クロムウェル巡航戦車
帰路でこの世界についての概要をフレミング中尉以下戦車部隊の面々に説明した。
「にわかには信じられないですが、我々は元の世界では死んだのでしょうか?」
フレミング中尉は困惑しつつも質問する。
「それは俺にも分からん。戦後アル中になって死んでこっちに来たやつもいる。一応言っておくが連合軍は勝ったぞ。」
「我々が進軍していた時、パリ目前でしたからね。東部からはソ連が進行していましたし勝利は目前でした。」
フレミング中尉はそう話した。
「相手が元はドイツの武装親衛隊がベースの組織となるとアハトアハトが脅威ですね……。」
「今回は歩兵支援用の自走突撃砲しか出てこなかったが、そのうちティーガーやパンターも生産ラインに乗るだろうな。」
チャーチル中佐はしかめっ面でそう語った。
「我々がせめてM4シャーマンをお持ち出来れば良かったのですが。」
フレミング中尉が申し訳なさそうにいう。
「いや、こちらに戦車製造ノウハウが全くない中、戦車を持ち込んでくれただけ有難い。アハトアハトが脅威ならこちらもパクってきたアハトアハトを使えばよいのだ。実は砲だけならアハトアハトのコピー品の試作品が出来上がっている。それらとこのクロムウェル巡航戦車を1両開発用に解体する。分析して生産ラインに載せればティーガー相手に少しは勝負になる駆逐戦車が出来るだろう。」
「兎に角、王都に急ごうあそこを出城として要塞化している。」
ここから西に進むとあるフェード王国の首都である。 フェード王国は東は平原王都から西は山岳地帯となっており南には軍港北には森林地帯その先にエルフの治める多民族評議会と呼ばれる小国家郡がある。既に森にはアーリア兵の斥候がウロウロしており危険な状態となっている。
「既にこの状況は王都に連絡がいっている西のルガルクに首都機能は移しているところだろう。」
王都グラート
「自体は急を要しております。アールネ少佐からの報告だと、フォレスト川は敵軍に占領された模様です。ロマノフスキー魔法師団長が殿を担ってくださりアーリア軍の兵力はかなり削れました。」
宰相を務めるバーバラ公爵がそういった。
「オーギュストの爺やは無事なのか?」
フェード王国の国王アダムスカ・スミノフは心配そうに尋ねた。
「重症ですが、転移してきた私の母国の戦車部隊にたすけられたようです。」
バーバラ公爵はそう言った。
「そうか、今こそ国家国民の危機ということだ。封印されてきた武器をつかう。」
「しかし、国民、国家の為以外で触れれば触れた者を死に至らしめる呪いが掛かっております。危険では?私が封印を解きましょう。」
バーバラ公爵はそう言った。
「いや、俺がやる。過去に戦争に利用しようとして王家の血筋が何度か途切れているのも知ってるが、今こそ使う時だろう。」
王城の地下に封印されている武器があった。この武器は女子供さえ兵隊にしてしまう恐ろしい武器としてフェード王国初代軍務尚書によって製造方と武器本体は封印されていた。
その武器は黄色い液体の中に封印されていた。
海軍大臣となった山本五十六と陸軍大臣山下奉文、宰相バーバラ公爵、軍務尚書マクスウェルが同席していた。
「これは小銃のように見えますな山下さん。」
山本は山下にそういった。
「そうですな、陛下これが封印されていた武器なのですか。」
山下は尋ねた。
「そうだ、俺もよくわからんが危険な代物らしい、取り出すぞ。」
スミノフは腕まくりをして液体に手を突っ込んだ。液体はベタついていて油のようだった。
「国家国民両方の危機なんだ頼むぞ…。」
そう言って武器を持ち上げた。
スミノフは生きていた。それと同時に製造方法を記した紙が数枚壁から飛んできた。
そして音声が流れた。
「これを手に取った現王、またはこの国の長に告ぐ。この武器は私のいた世界で最も人を殺した武器である。多くの子供達を兵士にしてしまった忌むべき物である。生きてこの声を聴いているということは私欲の為に使うのでは無いことは分かっている。諸外国に製造法が流出しないように厳重な機密管理を徹底して頂きたい。願わくばこの危機を乗り越えられることを切に願う。フェード王国軍務尚書、ミハエル▪️カラシニコフ。」
王の手に握られた武器にはAK-47Fと刻印されていた。
読んで頂きありがとうございます。大分間が空いてしまいましたが、またポツポツと投稿していきたいと思います。




