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1-2-β

SIDE:九条

レン君が追放されて1週間が経った。

レン君というのは言うまでもなく蓮司君のことだ。


レン君とは幼稚園時代からの幼馴染だ。

幼いころの私は独りぼっちだった。

幼稚園でも隅の方で一人で砂遊びをしているだけで、決して誰かと遊ぶような子供ではなかった。

私は孤独だった。

そんな私を孤独から救い上げてくれたのがレン君だった。

独りぼっちだった私に声をかけてくれて一緒に遊んでくれたのだ。


今のレン君はそんな些細なことのように思っているようだけど、私はそれで救われた。

レン君がいなければ独りぼっちなのは変わらなかっただろう。

幸い容姿はそこそこいい方だとは思う。

だけど容姿が良くても内気で暗い性格の女の子には誰も積極的に近づこうとはしないだろう。

そんな子に近づくとしたら、やましい気持ちを持った人だけだろう。


そしてレン君を皮切りに、天神君や面川君といった幼馴染をできてきた。

そんな彼らと一緒にいるうちに私も明るい性格に代わることができるようになってきたし、クラスの女子や男子ともそこそこ話せるようになった。

中学生に上がると胸が大きくなり始めて男子からの視線が嫌で、自然と男子からは離れて行ってしまったが。


それでもレン君や天神君、面川君とは変わらない付き合いを続けていくつもりだった。

面川君もたまにそういう目で私を見てくることはあったけど、レン君と天神君はそういう目で私を見てこないのだ。


私を容姿端麗な女というアクセサリとしてみるのではなく、大切な友人として見てくれる2人に感謝していた。

とりわけそのきっかけを作ってくれたレン君には感謝してもしきれないくらいだ。


しかしその頃からだろうか・・・

私がレン君に近づけば近づくほど、レン君との距離が遠くなるのだ。

周りの環境の変化もあっただろうとは思う。

だけどレン君自身が若干私のことを避けるようになってしまったのだ。

レン君の近くに居たかったけど、何よりもレン君に嫌われたくない私は、保守的な行動に出た。

基本的にはレン君には積極的には近づかないようにする。でもレン君から《《完全》》に離れることだけはしない、と。


そして、あの日私たちは異世界に召喚されてしまった。

能力鑑定で天神君や面川君、そして私はレアらしい能力を手に入れたようだった。

しかしレン君はよくわからない能力だったようだ。

レン君自身はそのことにショックを受けている様子があったけど、私が絶望の中にいたころに救ってくれたレン君。

今度は私がレン君を絶望から救えばいい、と張り切り気持ちもあった。

それでも、どうすればいいのかわからなくて不安だったけど、その時の私には同時に一つの想いがあった。



---レン君さえいれば私は大丈夫---


しかしその希望は打ち砕かれた。

レン君はその日のうちに兵士さんに呼ばれて行って以降姿を消してしまったのだ。

不安に駆られた私は天神君に相談してみて、天神君も同じ思いだったのか兵士さんに聞いてみたがわからなかったそうだ。

しかし王女様が最後に会っていたとのことで、後日王女様が私たちに会ってくれるそうだ。


そして王女様から『レン君を追放したこと』を聞いた私は絶望と共に怒りを感じた。

≪私のレン君を返して!≫と

しかしレン君は能力を開花させる特別訓練を断り、兵士さんを殺して王都から逃亡したのだという。

仕方なく王女様はレン君を追放したという風に公表したそうだ。





何も言えなくなってしまった私は、絶望しながら部屋に戻った。

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