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【本編完結】 少女クロスボー小隊〜部隊を率いたのは魔を狩る者と恐れられた男だった〜  作者: 犬尾剣聖


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110 剣を極めし者





 

 こいつ、目つぶしを難なく避けやがった。

 それに何だ、あの余裕は。 


 戦い慣れているとしか言いようがない。

 恐らく数々の修羅場しゅらばくぐり抜けてきた強者だろう。


 油断できないが俺の左右での戦いも気になる。


 左方向ではフェイ・ロー伍長とユーロンが剣士二人と剣を交えている。

 こっちは少し押してる感がある。


 問題は右側。

 リュウホとミイニャ伍長とラムラ伍長の三人。


 防戦一方か。


 リュウホが前面に立ってほぼ一人で防いでいる。

 少女二人は全く歯がたたない。

 何とか邪魔にならないようにリュウホのフォローに回っている。


 これは早いとこ、目の前の指揮官を倒さないと。


「よそ見する余裕があるとは……ねっ!」


 そう言って指揮官の男が一歩前へ出た。


 キラリと何かが輝いた。


 速い!


 俺は持っている剣を目の前に出すので精一杯。

 その剣に「ギン」っと重い剣戟けんげきがぶつかり火花が散る。


 慌てて間合いを開ける。


「ほうほう、剣で受けきったか。そいつはかなり頑丈な剣だな」


 そう話した時には男の剣は鞘に戻っている。


 くそ、構えが無いから、どこから斬り込んでくるか分からない。

 こんな化け物、早々にいないぞ。

 剣聖レベルの腕前じゃねえのか。


 剣聖レベル?


 あ、こいつ、剣聖なのか……


 もう一度左右にいる敵の剣士を見る。


 ああ、やっぱりそうか。

 左右にいる剣士は剣を抜いて普通に戦っているから、剣の構えで流派がバレバレだ。


 俺は右手の剣で指揮官の男の足を狙って斬り込む。

 もちろんそれは足を引くことでかわされる


 そこへ左手の手斧を投げつける。

 ただし投げつけたのは右方向。


「うわっ」


 ミイニャ伍長とラムラ伍長が戦っていた剣士が声を上げた。

 

「おお、あれを避けたのか」


 俺は驚きの声を上げた。

 避けたは良いがそこに大きな隙が出来る。

 そこがチャンスと思ったのか、ラムラ伍長がミイニャ伍長の頭を引っ叩いた。


「ファイヤーブレス!」

「ふんにゃ~!」


 炎に包まれる剣士。


 それには指揮官の男も驚いて隙が出る。


「もらったぁ!」


 渾身こんしんの突きを放った。


 右足を一歩前へ大きく出し、腰を十分に沈み込ませ、真っすぐに右腕を伸ばした一突き。

 左脚から右腕が真っすぐに一直線に伸ばした、間合いギリギリからの攻撃。


 だが男はそれをもあっさりとかわした。


 今度は指揮官の男の方が俺との間合いを開けて言った。


「貴様は中々予想できない攻撃をしてくるな。読みづらくて困る」


 それに対して俺も返答する。


「それはこっちのセリフだ。さて、そろそろ本気を出したらどうなんだ、剣聖さんよ」


 すると男の目が驚いたように丸くなる。


「なんだ、バレていたか」


「お前が構えを隠してもな、門下生が横で戦ってりゃ、そりゃあ分かるだろ」


「そりゃ、失敗したな。ははは。ならば開き直ろうか」


 男が顔を隠していた布を取り去る。

 精悍せいかんな面構えだ。

 鼻に大きな傷跡がある。


 剣聖が剣を抜く。


 キラリと美しく輝くのは細長い剣。


 それを両手で持って下段に構えた。


「その構えは流水の型っていうんだろ?」


 俺の言葉に剣聖がニコリと笑い返答する。


「良く知ってるな……」


「ああ、流水剣術道場はたくさんあるからな」


 剣聖が下段から斬り上げる。


 それは予想できたが、早くてかわせず剣で受け流す。


 重い!


 受けた剣が上へと流される。


 その時の剣聖の細い剣も上段の位置へと上がっている。

 そして、その細い剣はそのまま俺の頭へ振り下ろされた。


 剣で受ける、ダメだ間に合わない!

 

「くそおおおおおっ!」


 何も考えずに俺は左手を頭上に伸ばす。

 遅れて右手の剣を振り下ろす。


 そうやろうと考えてやった訳じゃない。

 俺の本能がそうさせた。


 振り下ろされた細い剣が俺の左腕に食い込んでいく。


 しかし、それで剣聖の剣速度は落ちた。


 俺の剣の方が先に届く!


 目の前にある剣聖の表情が曇る。


 俺の剣がその剣聖の頭に食い込む寸前、俺の左腕に食い込んだ細い剣が抜かれた。

 次いで剣聖が後ろへと下がる。


 そして俺の剣は誰も居ない場所で空を斬ることになった。


 剣聖は今の結果がどうなるか、一早く悟ったのだ。


 俺の左腕が切断されて俺の頭を切り裂くより早く、俺の振り下ろした剣が自分の頭をカチ割るということ見切ったのだ。


 ただ相打ちの可能性もあった。

 どっちにしろ剣聖は下がったという事だ。


 とは言え、俺の左腕には深すぎる傷が残った。

 傷口から鮮血が滴り落ちる。


 後ろからは少女らの悲鳴が聞こえた。その声で俺はここで負けられない事を思い出す。

 

 この出血じゃ長くはもたないな。

 ここで俺はイチかバチかの手段に出る。


 詠唱、そして術印を組む。


 “シャドウソード”の魔法だ。


 鎧に埋め込まれた魔石が輝く。


 剣聖が舌打ちして、再び前へと出る。


 そして目で追えない早さで剣を振るった。


 しかし今度は初めから避ける事しか考えていない。

 その剣撃を見事避けて見せた。


「おのれ!」


 さらに剣聖が前へ出る。


 俺はなおも下がる。


 完全に間合いを外したはずだった。

 そう思った。


 剣聖の振り下ろした剣先が、後ろへと逃げる俺の左脚を切り裂いた。













やはり今日も遅れましたか。


<(_ _)>

さーせん


次話も遅れる可能性大!





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― 新着の感想 ―
[良い点] 剣聖つえええええ!!!! ボルフ以外にもファイヤーブレスやらされてるのに笑いました。
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