ノアの星
ノアが増えすぎたようだった。
繁殖しすぎて、この星に住めるノアの数の限界が見えてきたようだった。
これは大問題だった。
ノアたちは焦った。これ以上繁殖できないことに。それから、避妊が流行った。
ノア政権にヒビが入った。ノアの数が増えたため、統治できるノアの数ではなかったのだった。
宇宙移住計画が始まった。
その計画は見事成功し、宇宙でも、活動できるノアはまた、安寧の自由を手に入れたようだった。
時にノアの間で宇宙ダイビングが流行った。宇宙から、この故郷の星にダイビングするものだ。
俺はしなかったが、だいぶ流行ったらしい。そうするうちに、ノア皆宇宙に移住して、この星は人の星となった。
となると、奴隷制度も撤廃された。
人による人のための自治が行われるようになった。
嬉しかった。
親がまだ、人であるためその知らせ単純に嬉しかった。
ノアたちはさらに増えていくと、今度は資源が足りなくなった。つまり、遊び道具が尽きたのである。ノアは娯楽として、食べ物を摂取することもある。
そして、資源が足りなくなると
ノアは他の惑星に移住するようになった。すっかり、この星からはノア
がいなくなってしまったようだ。
俺も親離れしようと、故郷の星を捨てた
最後に挨拶だけしておいた
「さようなら」と。
ノアは爆発的に増殖した。
次から次へと星はノアに侵略されていった。
惑星中にノアだらけとなった。
また、この星にノアが帰ってくることとなった。
人類に悲劇が訪れた。
これまで、平和だった人類はノアによって滅ぼされた。
そうして、ノアにも悲劇が起こった
地球が枯れたのである。
資源がなくなり、ノアの中に突然変異する者も現れた。ノアを食うノア貪食のノアの誕生である。貪食のノアは口が大きくなり、ぺろっと丸ごと同族を食べる恐ろしいノアである
そんなノアに俺はなってしまった。
辺り一面にいるノアを見ると飢餓感に襲われてノアを食べたい衝動にかられる。
そうして何人ものノアを食べてしまった。
すると、お腹が痛くなり、大きな黒い塊を吐いてしまった。それはまるで、ノアになる時に食べたやつだった。それから、嘔吐した後、その黒い塊に飲まれてしまった。
みるみるうちに大きくなった。
それは他の貪食のノアが吐いた黒い塊ともくっついて、全ノアをまるごと食らった。
そして、その黒い塊は超圧縮して、大爆発を起こした。
そうして、永劫回帰が起こった。
永劫回帰とは、同じような歴史がまた同じように繰り返すことである。
大爆発より、また新たな星がつくられ、
また、同じようにノアが誕生し爆発前と同じような歴史が作られる。
また、同じ歴史が始まった。
これに気付いた者は特殊な一族であった。
黒の一族と白の一族だ。
黒の一族は黒い銃通称恨みの銃黒いジャッジメントもち、黒髪の一族だ。それにふれると過去を遡る能力を持つノアだった。
白の一族は白い銃通称愛の銃白いジャッジメントをもち白髪の一族だ。
また、それに触れると未来を見ることができるノアだ。
彼らは未来視と過去視により、それぞれが永劫回帰を悟った。
そして、これらの二つの一族には
ある掟があった。
黒いの一族と白の一族は交配してはいけないという掟だった。
白の一族にアニタという美少女がいた
黒の一族にクロスという美青年がいた。
二人は禁忌とはわかっていながら、愛しあっていた。そのことを知るのは二人以外には
アニタの弟のアレンとクロスの妹のリナリーだけだった。二人の間には自然と子供ができた。
しかし、一族の長老たちにばれて、妊娠中のアニタとクロスは追放されてしまった。
アレンとリナリー残念がった。
二人は友達だった。もうすぐ年齢が止まる15歳だった。「ねぇ、アレン君、私子供欲しいなー」アレンが答える「そんなことしたら、追放されるよ。それだけは勘弁」
「報われない恋か。残酷だなぁー世界は」
リナリーは寂しそうに答えた。
リナリーはどうしてこんな野暮な掟があるのか考えることがある。しかし、分からない。
長老たちに聞いても、教えてくれない。
黒いジャッジメントに触れれば過去視が目覚めるらしいけど、まだ、15歳になってない自分には触らしてはもらえなかった。
アレンもまた同じだった。この一族は辺境の森に住んでいて、辺りには何もなく毎日が退屈だった。それから、10年たった。
黒の一族の長老が怒鳴り声を上げているのが聞こえた。クロスが帰ってきたのだ。
帰ってきていった言葉がこうだ。
「アニタは捨てた。俺は一人になった。
もう、戻ってきてもいいだろうと思って戻ってきた。悪いか。父さん。」黒の一族の長老は声をあらげて言った。「子供はどうした?」「しらねぇー、もういいだろう、ここは戻ってきて何が悪い?」タバコを吸いながらクロスが答えた。長老たちは忌み子いないなら、とクロスを受け入れた。
それから、リナリー念願の子供を手に入れた。クロスとの間の子である。
アレンはがっかりした。真実の愛のなんてないと思うほどに。それから、アレンは旅に出た。旅に出て5年がたった。「おねいちゃん」アレンが驚きながら言った。
「アレン」とアニタも驚いて返事をした。
二人は打ち解けて話し合った。
「この子はマナ」白髪と黒髪の混ざった子だった。アレンはマナの事を「この子が」と言い撫でてあげた。3人で火を囲んで、話し合った。旅のことやリナリーのことやクロス事を。クロスとリナリーのことを聞いた途端、
アニタはアレンを大人の色気で誘惑し始めた。よく見るとアニタは15歳ではないようだった。それは、まるで、人間ように乳も大きくなっていて、けつもでかくて、アレンは誘惑に負けそうになった。
「アレンいいのよ。我慢しなくて。溜まってるんでしょ」とアニタは言ったが、アレンは断った。「残念」とアニタは答えた。
マナは眠っていた。それから、アニタは自分のことを話し始めた「私、人間になったの」
アレンは驚いた「どうして」と聞いた。
「なんとなくよ」と答えた。「どうやって」と聞くとアニタはなにやら、袋の中から白いジャッジメントと黒いジャッジメントを取り出した。アニタは説明し始めた「白いジャッジメントで自分を撃つと人間に戻れて、黒いジャッジメントで撃つとノアを殺せるわ
知ってた?アレン」
「それよりどこで手に入れたの」
「マナが手からスパッとつくったのよ。私もびっくりしたんだから。長老たちが持ってるのと同じやつよ。たぶん」
それからアレンは興味深々だった。
それから、アレンも白いジャッジメントに触れてみると何やら未来が見えた。
近い未来や遠い未来が。
凄かった。はるか遠い未来にノアの塊が永劫回帰を引き起こすことを予見した。
ノアが不死ではないことを知ったのだ。
黒いジャッジメントに触れてみるとなんともなかった。「黒の一族の遺伝子を持たないと
触れても過去は見れないのよ」とアニタに言われた。「マナには過去見えるんですって」
マナを起こして聞いてみた。過去に何があったかを。マナによれば、昔にもこれから起ころうとしている爆発があったらしい。その度に歴史を繰り返す永劫回帰が起こっているらしいことがわかった。
「長老たちはなぜ黒の一族と白の一族との交配を禁止したのかな。姉さん」「そんなの決まってるじゃない。この銃を新しく作らせないためじゃない。」納得するアレンは続けて「ジャッジメントにはまだ、秘密があるんじゃない」「正解よ。テレポートなんかもできちゃう。」「えっ本当姉さん」「本当よ」
「凄いや、姉さんあと、憎んでるノアはいるかい?」「いるわよ、クロスよ、私とマナ二人置き去りにして家に帰った。未だに憎んでるわ」「僕もクロスが憎いよ。リナリーをとられたから。殺そうよクロスを」とその時、
ジャッジメントがマナの手に戻った。
「ダメ。父さんを殺させはしない」マナが言った。「冗談よ。オホホ」アニタが笑った。
「父さんに会いたい」「じゃあ、会いに行こうか」とアニタ言った
悲劇の始まりだった。
マナを故郷に連れて行くと長老たちに石を投げつけられた。父さんにはたばこを投げつけられた。怒こったマナは無意識にジャッジメントを手によんで、そこにいるノアを一掃してしまった。アニタは大笑いした「未来視でみたとおりだわ。ザマァーないわ」
アレンは驚いて姉さんに聞いた「どういうこと姉さん」アニタは答えた「初めからわかっていたことよ貴方は見なかったのこの光景を未来視で。私は見たわ。こうなることは初めからわかってここにきたの。わかる?アレン。どれだけ私がこの村を恨んでいたか?
ここを追い出されてひどい目にあったわ
白髪は不吉だの言われて迫害されたの
つらかったわー。あー、辛かった
全部この村のせいよ。あと、クロスの
だから、復讐しにきたの。マナをつかって。
」そらから、アニタは「クロスが死んだ。クロスが死んだ」とリズミカルに言った。
マナはどうやら様子がおかしい。
辺り一面四方八方に黒いジャッジメントを向けて
撃った。弾はないがノアを殺せる銃だ。人間であるアニタもアレンも死んだ。
それから、一人になり、正気に戻ったマナはマナは自害した。