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ゴールデン・パラシュート  作者: 木崎隈汰
戦争編(ダン)
7/22

外伝2 「熱く燃える勇気」

登場人物紹介

・カルナダ連合

「トッシュ・アンドリューズ.Jr」

22才・男、S・Sの一人、通称「イグニス・ヴォルケイノ」炎を操ることができる。使命感が強く、人を助ける事に対して自分の命を顧みない。

反面周囲を困らせる事がある。また極度の格闘技好き。

趣味は格闘技観戦

トッシュは最初は消防士だった。二年前彼が非番の日に町を散歩していると、一軒の家から火災が起き野次馬が出来ていた。まだ子供が一人取り残されてるという、彼は迷わず炎上している家に飛び入り子供を救出したが彼の体は燃え続けていた。そんな経緯から体を炎と化す力を得た彼は軍からのスカウトに迷わず応じた。

「レクソン・ディミトリーアズ」

24才・男、トッシュの消防士時代の先輩。気さくで掴みどころがない。

トッシュの突出する性格を心配して同時期に軍属になった。

趣味は射撃。

S・S

「イグニス・ヴォルケイノ」

能力所有者:カルナダ連合「トッシュ・アンドリューズ.Jr」

特徴

・体から炎を噴出する事が出来る。

・炎は柔軟な動きに対応できる。

弱点

・水、氷等は相反する運命にある。

・酸素が薄いと効果が発揮されない(二酸化炭素等)


 中央戦線のなかでも特に中央部の戦域は、両軍ともに一進一退の攻防を繰り広げられていた。カルナダ連合はニューアスメリアへ上空から三度目の強襲を仕掛けるため戦闘ヘリの出動を開始した。トッシュとレクソンの二名は強襲隊メンバーに選出されていた…


―――カルナダ連合・強襲隊ヘリ内部


 1人の男が上空から地平を見下げる―――


トッシュ「降下時間はまだなのか?待機から1時間さすがに待ちくたびれたぜ。」

レクソン「そういきりたつなトッシュ、待つ事は大事だぜ?」


 自分よりは若い兵隊をレクソンはなだめる。トッシュは前から疑問に思っていた事をレクソンにぶつける―――


トッシュ「前々から思ってたんだが、何でオレについてきたんだ?」


レクソン「さぁな…。お前は自分の命を軽く見ているからかな。」


 そう答えるとヘリ内には一時の静寂が訪れる、無情なヘリのローター音をかき分けるようにヘリ内の無線機から通信が入る。


「時刻1000!!全軍ただちに作戦を開始してくれ。」


 ヘリ内の降下作戦部隊は慌ただしく作戦行動に移りかかる。

 トッシュはヘリ内の隊員達に向かって言う。


トッシュ「オレの能力でみんなの突破口を開く!!みんなオレに続いてくれ。」


 降下部隊が戦場へ辿り着くと、地平では激しい銃撃戦が繰り広げられていた。

カルナダ軍の強襲部隊ヘリからニューアスメリア軍の迎撃部隊に向かって強襲部隊が放たれる―――

「作戦終了時刻になったら撤収予定ポイントに迎えに来る、君達の幸運を祈る!!」


 パイロットは皆にそう言い放つと、カルナダ軍の基地へと戻って行く。

―――かくして降下部隊は激しい弾幕の中を潜り抜けていく訳だが…


トッシュ「敵の弾幕が激しいか…よし!!」


 トッシュは後ろに続く降下部隊を守る様に半円型の炎のドームを形成する。

 それを見たニューアスメリア軍の一人の兵士が叫ぶ―――

「来たぞ!炎の奴だーー!」

 

 続々と無事カルナダ軍の強襲隊は地面へと着陸し、ニューアスメリア軍の迎撃部隊を攻撃する。

 戦車を3台程自分の能力により撃滅するトッシュに向かってレクソンが近寄る。


レクソン「一人で突っ込みすぎるな、無謀と勇気は違う!」


 更にレクソンは続ける―――


レクソン「敵の迎撃部隊が思っていたよりも少ない、少し用心しろ。」


 そう言ってレクソンはトッシュのバックアップに入る。

 トッシュに向かって特攻を仕掛けてくるニューアスメリア軍の兵士に対して牽制する。


トッシュ「大丈夫だ、オレの事は心配するな!」


 と言って腕に炎を纏わせ更に敵部隊に対し突っ込んでいく―――

 強襲部隊の活躍もありニューアスメリア軍の迎撃部隊は徐々に後方へと下がっていった。

 それからしばらくして、ニューアスメリア軍の攻勢が小さくなって来た頃にトッシュが口を開く―――


トッシュ「迎撃部隊も大した事ないな。これで包囲網をまた一歩進める事が出来る。」

レクソン「大した事なさすぎるがな…」


 と二人は安堵をつく。

 突如―――、迎撃部隊を追い払い前進したカルナダ軍の上空を戦闘機部隊が通り過ぎる――

 カルナダ軍の軍勢に向かって爆撃が雨の様に降り注ぎ、兵士達は激しい空襲に襲われる―――

 トッシュは上空に向かって半円形の炎の盾を形成し、空襲を相殺しようとする。


トッシュ「みんな、オレの炎の下へ避難しろ!熱いのは我慢してくれよ。」


 トッシュの近くにいるカルナダ軍兵士達はトッシュの元へと駆け寄る。

 近くにいた仲間の一人の携帯無線機から味方の通信が入る。

「敵の誤情報に踊らされた!救出チームを向かわせる、ただちに撤収ポイントまで移行してくれ!」


 空襲により味方が一人また一人と倒れていく―――


トッシュ「撤収なんて出来るかッ!オレは一人になっても戦うッ!」


 トッシュに守られている仲間に動揺が広がる、待てと一言いってからレクソンがトッシュに向かって述べる。


レクソン「逃げる事もまた勇気だ、お前が居れば助かる命がたくさんあるッ!」


 我に返ったトッシュは仲間を守るため、更に炎の盾を大きく形成しようとする。

 だが何故か燃え広がる炎は徐々に小さくなって行く―――

 ニューアスメリアの軍勢は炎を操る者を知っていた、その為爆弾の中に大量の石灰石を含む爆弾を混ぜて対策をしていたのだった。

 

トッシュ「何だ?火がどんどん小さくなっている、このままでは…」


 トッシュは焦り始める、トッシュが盾を作らなければみんな死んでしまうからだ、守られている仲間にも動揺が広がる。

 レクソンは何かを探す様に周りを見渡す、探している物は火炎放射器であった。


レクソン「あった!これだけでかい戦場なら、あってもおかしくないとおもったが…、みんなも何か燃え広がる物を探せ、何でも良いとにかくトッシュを助けるんだ!」

 

 ただちにトッシュが形成する炎の壁に向けて炎を放出する。

 他の者もレクソンに習って炎を助長するものを探し始める、何人かの兵士も同じ物を見つけ助長する。


トッシュ「みんな、すまない…」

 

 空襲も間もなく止みレクソンが口を開く―――


レクソン「空襲は病んだ、撤収ポイントへ向かうぞ!」


 辛くも生き残った、トッシュ等カルナダ軍の兵士達は撤収ポイントへと移行する。

 無事撤収地点へ辿り着くと同じく空襲から生き残っていたカルナダ軍の兵士達があつまっていた。

 一人の兵士がトッシュに声を掛ける。

「お前等も生き残れたんだな」


トッシュ「ああ…、しかし…。」


 トッシュが廻りを見渡すと大多数いた兵士達は半数以下になっていた。

「手ひどくやられたよ…、ここへ辿りつけたのは全体の半数以下だ」


 撤収して来たカルナダ軍の兵士達の元へ救助隊のヘリが到着する。

「遅くなったな…、みんなさっさと乗り込んでくれただちに戦闘空域を離れる」

 

 カルナダ軍の兵士達を乗せた救助隊はその場を後にした…


―――中央戦線・カルナダ軍基地


 トッシュには上層部の決定により中央から東部戦線の駐屯地への移動命令が出されていた。

 それはニューアスメリア軍に「イグニス・ヴォルケイノ」の情報がしれ渡っていたからである。


トッシュ「転属か…」


 初めての転属にトッシュは不安を募る…。

 レクソンから声がかかる。


レクソン「何をしょげている、俺も同じ部署へ決まったぞ。」

 

 消防士時代からの同僚と再び一緒になった、トッシュに笑みが零れる―――

 こうして二人の兵士は東部戦線の小さな駐屯地へと向かうのである。


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