Tear drop……
終わりはないんだと……
そう……
思っていた……
……
いつからだろうか……
こんな風に思えたのは……
ひとりが孤独じゃないと
……
振り返ってみても
前をみても
いつも胸を突き刺すのは
根拠のない不安……
……
いつからだろうか……
こんな風に思えたのは……
はじめて知るぬくもり……
どうしてこんなに
あたたかいの……
はじめて知った……
こんなにも
あたたかく……
やわらかく……
つつまれているのは
はじめてだった……
……
いつからだろうか……
目の前に
心の中に……
あらわれたのは……
……
いつからだろうか……
……
きっかけは……
いや……
誰か……
そばにいてくれたのなら……
……
過ぎていく日常に
終わりはないんだと……
終わらせようとして
立ち止まった……
いや…
動けなかった……
苦しみは
いつも
つきなくて
どうしてこんなに
生きなくちゃならないのか……
不安や恐怖
絶望
意味のない日々……
それと
希望のない未来
……
砕け散りそうになる……
心と体…
歯を食いしばっても……
腐っていくばかりだった……
憂鬱だった……
……
そんな風に
あきらめていたのに……
いや…
あきらめきれずに
もがいて
あがいて……
疲れ果てた……
立ち上がれない
もう二度と……
……
彷徨う日々は暗く苦しい
何も考えられなかった……
手を差し伸べてくれた指先が
届かなかった……
そのへんに
転がっている石と
同じ
何ら変わりはなかった……
いや……
石よりも……
……
ただただ沈むしかない日常と
動かない体……
浮かばない顔……
誰かいたっけか……
自分の顔すらも……
どんな顔をして生きていたのか……
目が閉じたまま
開かない瞼……
手の感覚が冷たい
……
メロディが鳴る
着信音と
通知音
いつしか感動したはずの曲が
耳元を通り過ぎていく……
届かない手の先に
知らせようと
必死だったはずなのに
指先の向こう側は
冬空よりも遠く
遥か雲の彼方
消え去るように
鳴り止んでしまった……
雷鳴はとどろかず
静かに凪いでしまった
風
陽の光が届かない
降り積もる雪
永久氷河に閉じ込められて
それでもなぜか
このまま結晶になれることを
望んだ
停止した思考
探されることのない時間
標本にすら成り得ないのに
何の価値があるのだろう……
……
闇の中で光る
原人たちの咆哮
はじめて生まれた火
その日の感動を知りたかった……
こんなにもひ弱なのに
あんなにも強かった人たち
転がる頭蓋骨が洞窟の奥で眠る
ひっそりと……
語りかける言葉は
生きることだけ……
理屈じゃない
育みの中で
連綿と
息づく
古代
…
横たわる遺体
横たわる未来
刹那に瞬く冬の夜空
燃え上がる炎
天井の暗闇を焦がし
流星たちが落ちる
火山が噴火する
溶岩が氷山を流れ溶かす
地脈の奥深くから噴き上げるホットスポット
空よりも遥か高らかに
巨大な地響きと振動とともに
天が割れる
高らかな声……
それを見上げて
眠りから覚めた……
……
気がつくと
君がいた
心配してくれた君がカーテンを開け
朝を迎える
陽の光がさして
テーブルが眩しく光る窓辺の微笑
心の奥底で永久凍土が太陽を反射して溶け始める
光の結晶から抜け落ちる体
何も着ていないことに気づく……
そっとあたたかく包み込む
君の背中の後ろ側で
置かれた淹れたての珈琲カップの湯気
白く立ち昇る吐息ははっきりと目に見えるほど白く
そのまま重ねてくれた……
おはよう……
……
いつからだろうか……
こんな風に思えたのは……
ひとりが
孤独じゃないと……
……
ゆっくりと
立ち上がる前に
もう一度
抱きしめた……
涙の数だけ……




