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次に向かったのは花屋だ。

理由はポーションだ。

当然のことながら前の世界にあったものを売るのが、異世界のショッピングセンターだ。

この世界にしか存在していないものは売っていない。

ポーションは前の世界には存在していないのでショッピングセンターで買うことはできない。


しかしポーションの効果は何かあった時の保険として使える。

それは単に自分に対してだけでなく、他人に対しても同様だ。

しかり仮にポーションをショッピングセンターで購入することができる状態であったとしても、

この街で塩を売るのとは訳が違う。

もし僕が安価でポーションを卸してしまえば、ポーションを作っている薬師の店は干上がってしまうだろう。

それは僕の望むことではない。


確かに僕自身安定した生活を送りたいし、成功したいとも考えている。

しかし誰かの生活を奪ってまでやりたいとは思っていない。


しかし薬草の類ならそこまでの影響は出ないだろう。

薬草の発注をするのは主にこの世界の薬屋と、ポーションを作る薬師たちだ。

そして発注された依頼を受けるのは冒険者だろう。

たしかに冒険者の仕事が減る懸念は残る。

しかし冒険者の仕事は何も薬草を取ってくるだけではないのだ。


それに薬師に薬草を渡し、ポーションを作ってもらったとしても、

商人ギルドに卸すという工程を踏まなければいいだけの話だ。

あくまでも自分が欲しいポーションの量に必要な薬草を渡し、手間賃を渡して作ってもらうだけだ。

これならば結果的に誰の仕事も奪わないだろう。


あくまでも保険として用意しておきたいだけで売るわけでは無いのだから。


前に薬屋を除いたときに前の世界でも見たことのあるものが多く置かれているのに気が付いたのだ。

僕はその時に薬草の種類をメモし、同時にポーションの材料を調べておいたのだ。


例えばオトギリソウという薬草がある。

これは直接絞ってしぼり汁を使ったり、少量の熱湯で煎じて、その煎液を塗ることでも傷薬として使用することができる。

ネットサーフィンでいろいろな知識を広く浅く・・・興味を持ってみていた僕は、その時は見終わると何の役に立つのやらと自身のことを馬鹿にしていたが、

こうなってみると無駄な知識なんてなかったんだな、と思った。


このオトギリソウは薬師によってポーションにもなる。

作られるポーションは初級ポーションだ。

尤もその初級ポーションでも品質に違いがあるのだとか。

傷の癒し具合は変わらないそうだが、品質が低いと、めちゃくちゃ苦いらしくはっきり言って人の飲み物では無いそうだ。

逆に品質の高いポーションは無味無臭で、水のような感覚で飲めるそうだ。



そうして僕はポーションを作るのに必要なオトギリソウを10株ほど購入した。

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