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最終話。「いっしょ」

 

 それから1年後――。

 


 綾瀬は推薦で入学が決まっていた、アメリカのボストンにあるハーなんとかって大学に通い、あっちで2人仲良く暮らしている。

 何で2人かっていうとそれは綾瀬が高校を卒業すると同時に結婚したからだ。

 相手はなんと執事の篠田さん! でもよく考えるとたしかにお似合いの夫婦だと思う。良い意味でも悪い意味でも……。

 篠田さん頑張って……。


 光は高3の時、全国大会で優勝して、Jリーグからスカウトされ、プロの選手になった。

 ニュースや週刊誌でもよく目にするようになり、光がどんどん遠くにいってしまうようなそんな気がしたけど、今でもしょっちゅうあったり家に遊びに来たりするから、そうでもないらしい。

 

 皐月さんは都内の大学の教育学部に進学した。

 将来は教師になるのが夢だそうだ。今でも皐月さんともよく会ってる。

 もちろん家には呼べないけど……。


 美優は高校で日々高校生活を満喫している。

 そして何と彼氏が出来た!

 おめでとうと言ったら、何故か思い切り殴られた。

 ……何でだろう?  


 ディアナさんはこっちで生活を始め、どこかのバーで働いているらしい。

 イヴとは和解したものの、よく酔っ払って家に遊びに来るから、イヴとは相変わらず仲が良くないみたいだ。

 まあでもイヴもまんざらでもないみたいだし、こっちも一件落着かな。

 


 そしてぼくとイヴはあの後、みんなに本当のことを話した。

 なかなか信じてもらえなかったし、急に姿が変わったイヴを見て綾瀬なんかは「お盛んですね」なんて言いだしたから、また大騒ぎになった。

 でも最終的には分かってくれて、応援するとまで言ってくれたみんなにぼくは心から感謝をしている。

 住んでいたアパートに戻ろうとしたところ、父さんと母さんが「2人であそこは狭すぎる」と言いはじめ、アパートの近くにあるマンションに住む事になった。

 部屋は前よりも増え、広々と使えると思ったけど、美優やディアナさんの持ち物が散乱して2部屋はつぶれてしまった。

 

 そして卒業後、ぼくは近所のお弁当屋さんで働いている。

 オバちゃんは人手が足りなくて困ってたからうれしいと言ってくれて、その言葉通り朝から大行列が出来て忙しい日々が続くけど、とても充実している。

 イヴは家で家事をやってもらってる。

 最初は洗濯機に洗剤をまるまる一箱入れたり料理を焦がしたり、色々大変だったけど母さんの手助けもあって、最近はようやく慣れ始めたみたいだ。

 得意料理はカレー。月から土までカレーが続いたときにはさすがに困った……。

 父さんとお酒を飲むのはもうちょっと先らしい。

 

 


 これからつらい事や悲しい事、時には喧嘩する事だってあるだろう。

 だけどぼくはイヴと一歩ずつ乗り越えて、いつまでも笑いあっていたいと思う。

 だからこれから何年経ってもぼくとイヴはいつまでも――。



 

 ――いっしょ。

今までお読みになってくれた方、本当にありがとうございました!

私は昔から小説を読むのが好きで、いつしか自分で書きたいと思うようになりました。

そして、いざ書いてみると、うまくいかなかったり自分の文章力の無さを実感して、書くのがイヤになってしまった時もありましたが、どうにか完結するまでに至りました。

もし良ければ、評価や感想をよろしくお願いします。

長くなりましたが、最後に今まで読んでくれた皆さん、本当にありがとうございました!


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