表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/23

17☆えんやこら

始業時刻に遅れて歩いていると、前方に彩菜ちゃん発見。

またか。どーしたもんかな。

でも、なんか様子がおかしい。登校路から外れた公園に入ってゆく。

ブランコに揺られて、魂が抜けたような表情。

「あーやな、ちゃん」

「きゃあ!」

背後から近づいた私にびくっとする。

「そのー、えんやこら、の方はどうなってるの?」

「残念だったわね。もうお金、巻き上げられないわよ」

「その節はごめん」

「別にいいわよ。笑ったらいいわ。もうなにもかも馬鹿馬鹿しくて!」

ポロリ。彩菜ちゃんが泣いている。

「なにがあったの?」

「坂崎さんに奥さんと子どもがいたの!」

あー、ありそうっちゃありそうな話。

「騙されちゃったのね」

「結婚しようって言われてたから高校も中退する気でいたんだけど……」

それで投げやりだったのか。

「ねえ、彩菜ちゃん。星学は嫌い?」

「なんで?」

「学校に真面目に通って勉強するのよ!今からならまだ追いつくはずだし、自分が将来なりたいものを探して打ち込んでみなさい!」

「でもどっちにしろ退学になりそうだし……」

「だったら、予備校に行ったら?」

「あんたなんでそんなに世話焼きおばちゃんみたいなこと言うの?」

「世話焼きおばちゃんだからよ!」

彩菜ちゃんが鼻白む。

「よく考えてみて」

私は公園をあとにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ