表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/54

第2話 カフェ slow bean (テフン目線)

小さな裏通りにひっそりと佇むカフェ「slow bean」。


 すぐそばには芸能事務所があるというのに、店の中は驚くほど静かで、落ち着いている。


 ファンの姿はほぼ見かけない。店内にはいつも、ノートを開いた学生や、静かにパソコンに向かう常連たちがいるだけ。


 それぞれが自分の時間を過ごしながら、同じ空間を共有している。


「slow bean」はコーヒーへのこだわりが強く、豆はすべて自家焙煎。注文ごとに丁寧にハンドドリップされる。


カウンターの奥からは、いつも香ばしいパンの香りが漂ってくる。


バターが香るクロワッサン、オリーブとローズマリーのチャバタ、季節の果物を練り込んだブリオッシュ。


どれも焼きたてで、思わず目移りしてしまう。


テフンは、そんな空気が好きだった。


事務所での練習の合間にふと一人になりたくなると、自然とこの店に足が向く。


――そして、もうひとつ。


彼がここに来る理由があった。


決まった時間にやってくる、ひとりの女の子。


小さなショルダーバッグに、ノートとペン、そしてラテ。


イヤホンをつけて、黙々と何かを勉強している。


名前も知らない。話したこともない。


ただ、彼女がそこにいるだけで、このカフェの静けさが少しだけあたたかく感じられた。


「아, 오늘도 있구나…」(あ、今日もいた…)


心の中でそうつぶやくだけ。


それ以上は何もない。ただ、気になる。それだけ。

登場人物


桜 韓国語学留学中 20歳

テフン 韓国アイドル IRISのメンバー 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ