幕間 7.5:王立救急医療全書より抜粋 (บทที่ 7.5 "ตำราปฐมพยาบาลหลวง")
幕間 7.5:王立救急医療全書より抜粋
(Makuai 7.5: Ōritsu Kyūkyū Iryō Zensho yori Bassui)
「王立救急医療全書:治癒の術について」からの抜粋
(古びた羊皮紙のページ。人体構造図、ルーン文字のシンボル、様々な薬草の挿絵が描かれている)
*序文:大神官イゾルデ、王立大神殿図書館司書長*
道を学ぶ者たちへ… 常に心に留めなさい。「肉体」と「魂」とは、決して完全に切り離せるものではないということを。一つを癒やすには… もう一つを理解することが不可欠です。故に、我々の世界における治癒の術は三つの主要な分野に分かれており、それぞれが独自の原理と限界を持っています…。
第一の分野:「修復術」 (The Art of Mending) - 物理の術
原理: 生物学と化学の知識を用い、身体が持つ「自然治癒の機構」を補助する術。それは触れることのできる「物理的構造 (ハードウェア)」の修理である。
使い手: 薬草師、野戦医、錬金術師
方法:
薬草とポーション: 必要な「栄養素」、「抗炎症物質」、あるいは「止血補助物質」を直接体内へ送り、細胞がその機能を最大限に発揮できるよう促す。
外科手術: 傷の縫合、骨接ぎ、あるいは異物を取り除くための切開手術。物理的な問題を最も直接的に解決する手段。
限界: 回復には「時間」を要し、「呪い」や目に見えない「魂」への損傷によって生じた傷を治すことはできない。
第二の分野:「再生術」 (The Art of Restoration) - 魔法の術
原理: 「マナ」と「ルーン文字」を用い、一時的に細胞レベルで身体の働きに介入する「命令を書き込む」術。それは魔力を利用した「生命工学」である。
使い手: 聖職魔法の術者、白魔術師
方法:
[治癒促進]の呪文: 短い「治癒術式 (ヒーリング・スクリプト)」を実行し、傷周辺の細胞に、一定時間、通常よりも速く「分裂」するよう命令する。
[解毒]の呪文: 「探索・駆除術式 (アンチウィルス・ソフトウェア)」を実行し、マナに毒の「物質構造 (分子構造)」を直接「分解」するよう命令する。
限界: 膨大なマナと高い精度を要求される。「命令系統 (コード)」に誤りがあった場合、深刻な副作用(例:制御不能な細胞分裂)を引き起こす可能性があり、依然として「魂」の傷を治すことはできない。
第三の分野:「慰撫術」 (The Art of Soothing) - 魂の術
原理: 最も深く、最も稀有な術。それは傷を「治す」のではない… 砕け散った魂を「調律」するのだ。それは「細胞」にではなく、意志と感情の「周波数」に働きかける。
使い手: 高位の大神官、あるいは「生命の大いなる意志」を真に理解する者。
方法(芸術と哲学):
それは、神の耳を持つ音楽家が、他者の心の中にある不協和音を「聞き取り」… そして、自らの周波数を「奏でる」ことでそれを「打ち消し」、新たに「調和 (ハーモニー)」を創り出すことに似ている。
それは痛みを「戦う」のではなく「抱きしめる」こと… 道に迷った魂に「君は一人ではない」と囁きかけ、ゆっくりと均衡へと導くことである。
限界: 「肉体」の傷を直接治すことはできず、「才能」あるいは深遠なレベルの「理解」を必要とする術であり、単に書物だけで教えられるものではない。
<編纂者による注釈:興味深いことに、現代において、「第四の分野」と呼ばれる理論が現れ始めている。それは「生命魔工学」と呼ばれ、「工学的論理」を用いて「命令系統を書き込み」、「魂の術」の結果を模倣しようとする試みである… だが、その理論は未だ夢想の域を出ず… それを現実に成し得た者は、まだ誰もいない。>




