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第1話 宣戦布告と、運しか残らなかった日

宣戦布告は、昼休みのニュース速報で流れた。


「本日正午、地球に対し――」


アナウンサーの声が一瞬だけ乱れ、

次の瞬間、画面が切り替わった。


知らない空。

知らない文字。

そして、知らない存在。


四つ。


少なくとも、画面の向こうには

四つの異世界が映っていた。


誰かが、教室で笑った。


「映画か?」


笑い声は、

次の映像で消えた。


都市の上空に開いた裂け目。

そこから落ちてくる、何か。


建物が、潰れた。


一つ。

二つ。


「……あれ、人……?」


教師が言いかけた言葉は、

爆音にかき消された。


世界が壊れるとき、

思ったよりも静かだった。


スマホが震える。

一斉に。


【緊急通知】

異常事態発生。

屋内待機を推奨。


意味が、追いつかない。


「戦争?」

「異世界って……?」


誰かが言う。


「無理だろ」


俺も、そう思った。


その直後だった。


視界が、白くなる。


音が消え、

重力が曖昧になり――

気づいたとき、

俺は教室に立っていた。


いや、正確には、

**教室“だった場所”**に。


壁の一部が、

消えている。


空が見える。


遠くで、何かが燃えていた。


声が、頭の中に直接響いた。


【異世界連合より通達】

無秩序な侵攻を防ぐため、

介入を開始する。


異世界連合。


第五の異世界。

秩序を重んじる世界。


その名前を、

俺はその日、初めて知った。


【全人類にスキルポイントを付与します】

【初期付与ポイント:100】

【個体差なし】

【自由に使用可能】


視界の端に、

見慣れない数字が浮かぶ。


【スキルポイント:100】


「……百?」


思わず、声が漏れた。


周囲を見る。


誰もが、

同じ数字を見ていた。


誰かが叫ぶ。


「能力だ!

 異世界もののやつ!」


別の誰かが、

興奮気味に言う。


「100もあるなら、

 最初から最強取れるだろ!」


俺は、

その輪に入れなかった。


遠くで、

爆発が起きた。


ビルが、

崩れ落ちる。


現実だ。


これは、

ゲームじゃない。


選べ。


頭の奥で、

急かされる感覚。


攻撃。

防御。

回復。


100もある。

できることは、多い。


――多すぎる。


俺は、

自分が凡人だと知っている。


反射神経も、

判断力も、

勇気も。


全部、

平均以下だ。


100ポイントあっても、

正解を選べる保証はない。


「……運、か」


思考の末に、

残った言葉はそれだった。


努力で補えないもの。

才能でも覆せないもの。


でも、

生き死にを左右するもの。


視界に、

選択肢が浮かぶ。


【幸運】

【悪運】

【天運】


説明は、

最低限しか表示されない。


それでも、

直感で分かった。


これは、

賭けの能力だ。


俺は、

逃げるために選んだ。


勝つためじゃない。

英雄になるためでもない。


100ポイントをどう使うか、

真剣に考える余裕はなかった。


ただ――

生き延びる可能性に、全部を預けた。


その瞬間、

校舎の外で、

何かが落ちた。


地面が揺れ、

悲鳴が上がる。


俺は、

自分が選んだものを見た。


そして、

後悔することになる。


この日から。


第一部のみ一気投稿します

※この作品は「運だけ」で世界大戦を生き残る話です。

※努力・戦術・知略より、ご都合主義と幸運が優先されます。

※深い理由や理屈は後回し(もしくは出ません)。

※ご都合主義・運ゲー展開が苦手な方はご注意ください。


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