな能力が来ることを祈っていた。


そして西門が水晶に手を乗せると、肉体強化や魔法適正強化が現れた者たちと同じくらいの光が放たれた。

その時に彼は「とりあえず、大丈夫そうだな」と思ってしまった。





しかし彼がこの感情を思うには早すぎたのだ・・・

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