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"女神の試練"に敗れたあなたに、王になる資格はありません

作者: もちまる


 セレナリア王国。この国はかつて、草木が育ちにくく、少ない食べ物を奪い合う争いが絶えない国だった。


 それが変わったのは今から約600年前。1人の王子の人々を助けたいという切なる願いに心を打たれた女神セレナーデは、この王子に加護を与えることにした。

 しかし、過ぎたる力は身を滅ぼしてしまう。


 この王子は本当に自分の加護を与えるのに相応しいのか?

 いずれ国を統治する者として相応しい者なのだろうか?


 それを確かめるために王子に試練を与えることにした。それが後に"女神の試練"と呼ばれる試練である。


「王子、そなたに試練を与えます。2人の女性から生涯の伴侶を選びなさい。2人のうち1人は国に繁栄をもたらす良き王妃となるでしょう。もう1人は罪を犯したにもかかわらず裁きを逃れています。その者の罪を暴き、どのような罰を与えるのか判断しなさい。伴侶を選び、罪を犯した者への罰を決めたら結婚式を挙げなさい。式でそなたの答えを聞き、正しい選択、正しい判断ができていた場合そなたに私の加護を与え、伴侶には聖獣を与えましょう」


 神託を受けた王子は、女神から教えられた名前の女性を調べ、3ヶ月後に選んだ伴侶との結婚式を挙げた。


「女神セレナーデ様、罪を犯していたのはメアリー嬢です。彼女は1年程前に捕えられていた窃盗犯の共犯であったことがわかりました。他の窃盗犯と同様の労働3年の刑が相応しいと判断いたしました。そして、私はこちらのミスリル・ランカスター公爵令嬢を伴侶に選びます」

「女神セレナーデ様、ラウル王子を支え、民が豊かに暮らせるよう心血を注ぎ、生涯国に尽くすことを誓います」


 神父から促され2人が口付けを交わした瞬間、王子の身体が光に包まれた。


 聖堂に集まっていた招待客が眩しさに目を瞑り、しばらく経って目を開けると、そこには加護の影響で黒髪を輝く金色に染めたラウル王子の姿と、美しい銀色の毛並みを持つ狼に寄り添われたミスリル公爵令嬢改めミスリル王子妃の姿があった。


 王子が受けた加護は"愛"と"繁栄"。

 加護の力で国は草木が生い茂り作物が実る国へ、そして聖獣のおかげで自然災害が起こらない国に変貌を遂げた。加護を与えてくれた女神にちなんで国の名を現在の"セレナリア王国"に変え、その後も代が変わる度に試練を乗り越えて、セレナリア王国は今や大陸一の繁栄を極める国になったのである。


※※※


 時は変わって現代、16歳を迎えたフィリップ第一王子に神託があり、"女神の試練"を受けることになった。


 神託に挙がった女性の1人目はオリヴィア・ランカスター公爵令嬢。

 ふわふわとたなびく金色の髪に深い緑の瞳を持ち、年齢はフィリップ王子と同じ16歳。


 2人目はオーロラ・リッチモンド伯爵令嬢。

 サラサラとしたミルクティー色の髪にアンバー色の瞳を持ち、年齢は15歳。


 神託を受けたフィリップ王子はすぐに2人の調査を始めた。しかし、2人の周囲の人間にどれだけ話を聞いても罪らしい罪が見つからない。2ヶ月、3ヶ月調査を続けても上がってくる報告はというと「どちらにも罪らしき罪は見つかりません」というものばかり。


 調査開始からいよいよ4ヶ月が経つというのに、2人の令嬢からは一向に罰すべき罪が見つからなかった。


「どういうことなんだ……間違いなく罪を犯しているはずなのに。調べ方が甘いのか?調査範囲をもっと広げて……」


 王子が頭を悩ませているその時、ドンドンドン!!と力強く扉を叩く音がした。


「殿下!ランカスター公爵令嬢がいらっしゃいました!お部屋にお通ししてもよろしいですか?」

「オリヴィアが?!よい、通せ」

「フィリップ殿下失礼致します。早くお会いしたくて予定より早く着いてしまいました。お邪魔ではありませんでしたか?」

「気にするな。私もオリヴィアに早く会いたかったからな!」

「殿下……早く殿下と結婚したいですわ。まだリッチモンド伯爵令嬢の罪はわかりませんの?」

「私もだオリヴィア。そうなんだ、こんなに調べさせているのにまだ見つからない……全くどうなっているんだ」


 フィリップ王子とランカスター公爵令嬢は小さい頃から交流があり、いつしかお互いに恋心を抱くようになっていた。もちろん2人も"女神の試練"については重々承知していたため想いは心に秘めていたのだが、この度の神託でランカスター公爵令嬢の名が挙げられていたことでフィリップ王子から想いを告げ、見事両想いであることが明らかになったのである。


 それでも念の為、フィリップ王子はランカスター公爵令嬢のことも調べさせていたが、調査から3ヶ月が経った頃、その調査を終了させた。


「オリヴィアの潔白はこれで証明されたようなものだろう。元々オリヴィアのことはよく知っている。清廉潔白、品行方正なオリヴィアが罪を犯すはずがない。これからはリッチモンド伯爵令嬢に絞って調査を進める」


 それから1ヶ月経つ今も、リッチモンド伯爵令嬢の罪を暴くことができていなかった。


 自分の中で既に伴侶をランカスター公爵令嬢に決めていたフィリップ王子は、何としてもリッチモンド伯爵令嬢の罪を暴こうと調査範囲を広げることにした。


 それから1ヶ月、調査開始から5ヶ月が経つ頃、リッチモンド伯爵領の2つ隣の子爵領の領民から気になる証言があった。


※※※


「でかしたぞ!その領民が目撃したことが事実であれば、リッチモンド伯爵令嬢はとんでもない罪を犯していたことになる!」


 報告を受けたフィリップ王子は歓喜の声を上げた。


「エリック、その領民が目撃したのは5年前のちょうど今頃で間違いないんだな⁈」

「はい、殿下。ちょうど王妃様の聖獣"ローラ"様がお怪我をして御帰城された頃でございます」


 側近のエリック・ランカスター公爵令息が続ける。


「その領民は、白っぽい猫に向かって石を投げるミルクティー色の髪をした少女を目撃したそうです。声を掛けたところ一目散に逃げ出し、傷の手当てをするために保護しようとした猫も、少女を追うか迷っているうちに消えてしまったと……」


 今から5年前、現王妃の聖獣"ローラ"が脚に怪我をして帰城してきたことがあった。見ようによっては白くも見える銀色の毛並みを持つ猫の聖獣ローラは、聖獣が国にいれば常に王妃と共にいる必要もないことから、時折城から抜け出すことがあった。


怪我を負って帰ってきたローラに城は騒然としたが、ローラ本人はけろっとしていた。さらに王妃からの、


「聖獣を傷つける者などいるはずがないのだから、街の猫と戯れていて怪我でもしてしまったのかもしれないわね。大した怪我ではなさそうだし、ローラも気にしていないみたいだから多分大丈夫よ」


 という言葉もあり、聖獣ゆえかローラの傷もその日のうちに治ったこともあって、当時それ以上の騒ぎにはならなかったのだが……。


「兄上、失礼致します」

「ああノアか!ちょうどよかった。今"女神の試練"の目処がたったところだ」


 フィリップ王子の部屋に入ってきたのはノア第二王子だった。


「兄上、そのことで参りました。内容はジョナサンから聞きましたが、まさかこの目撃された少女がリッチモンド伯爵令嬢だなんてこと、兄上はおっしゃいませんよね?」

「よくわかっているじゃないか!そう、その少女がリッチモンド伯爵令嬢に違いない!目撃されたのはミルクティー色の髪を持つ少女、場所はリッチモンド伯爵領の2つ隣の領地、お忍びで訪れていてもおかしくない!」

「それだけで断定できません。ミルクティー色の髪の少女など、平民の中にも多くいます。それに、本当にローラ様だったのですか?証言では白っぽい猫と言っていたんですよね?」

「くどい!5年前のローラ様の怪我と時期が重なるし、ミルクティー色の髪の少女ときたらもう間違いない!これまで探し続けても罪らしい罪は見つからなかった!これで決まりだ!」


 まずい……何とか思い直してもらわなければ、とノア王子が説得を試みるが。


「冷静になってください兄上!全て兄上の憶測に過ぎません!それに最近ではリッチモンド伯爵令嬢を罪人と決めつけて、ランカスター公爵令嬢の調査はされていませんよね?代わりに私が調査を続けておりましたところ、ランカスター公爵令嬢は使用人を……」

「ノア!使用人を虐げていたとかいう話なら罪でも何でもない!躾をしていただけだとオリヴィアから聞いている!使用人に躾をするのは当たり前のことだ!」

「限度があります!兄上!どうかもっと慎重に……」


 その後どんなにノア王子が説得を続けてもフィリップ王子は聞く耳を持たなかった。


「ジョナサン、兄上の側近である君がわざわざ私に知らせてくれたというのにすまない。兄上は早い段階から伴侶と罪人を自分の中で決めてしまっていたんだろう」

「殿下……」

「兄上をこれ以上説得することができないとなると、これから私がするべきことは……」


※※※


 "女神の試練"開始から約半年が経つこの日、フィリップ第一王子とオリヴィア・ランカスター公爵令嬢の結婚式が行われていた。


 会場にリッチモンド伯爵令嬢の姿はない。伴侶に選ばれず罪人と推察された令嬢は、結婚式が滞りなく終了した後に、王子の判断に則った罰を受ける。


「ないとは思いますが、王子が罪人を間違え、無実の者を罰してしまったり、罪に対して間違えた罰を与えたりということがないように……」


 という女神の配慮のためであり、それまでは罰を与えず丁重に扱わなければならない。


 そのため、結婚式が行われている現在、リッチモンド伯爵令嬢は王城の一室で監視のもと過ごしているはずであるのだが……。


「……以上がリッチモンド伯爵令嬢の罪でございます!聖獣ローラ様を傷つけた罪は重く、処刑が妥当だと判断しました!そして、私の伴侶にはこちらの美しく聡明で慈悲深いオリヴィア・ランカスター公爵令嬢を選びます!」

「女神セレナーデ様!必ずやご期待に応え、ゆくゆくはこの国をさらに繁栄させる立派な王妃になります!」


 神父から促され2人が口付けを交わした瞬間、王子の身体が光に……包まれることはなかった。


「……あれ?おかしいな、口付けが足りていなかったのか?」


 しかし何度口付けをしても状況は変わらない。

 フィリップ王子の身体は光らず、髪も黒のまま、ランカスター公爵令嬢の側に新たな聖獣が現れることもない。


「やはりこうなったか」

「ち、父上……?やはりとは?まさか私が間違えたなんていうことは……」


 会場がざわめき出したその時?


「その通り、そなたは間違えたのだ」


 突然聖堂に響いた声と共に現れたのは、銀に輝く髪をたなびかせ、金の瞳を持ったこの世のものとは思えない程美しい女性……"女神セレナーデ"だった。


「め、女神様!女神セレナーデ様がご降臨された!」

「皆のものこうべを垂れるのだ!」


 大司教と国王の声に呆然としていた者達はみなひれ伏した。


「私がこの地に降り立つのはラウルに加護を与えて以来ですね」

「はい、女神セレナーデ様、あれ以来600年に渡り加護をお授けくださったこと、心より感謝申し上げます」


 降臨をすることなく加護を授け聖獣を与えることができる女神セレナーデは、ラウル王子に加護を与えて以降、その姿を見せることがなかった。


「その時々の者達が私の試練を乗り越えたからこそ授けた加護です。アレキサンダー、そなたも」

「ありがたきお言葉……」

「さて、なぜ私がわざわざ姿を見せたのか……わかりますね?初めての事態が起きてしまいました」


 女神セレナーデの言葉にみなが青ざめた。


「め、女神セレナーデ様!私はフィリップと申します!将来この国の王となる者です!」

「よさぬかフィリップ!」

「アレキサンダー、かまいません。私に言いたいことがあるようですね?」

「は、はい!恐れながら申し上げます!なぜ私がご加護をいただけなかったのでしょうか?何かの間違いでは?」


 それを聞いた女神セレナーデは少し驚いた顔をしながら応えた。


「私が間違えたというのですか?ふふふ、間違えたのはフィリップ、そなたですよ」

「な、何を、私は何を間違えたというのですか?!」

「それを私が答えてしまうと……そうですね、ノア、そなたなら答えがわかりますね?」

「はい、女神セレナーデ様」


 名指しされたノア王子が応えた。


「私も、せっかく600年も加護を授け続けた国に加護がなくなることはできれば避けたい……先人達の努力が1人の誤ちで無に帰すことはあってはならないと考えています。そこでノア、そなたに最後の機会を与えましょう。ノア、そなたがフィリップの代わりに試練を乗り越えれば……わかりますね?」

「女神セレナーデ様のご温情に深く深く感謝いたします」

「なっお待ちください!最後の機会なら私フィリップにお与えいただきたい!」

「そ、そうですわ!女神セレナーデ様!どうかフィリップ殿下に!きっとリッチモンド伯爵令嬢の罰が重すぎたのでしょう!罰を国外追放にすれば……」

「フィリップ!オリヴィア!黙れ!衛兵!2人を静かにさせておけ!」


 国王の命令を受けた衛兵により、フィリップ王子とランカスター公爵令嬢は口を塞がれ身動きができない状態になった。


「女神セレナーデ様、御前失礼致します。可及的速やかに準備を終わらせて参ります」


 頷く女神セレナーデの姿を確認し、足早にノア王子はその場を後にした。


「さて、アレキサンダー、そなたもわかっているようですね?」

「はい、しかし女神様の試練に関する口出しは禁じられておりますゆえ」

「ええ、この試練は誠に私の加護を授けるに相応しい者なのかを見極めるための試練……ノアはどうでしょうね?」

「ご期待に添えるはずでございます」


 それから15分もかからない内に入堂を告げる声が聖堂に響いた。


「ノア第二王子、オーロラ・リッチモンド伯爵令嬢、ご入堂!」


「ふふふ、随分と用意が良いこと。せっかくの式です。みな面を上げなさい。新郎新婦を温かく迎えましょう」


 女神セレナーデの言葉を受け顔を上げた参列者が目にしたのは、先刻聖堂を出て行ったノア王子、そして王城にいるはずのリッチモンド伯爵令嬢が美しい純白のドレスで着飾った姿だった。


※※※


 時は1ヶ月前に遡る。


 度重なる説得に応じないフィリップ王子に見切りをつけたノア王子は、リッチモンド伯爵家を訪れた。


「……ということなのです。リッチモンド伯爵令嬢、私はあなたこそこの国に繁栄をもたらす未来の王妃であると考えています。私の調査の結果、聖獣ローラ様が怪我を負い、ミルクティー色の髪の少女が白い猫を虐げていた姿が目撃されていた同時期、あなたは隣国に嫁がれた姉君の元を訪れていてこの国にはいなかった。それを伝えても"そういうアリバイがあるところが益々怪しい!口裏を合わせているに違いない!"と聞く耳を持たないのです」

「まぁ……しっかりと調査していただければ明らかになることですのに」

「はい……兄上はランカスター公爵令嬢に昔から恋をしていました。恋は盲目といいますが、まさしく今の兄上の状態がそれでしょう。来月にはランカスター公爵令嬢と結婚式を挙げます」

「そうなのですね……それでノア王子が私をわざわざお訪ねになったのはそのことを伝えるためだけではありませんね?」

「さすがリッチモンド伯爵令嬢ですね。単刀直入に申し上げます。リッチモンド伯爵令嬢、どうか私と結婚し、未来の王妃となっていただきたい」

「ノア王子、私は……」


※※※


 急遽始まったノア王子とリッチモンド伯爵令嬢の結婚式は、そうと感じさせない程順調に進んだ。そして、いよいよ"女神の試練"への答えを出す時が来た。


「女神セレナーデ様に申し上げます。罪を犯したのはオリヴィア・ランカスター公爵令嬢です。彼女は躾の名の下に使用人達を痛めつけておりました。過ぎたる躾は罪になります。与える罰は鞭打ち10回の上労働刑5年、公爵家を2段階降爵にすべきと判断いたしました。そして、私はこちらのオーロラ・リッチモンド伯爵令嬢を伴侶に選びます」

「女神セレナーデ様、ノア王子を支え、民がさらに豊かになるよう、誠心誠意、尽力いたします」

「そう、それが答えなのですね。では口付けを」


微笑む女神セレナーデに促され2人が口付けを交わすと……。


※※※


「オーロラ!よく頑張ってくれた!」

「殿下……ありがとうございます」


 あれから1年経った。結婚式を挙げて間もなく妊娠したオーロラ王太子妃はこの日第一子となる王子を出産した。


 王家の黒髪を持ち、オーロラ王太子妃のアンバーの瞳を持つ王子は"アーロ"と名付けられた。


「レオ、アーロよ。これから仲良くしてね」


 まかせろとでも言うように鼻を鳴らしたのは銀色の毛並みを持つ虎の聖獣"レオ"。あの日女神セレナーデからオーロラ王太子妃に授けられた聖獣だ。


 見事"女神の試練"を乗り越え加護を授かったノア王子は、その後正式に国王から王太子に任命され、婚姻したオーロラ王子妃もオーロラ王太子妃になっていた。


 フィリップ第一王子は臣下に降る王子としては異例の伯爵位を授かり、オリヴィアの刑が終わるのを待つことに。


 冷静になって改めて確認したオリヴィア・ランカスター伯爵令嬢の"躾"の内容に、百年の恋も冷めたフィリップ王子の願いも虚しく、


「ここまで愛し合っているのです。添い遂げさせてあげるべきでしょう」


 という女神セレナーデの言葉の通り離縁は許されなかった。刑を終えたランカスター伯爵令嬢を迎えるまであと4年。はたして2人のその後は……。


「殿下、あの時殿下の手を取って本当によかったです。殿下の予想通り、本当に女神セレナーデ様から最後の機会をお与えいただけるとは」

「その可能性は高いと考えていたが、全ては女神セレナーデ様の御心次第だった。私を信じ、聖堂のすぐ側で待機してくれていたオーロラ、君にも感謝しているよ」

「もったいないお言葉……殿下の御英断と陛下のお許しがなければあの場は成立しませんでした。それにしても挙式のドレスの準備までされていたとは驚きましたわ」

「聡明な君ならそれもお見通しかと思ったんだけどね」


 微笑み合う2人……その時。


「王太子様!王太子妃様!窓の外をご覧ください!」


 メイドの声で窓の外に目を向けた2人の目に飛び込んできたのは、まるでアーロ王子の誕生を祝福するかのように空から色とりどりの花弁が舞う幻想的な光景だった。

至らない部分が多々あったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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[気になる点] 最後の表現が殿下が女神に最後の機会を与えたって表現になってますよ〜。
[気になる点] 600年(各世代の平均が二十年毎と考えれば大体三十回)も、都合よく「罪を隠してバレてない貴族令嬢」がいるって、それ「600年も加護与えてた国」って惜しむ必要あるかなぁ? と。 人間だ…
[一言] 600年間ずーっと王子と同世代に犯罪者の貴族女性が都合よく現れるのが女神の御意志って感じで怖い! 試練については周知されてるのに、それが教訓にも犯罪抑止にもなってないド底辺民度! 神託からの…
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