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わかりにくい詩たち

私は空を飛びたい人間だ(他一篇)

私は空を飛びたい人間だ


もちろん道具は使わずに


どんな乗り物に頼ることもなく


生身の体ひとつで飛びたい


出来ればなるべく高いところから





私に羽根はない


地面に出会う前に


きっと私の魂は飛んでいる


忘れたいことが多すぎて


忘れたくないことも多すぎて





消えてしまえばすべてが解決すると


わかりきっているその言葉を口に出せば嫌われて


ただ黙って飛ぶしかないのだ


誰にも嫌われないように


誰も嫌な気持ちにさせないように





私は空を飛びたい人間だ


願望を口にし続けるだけのくだらない人間だ


これ以上大切なものも嫌な思い出もいらない


今すぐ飛ぶのが正解だ


さようなら





一皮剥けてみろ


人間は可能性だ


飛べる


飛ぶことが出来る


私は空を飛ぶことが出来る人間になれ





さようなら


さようなら


苦しかった世界よ


愛しかった世界よ


さようなら









『武器陽』


世界はファンタジー


花も緑も人間の目の色


もうすぐ紫陽花が毒を撒き散らす季節


それまでに武器を集めよう





太陽の光が


厚い雲に隠される前に


私は拳銃に浮かぶ鈍い希望を目に焼きつけて


踊り出したい





ありったけの殺意を世界中から集めて


自分の中に向けさせたい


数億の鈍色の針を余すところなく皮膚の上に突き刺して


花のように紫色に美しく咲き誇りたいのだ




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