小春日和。。。。
七海はここ数時間携帯を眺めてはニヤニヤしている。
それを面白く思わないのは小春だ!
「七海ちゃんさっきから何をそんなにみてるの?」
「お姉ちゃん、明日は最高にいい天気だって!」
そう言われて小春は窓に向かって外を眺める。
「お外曇ってていい天気とは言えないけど…?」
七海も姉に習い窓から外を見上げると満足げに笑みを浮かべる。
「うんうん。最高だね♪」
曇り空の何処がいい天気なのか理解出来ないけど七海の笑顔が見れて小春はそれで十分だった。
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松山先生の後に続いて教室に入って直ぐに見たのは七海の姿だった。
あまりの嬉しさに思わず小春は小さく手を振ると七海も気付いてくれたのかニッコリ笑ってくれた。
「はい!お静かに!!」
松山先生が注目を集める為にパンパンと手を叩いた。
「本日から二週間教育実習の先生がきます。先生どうぞ。」
先生と呼ばれて少しくすぐったい感が有ったけど小春は教壇に上がってクラスを見渡したら悪くないと思った。
「これから二週間教育実習できました。白城 小春です。宜しくお願いします。」
小春はお辞儀をすると、早速質問のラッシュだった。
年齢や趣味や特技何かも聞かれ、はたまた恋人の有無まで聞いてくるが小春が答えるより多くの質問責めで上手く答えることの出来ない小春に助け船が入った。
「白城先生が答えられなくて困ってるでしょ?」
その声は松山先生でも七海でもない、眼鏡を掛けた生徒だった。
「ありがとう。…えっと…」
生徒名簿と座席表を見て確認したが敢えなく終わった。
「私、清水 さちっていいます。クラス委員やってます。」
「ありがとう清水さん。」
小春は素直に礼を述べると質問を答えることにした。
「えっと、白城 小春 22歳 趣味は読書かな。彼氏いません。」
答えて小春は恥ずかしがったけど…『ハッキリした態度をとれ』とさっき松山先生に言われたばかりだ!気持ちを切り替えて次の質問をまった。
「先生は妹に興味はありますか?」
この質問は小春はドキッとした。質問をしたのは清水さんだった。
「…えっと、な、七海…このクラスの白城さんはい、妹です。」
先生可愛い! 天然ですか? 先生を妹にしたいわ。
…などの声が教室を飛び交っていた。
「先生惚けないで下さい。この学校のOGなら解りますよね♪」
清水はグイグイ突っ込んできた。
小春はただ何て答えるか悩んでいた。
それを見て面白く無いのは七海だった。
「さち!やり過ぎ!それ以上は洒落じゃ済まないよ?」
さちに喰ってかかったのは七海だ。
「こんなに素敵な人に恋人がいらっしゃらないのなら、妹に立候補しても良いじゃないかしら?」
七海の売り言葉を安値で買い取ったのは清水。
二人の間に割って入れるのはクラスには誰も居なかった。
小春はオロオロしはじめて伏し目がちになった。
パンパン!
その場の空気を変えたのは松山先生だった。
「貴女達は少し元気が余ってるみたいですから校庭10周してきなさい!いいですね!!」
松山先生の一言で二人はビクッとなっていた。
「「はい。」」
清水と七海は同時に返事をしてあわてて教室から出ていった。
「白城先生ももう少ししっかりしてください!」
松山先生に言われてしまった。
小春はただ頷くしか出来なかった。
学校生活で浮かれるのは七海?
それとも小春?
清水 さちは何を思う…
次回:小春日和。。。。。