寝てたら命懸けのサバイバルを生き抜いた件について
目を開けると辺りは血みどろになっていた。
あまりの異常事態に軽くパニックになるが、状況を整理することで頭を冷静にする。
まずは事の経緯について思い出そう。
確か、クラスまるごと異世界の無人島に転移したんだ。みんな混乱してたけど、神様が現れて少し落ち着いていたな。和やかにするオーラが漂って、なんだか神秘的な感じだった。
けど、それはすぐに改められる。
神様はみんなに強力な異能力を与えると、すぐに衝撃が走る一言を発した。
「君たちにはね。異能力を使ったサバイバルゲームをしてもらうよ。――命じて異能力サバイバル!」
かくして狂気のサバイバルが始まった。
魔物ひしめく島でわずかに配布された食料と水。
魔物は異能力で対応できたが、問題は食料だ。
もちろん、最初は切り詰めてやりくりしていたが、すぐに気づく。
圧倒的に足りない!
定められた日数を全員で生き抜くには足りな過ぎる、食料や水が!
そんな現状を鑑みて、最悪な判断をする者が現れた。
そいつはクラスメートを殺して、殺して、殺しまくった。ついにみんなの不信感が頂点へ達し、殺し合いが始まった。
ここから先、俺は覚えていない。
「だって寝てたんだもん、しょうがないじゃん」
もう無理、と考えて諦めの睡眠。
どうやら、逆に功を奏したようだ。
しかし、一夜にしてこの変わりよう。
たぶん、殺し合いが夜通し続いたのだろう。
空中に香る肉が焼け焦げた匂い。
バラバラな死肉に飛び散った血。
極限的な状況に嫌な夢でも見ているようだ。
すると、衝撃音が島の奥地から聞こえてくる。
未だ戦い続けている者がいるのかと、急いで駆け出す。
「遅かったか……」
一人は爆散して死に、もう一人も……いや死んでない生きている! 良かった!
ただ、死ぬのは時間の問題だ。
なので、歓喜しながら瀕死のクラスメートに近づき、心臓を一突きしてやった!
この瞬間を狙っていたのだ。
なぜなら、俺の異能力は殺した相手の異能力を奪う、癖のある能力だからだ。
この瞬間を作り出すために苦労した……。
混乱は狂気にしか生まれない。
初めに眠らずに活動できる異能力を持つ女を殺した。後々必要となる異能力だから。
そこからは、それを目撃した奴を殺し、犯人の分からない殺人事件を生み出した。
読み通り、場は疑心暗鬼で、もうめちゃくちゃに。
死体に紛れ、死んだふりで最後まで逃げ切る。
そして、順調に計画を進めていき、最強の異能力を奪い取り、食料や水を一人で総取りしてやったのだ。




