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守りたかったものは  作者: リリル
1/1

始まる日常

守りたいものありますか?

何においても何に変えても、

それがぶつかりあった時私たちはどうするでしょう。

気付かないふりをするかもしれないし、立ち向かうかもしれない。

そんな話です。

暗い部屋にデジタルタイマーの数字だけが浮かび上がる。

ちょうど30を示したところで四葉はの意識は一気に覚醒し勢いよく起き上がった。

ロフトからひょんと飛び降り、窓がない閉鎖的な自室を抜け廊下へと向かう。

暖房がない分階段は部屋より寒く、大理石製の床は四葉の足裏にダメージを与える。四葉は薄暗い1階の廊下から左にそれ階段下の洗面台へと入り蛇口から手に水を貯めた。何度も顔に水を打ち、髪を整えて、横のクローゼットから取り出した服に着替え、目線だけを右後ろに逸らす。

「おはよう」

話しかけたと言うのに微動だにせず、セレナもいつも通り、冷たい目で私の周りを1周してから何も無かったように無視をした。

相変わらずと言えばそうなるけれどちょっと四葉は傷ついた気がする、気のせいか。

気を取り直して、リビングへ向かい、歯をみがけるガム的なものを食べながら朝食を取り出した。

「美味しくなさそう」

多分誰が見てもそう思うだろう。

実際、四葉も見た目も味も含めこのスムージーが嫌いだった。

「もう少し、せめて見た目が、、、。いやそもそも」

ブツブツ言いながら一気飲みする。

懐かしい地球の時の嫌いな給食を食べる感覚が舌に残り、鼻をつまんで、なるべくスムージーが舌に当たらないよう気をつけた。

口直しをしたいが、忙しく水を飲む間もなく今日の日程を確認する。

月兎教育施設、訓練、仕事、自由時間、待機諸々

一日48時間制の月では地球に比べ、月兎に対する教育やら雑用やらの仕事が圧倒的に多い。

死んでも復活出来るため、過労死含め計算にはいってるだろう。

確認し終え、紙をバックにしまいリビングを後にする。

靴を履いてドアを開けると、熱風が入ってきて咄嗟にバタンと閉じてしまった。

既に首筋に汗をかきそれが服へと染み付く。外は今は多分110度くらいだろうか、めちゃくちゃ暑い。

本来月兎は体感温度というものが無い上、体温という概念がそもそもないが、私は別だ。

私は地球から月へと誘拐され、月兎にされたのに唯一地球時代の記憶が残っている存在だ。私はあくまで地球人、四葉であり、私の人格のセレナとは違うため、あんまり月兎としての機能が発動しない。

正確には能力と頑丈さ後は死の概念とかがないとか体感温度が一応鈍くはなっているとか、それぐらいだ。

逆にセレナは月兎としての私として生まれたからそこら辺の機能をあらかた使える。

体の器をセレナにあけ渡せば解決なのだけれど、セレナは絶望的にコミュニケーション能力がない。

つまり学校とかでは私が活動していないと、いじめとかそんなのがあるかもしれないのだ。

やっぱり我慢するしかないか。

ため息をついてから外に出た。

モンゴルのテントのような家が点々とする所に時々薄暗い街灯があり、それを頼りにを市街地方面を目指す。

月からは星が見えない。

空はカラフルな絵の具を混ぜたように真っ黒で真っ暗だ。

薄暗い街灯はそれをきわだてさせ、市街地の外れにあるこの場所は、静寂に包まれ誰もいない、思わず世界ならいいのにと少し危ない思想を持ってしまう。

市街地が近づくにつれ街灯の数も目が焼けるようなネオンの明かりも増えてきた。

学校は市街地を抜けた先、広大に空いている土地の一角置いてある。扱いが雑すぎる気もする。

もう少しくらい月兎たちの待遇を良くしても良いのに、そんなことを考えながら学校に向かった。

学校に来て教室に向かう途中、廊下でステラとすれ違った。

一目見れば月では珍しい黒髪、赤と青の瞳そして私によく似た背格好ですぐ分かる。

なにせ、月兎唯一の双子なのだから似るのは仕方がない。

「おはよう、セレナ」

ステラは私の地球の時の名前を知らず、月兎セレナとしてと呼んでくる。いや、ステラだけじゃなく私の本名を知っているのはそれこそセレナぐらいだ。

「おはよう、ステラ。今日は仕事どんな感じ?」

「開口一番それ?あんまり仕事好きじゃないんだけど」

「仕方ないよ、役割なんだし」

そんなことを言うと私の周りをぐるぐるしていたセレナが四葉は仕事してないだろと言わんばかりの目をしてくる。

若干は否定したい。若干

ステラとはそんな愚痴とかを話して解散した。

教室ではいつも通り騒がしい。

特に私の後ろなんて教室の中心に近いからか人が集まる。

かくいう私はアリーナ席で、1番先生に居眠りがバレやすいと言われている席だった。

チャイムがなり授業が始まる。

そのほとんどを私は寝て過ごし、テストも先生に聞かれた問題も、セレナが私の意識を無理やり入れ替えて答えていた。

約7、8時間ほどの授業を終え、訓練へとはいる。

これでも私は月兎の中で第5部隊の隊長をやっているからある程度の実力はあると自負している。

特に月兎各自に与えられる能力の精度は第1部隊の前戦の人達にも引けを取らないと思う。

何試合か連続で続け、3、40分の休憩をとる。

40何試合かが終わって私も休憩に入った。

上でファンが回る中、四葉は考えた。今日訓練した人たちの戦いは手応えがないものじゃなかったかと、

別に、彼女自身は戦闘なんてことはせず、ほとんどはセレナに任せるから問題は無かった。

けれど彼女にとっては今1番危惧すべきことだった。

考えているうちに顔に掛けていた濡れたタオルがベタりと床に落ちた。

暑い空気に包まれている中、彼女もまた心の中で溶岩のような熱がとろりと溶けるのであった。

強くならなきゃ、

そう誰にも聞こえない声で呟いた。






短いですが、見て頂きありがとうございます!

高校一年生のクオリティなので色々多めに見ていただけるとありがたいです、、、!

今回は日常のひとつですね。次もそうなりそう。

物語が動くのは中盤ら辺なのでそれまでは月と地球のギャップを感じながなら気長にお待ちください!

コメント機能ってこれあるんですかね?あるか見てなかった、、、。

アドバイスとか貰えると嬉しいです!めちゃくちゃ助かります。それではではー!

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