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【0話 強きを生きる者】

「(俺は,,,何故,あの男に挑んだん,,,だ)」


ふらふら,余りの力により脳が揺れふらふらする,ガクリ,身体が地に堕ちる。


「我と貴様の勝敗のワケ,単純明快,それは肉体の

質なのだ,我が身を穿つものなど,そう易々と

現世には無いのだ,,,だがもし仮に貴様が己を

信じていたらまた結果は変わっていたかもな」


さてと,今なにが起きているのかを遡るとしよう,この男,清田昌隆が相撲界の一子相伝の伝説に挑戦していたのだ。


「ニュースじゃあ毎回毎回,毎日毎日コイツ

ばっかりだぜ!」


それは清田が挑んだ男,関次郎吉についての

ニュースであった。


「んな⁉︎こんなフィクションだろ⁉︎」


それはしっかりと映像に残っていたのだ!!!


歴史に名を刻み,時代馳せた大横綱専用の特注品でそれは,檜も拘って生み出された高品質の一級品,それだけに飽き足らず,職人魂を持って作られており。


樹齢1万年の歴史ある大木,神社の中央に生える地震や津波に打ち勝って来た神樹を合成のものとして使われている雷電爲右エ門専用の大鉄砲柱。


通常一般的には直径約50cm[1尺6寸]のものと比べてその約1000倍,500m強もの直径

を誇るものである,,,だがしかし!


「ふん」


バゴーン!その一撃まさに巨大な大砲!技も搦手も無い,力業の極致,その軽く押し込まれた張り手一発,しかもその張り手で掌から発した風圧

だけで,なんとあの大鉄砲柱を粉々にし,綺麗に圧し折ってしまったー!!!


爆風が会場中央から全体を迸り砂煙が引いた

あと。


「やはり凄い!大横綱関次郎吉!」


「いえいえ,私などまだまだですよ」

「巨躯な図体に似合わず謙虚です!」


「わっはっはっは」


会場中の全員が笑う。


ピ,テレビのリモコンを押す。


「,,,いいじゃぁねぇか,やってやるよ,挑戦をよ」


清田昌隆はストライカー,張り手の力強さを観て

しまったが故に挑んでしまいたくなったのだ。


そうして彼の居る稽古場に向かうのだった。


「奴の肉体のスペックは常人が辿り着ける領域

じゃあねぇ」


関次郎吉,彼は48代目雷電爲右エ門,かの力士の伝説の子孫である,その肉体はと言うと。


「身長4m56cm,体重1787kg,体脂肪率1.2%,

ミオスタチン関連筋肉肥大症を患っていて生まれつき常人の筋繊維密度,運動効率,出力可能なパワーの約5892強倍の筋肉を持ってる,,,か」


「腕なんかこりゃ半端じゃないな」


前腕360cm,上腕二頭筋三頭筋合わせた

上腕周位450cm,掌なんか一般的に見ても

大きな20cmの15倍,300cmに至り。


親指525mm,人差し指624mm,中指693mm,薬指648mm,小指510mm閉めたら180cmの拳と化す。


掌や腕周りの個々のこれらの太さや平面では無く,腕の一本として前ならえして関節部を含めた

両腕の長さは,全長にして約380cm。


「しかもに加えて筋肉肥大加圧症ってのも患っていて,筋骨が高密度に収縮して強度を増し続ける病や生まれつき脂肪が極度に減りにくく成る

病も罹ってる奇跡の身体らしいな」


「身長が高くて筋肉が圧縮されるから体重が

1トン以上あるのに少し細身なバッキバキに

見えるな」


「やつには,新聞に載ってるもんも見てビビるぜ」


それは関次郎吉が不審者に襲われた,と言う記事

であるのだ,それがまた信じられない内容なのだ。


幼年期,その頃はまだ小学生だった,当時47代目の雷電爲右エ門に負けた力士の相撲部屋の

同期が復讐で刺しに来たのだ。


「うぉぉぉ!死ねや!」


殺す気満々であった,ナイフを片手に全力で

顔面,しかも人体で最も柔らけぇ目ん玉の辺りをブッ刺しに来たのだ,,,だが。


パキーン。


「んな⁉︎」


刃がたたねぇ,正真正銘の怪物人間だった。


「なんだよおじさん,ドスなんか持ち出して

危ねぇよ」


肩にポンと軽く置いただけで。


バキバキバキバキ。


「うぎやぁぁぁぁ⁉︎」


左僧帽筋,大胸筋から両外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋にまでかけてグニャりと,まるで粘土が如く

巨躯な力士の身体をベコらせ筋肉断裂に加え,

鎖骨から腰椎に掛けての胴の骨を粉砕したのだ。


「他にも保育園時代には電車を小指一本で軽々と投げ飛ばしたり,社会科見学の際にギロリと見ただけで山を巣食っていた,当時では有名な殺人

大熊すら畏怖で退け反らせた,と」


「その後,相撲界入りしてからも伝説は絶えなかった,単純なぶちかましだけで560kg強ある力士を大砲の球のようにぶっ飛ばして会場の壁を

ぶち抜いて遠くのビル群を倒壊させるなど」


「それからは必要最低限の技以外の一切あらゆる技を禁止しているのにも関わらず,1892勝0敗0休,,,インタビューによると寝ても飯を食っても気絶しても,絶対に地に背をつけない力士の矜持を持っている,とか」


相撲が大好きで仕方なく神事としての相撲を

重んじて礼は誰よりも深く,地に額が着くほど

深く深くしている,誰もが認めざるを得ない

正真正銘の歴史,史上最強の大横綱である。


「こんなの,やらねぇ訳ねぇ!」


こうして車を降りて稽古場に入る,,,と。


「,,,は?」


そこには稽古開始時間の1時間前にも関わらず,

綺麗にされた場と静かに,そして汗を沢山かきながら丁寧に四股を踏む関次郎吉が居た。


「ふ〜,何ようですかな?」


「道場破りじゃ!」


「ふむ,,,良いでしょう,ですが外に出てやります」


「あ,あぁ」


こうして静かな外に二人が出る。


「ふ,ふははは!さぁやろうや」


「ハンデを上げましょう」


「つっっっ!舐めてんのかお前!」


「,,,」


「身体が自分に比べて小さいからと舐めてるんだろ?」


「階級の差と言うのは重要な要素でしt」

「身長?体重?は!関係ねぇよ,んなもん」


「分かりました,舐めたこと,そしてこの後に巻き起こる惨劇に謝罪します」


「は,いらねぇよ」


ざっざっざ,二人は身長分の間合いを取る。


「砂利の上は慣れないかい力士さん」


「いいえ,小粒など圧っし潰れてしまいますから」


「へ,なら開始はお前がしな」


「分かりました,発気揚々のこったぁ!」


瞬間一気に押し寄せて来る。


「むっ⁉︎(なんてデカいんだ⁉︎)」


目の前に現れた手のひらは実寸台より遥かに

大きく魅せた。


「まるで怪獣だn」


バゴーン!とてつもない衝撃波が身体を襲う。


「うごぁ⁉︎」


背後の数kmに衝撃波が飛ぶ。


「ふっ,,,まぁ一撃じゃ終わらないですよね」


砂利砂の爆風が飛び去ると関の眼前には,

ガード体勢に入っている清田昌隆がいた。


「ははは,あんな爆風は修行以来に来た衝撃だぜ」


「なら次はあんたの番だ」


「お,なんだいなんだい,意外と乗り気かい」


「ふ,少し興に乗ってきた,ただそれだけさ」


「(ターン制バトルを自ら提示とは,なら俺は

この技を使ってやる)」


次の瞬間,一気に距離を詰めて触れる,次の瞬間。


「⁉︎」


ズズズッと少し引くも,ズドーンっと地に堕ちる。


「そりゃあ堪えるよなぁ,なんせ常人なら即死が

妥当な暗殺技術を素手格闘技に慣らした業

なんだからなぁ」


その技は,皮膚,筋肉,骨を超えて直接内蔵に感触を与えて肉体に酷い物理的ストレスを与える,

心臓に触れたなら心停止,目に当てて脳に触れたなら思考停止,胃や腸などさまざまな応用が効く。


透触と呼ばれる技の一つ,この技術を使えば

内蔵に感触を与えて機能停止にする以外にも,

弱点の目や金的以外にも無数の弱点を生める。


「次はこんな技は!」


っと倒れている関に追撃を放つ。


それは筋貫,脈を指で奪うことで,出血死を

狙うことも可能,これはツボを突くのと同じで

対象の身体機能,筋肉の硬さや骨の太さを関係

なく殺せる。


まさに皮膚に触れるだけで勝ちが確定するような暗殺に特化した業で,弱者が体格差を無視して勝てるように成る為に鍛えた技術そのもので

あった。


「シャオラァ!」


「ムッ⁉︎」


今度は功夫にも似た技術を使う,針灸や麻酔の

ように物理化学的プロセスの解らないが効果を生み出す力,敵のツボを突いて殺すことも容易い。


「隙ありぃ!,,,なんだこの股間,75いや80cm以上,しかもこれでも一切勃起していない状態,馬並みや超爆根なんて比じゃねぇ,鬼の魔羅と呼ぶべき代物だな(玉も玉だぜ,重量は100kgに登るんじゃないか?金的してもノーダメなんてありかよ)」


,,,だが。


「んあぁ,そんだけか」


「なに⁉︎(恥もプライドも矜持も捨てて師匠から

教わった禁止技を惜しみなく使ったって言うのに,ストライカーとしての拳じゃなく,殺の手

だったって言うのに!)」


膝に手を置くことすら無くビュンと飛び立ち上がる。


「次は私の番だな,次は1%出してしまうぞ,辺り一帯を壊さないよう手加減していた,だから

次はもうなるべく壊さないと言うベクトルに

チェンジだ」


「そう,,,か(あくまで今までは”壊さぬまま”での

全力だった訳だな)」


清田昌隆がそう思うと背筋がぞーっと引く,だからこそ次は全身全霊を超えた防御をすると誓う。


「来てみろ,俺は絶対に壊れない」


「衝撃波は全て貴方に乗っけます,死なないで

くださいよ!」


次の瞬間,一気に距離を縮める。


「(速⁉︎)」


目の前に軽く固められた拳,たった一瞬しか

拝めなかった,その拳は閃光玉よりも光り

輝いていた,瞬間あり得ないパワーが清田の

全身を包む。


「(爆発と変わらねぇよ⁉︎)」


瞬間的に清田の体は秒速約34000m/sの速度で

宙にぶっ飛んだ。


「ガハッ(上手く酸素が,それに早過ぎて内蔵が

逝かれちまうッッッ⁉︎)」


とてつもない圧が身体に負担を掛けながら更に

更に上空に吹き飛び続ける。


「(減速しt,,,)」


遂に脳が限界を迎えて気絶すると同時に,なんと

生身で大気圏に突破してしまう。


「,,,」


次の瞬間,身体は引力に引かれて途轍もない速度で地上まで落下を開始する。


「,,,(は!ここは,,,マジかよ,上空何百kmなんだよ,

玉が縮こまるぜこりゃあ)」


ちなみに今清田が居るのは大気圏付近から離れて地上から換算して約480kmほど上空であり,

熱にして数千°弱である。


「(このままじゃ,まず,,,い)」


落下の衝撃を少しでも抑えるために身体を

グネりモモンガのように大の字に成る。


がまたもや圧により内部が負けて気絶して

しまった。


「,,,」


上空から急落下して10000°近く温度に達していた。


「は,あぁぁぁ!熱い!」


そして地付近で身体を丸めてから。


「ダラァ!」


軽々と5点着地を決めてから。


「ふん」


残った余力を柔道の寝技のように地を叩く

ようにして完全にノーダメージで地上に

帰って来た。


「お見事です,本来なら直撃したが最後,身体は跡形もなくなり,肉体だけでなく,建造物や地形すら破壊する一撃だったと言うのに」


それもその筈,関の放ったあの拳,一直線上に

乗っけたあの一撃は数値に換算したら約600,0000TNTトン以上の威力の核爆弾を皮膚と核兵器が触れている正真正銘の零距離で被弾してるに等しいのだ,故にして。


「なんだぁこりゃあ」


稽古場を背に放ったがそれ以外の半径10km以上に致命的な被害をもたらしていた。


「次は俺だな,,,」


「どうしましたか?まさかもうへばりましたか」


「んなことねぇ,,,(まだ最終兵器は残してあるんだ)」


瞬間,指をカチッとすると,上空から関の頭に目掛けて質量にして数十万トン程ありそうな岩が落ちる。


「(締めた,怪物討ち取ったり)」


だがしかし,ガコーン,ビキ,ビキビキビキ,

ぱっかーん。


「は?」


なんと頭に直撃したと言うのにも関わらず,

傷一つない無傷のままであった。


「これは貴方が仕掛けた罠ですか」


「あぁ」


「中々良いですよ,マッサージくらいには

成れたんじゃないですか?」


「は,マッサージかよ」


瞬間,関は背後に回る。


「これで終わりです」


次の瞬間,1%すら使わずに小指でドスっと

小突かれた,だが既に耐える力など無かった。


「(俺は,,,何故,あの男に挑んだん,,,だ)」


ふらふら,余りの力により脳が揺れふらふらする,ガクリ,身体が地に堕ちる。


「我と貴様の勝敗のワケ,単純明快,それは肉体の

質なのだ,我が身を穿つものなど,そう易々と

現世には無いのだ,,,だがもし仮に貴様が己を

信じていたらまた結果は変わっていたかもな」


こうしてバトルは,関次郎吉が絶対的に,比べるまでもないままにして断然,傷一つ与えられないまま圧勝したのだった。


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