第一章〜リアリティ
続きを書きました。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。こんなんでいいんでしょうか?手探り状態です。
リアリティが欲しい━━。強い欲求。
一体いつからゲームの世界に嵌り込んでいたろう。ヴォルガ=ポールカは、思い出そうとしてみた。
だが、すぐにそれは不可能だと気づくこともなった。記憶は曖昧だった。記憶は、溶けたアイスクリームのように決まった形は成さず、掴みどころがないよえに思えた。
断片的な記憶を繋ぎ合わせてみる。
ヴォルガは今年でわ高校三年生になる筈だった。そんな記憶があるから。男女共学の中程度の公立校に通い、成績はクラスの中で中程度、ガールフレンドこそいなかったが、見た目中程度で、友達の数も中程度。体育の成績も中程度だったから、運動神経は中程度ということなのだろう。ピアノを習っていて、音楽センスもまた、中程度だと自分では思っていた。
そう。俺はすべてにおいて中程度の人間だった━━。
ヴォルガへ思った。両親の収入も中程度で、中程度には価値のありそうな地区に中程度の価格帯のマンションを親が買って家族で住んでいる。
逆に、中程度でないものを挙げる方が難しく思えた。
はっきり言って退屈な日々を送っていた。彼は友達と群れるのは好きではなかった。孤独が好き とまでは言わないが、大勢の中に埋もれるよりは、一人で崇高な時間を過ごす方がいい、そんな風に考えてみた。
しかし、刺激は欲していた。生きがいを感じられるような強い刺激を望んでいた。だからゲーム にのめり込んだ。とけに、究極のリアリティを追求しようとするある種のの VR ゲームというものに。
バーチャルリアリティの世界は彼を魅了した。彼に生きる喜びを感じさせた。
しかしレトロゲームは嫌いだ━━。
ヴォルガは舌打ちした。
目の前には巨大な穴が見えていた。穴の奥の長さは、想像すらできない。穴の奥には漆黒の闇が続いているようで、それはまるで巨大な生物の口の中を連想させた。
だが、恐怖は感じなかった。何しろ それはレトロゲームの中の 屠殺にも思える グラフィックの描き出す世界だったから。
ヴォルガは穴の中に入って行くのを躊躇った。必然性を感じなかった。穴の中に入っていくべきか否か?
死ぬわけがない。必然性がない。他にもルートはいくらでもある。だいたい ルートと言っても どこに向かってるのかすらわかっていない。穴の奥地にゲームの意図する最終目的地があるとは限らない、そんな風に覚えてならなかった。
こんな風に思わせること自体、これはきっと失敗ゲームなのだ。下手をすればこの穴はバグの描き出す 意味のない現象にすぎない。
しかし、他にゲームを展開させる洗選択肢は、ないとしか考えられなかった。
気乗りはしないが━━。
彼はわ重い脚を引き擦るようにして世の中に足を踏み入れた。
匂いはなかった。やはりゲームの中の世界。俺も レトロな。だからなのだろう。これが最新式のゲームならば、得体のしれぬ爬虫類の屍体の腐敗した匂いを鼻腔の奥に強く感じるに違いなかった。
やはり、なんらかのレトロゲームが進行していて、その世界から彼は抜け出せずにいるようだった。
そうに違いなかった。
リアリティをくれ━━。
ヴォルガは強くそう願っていた。
それは夢のように現実感を伴ってはいなかったから。白けてならなかったから。
その時である。
声がした。
お読みになっていただきまして、誠にありがとうございました。次 、書かせていただきます。!