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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

羅生門 続き(妄想)

作者: 鳥の骨

 これ実は、私の夏休みの宿題です。


 私、物語を作るのは好きなのですが残念なことに、文章力がゴミ以下なのです。


 なのでここに投稿して、あわよくば皆様にアドバイス貰おうという、何とも浅ましい考えを持った馬鹿な作者をお許しください。


 そしてアドバイス下さい。(土下座)

 闇に包まれた羅生門、そこには一人の娘と老婆がいた。老婆を支える娘の手は微かに震えている。

 老婆は弱々しく口を開く。


「お前の鬘はできたよ。だがしかし、…すまなかった。私はもう」


「そんなものは良いのです。それよりも」


 老婆は口を挟む。


「もうすぐ私は事切れてしまうだろう。何もかもあの男のせいで…。どうか、どうか頰に大きな()()()を持つあの男を殺しておくれ。私の可愛い、孫娘よ。」



 荒廃した京の町の中、1日1日を必死で生きる一人の男がいた。

頰に大きな傷を持つ、最近盗人になったばかりの下っ端である。

 下人は盗人生活三日目に、戦利品の盗品を他の同業者に奪われかけ、乱闘になった。相手に首を刎ねられそうだったところを(すんで)の所で回避し、代わりに頰に大きな切り傷ができたのだ。


 だから下人の特徴とも言えるにきびは、綺麗さっぱり消えてしまっていた。


 ある日下人がめぼしいものは無いかと街を歩いていると、ある娘と出会った。美しい顔には不釣り合いな、痛んだボロボロの髪を持つ娘である。

 男に絡まれ、困った顔で小動物のようにキョロキョロと首を回して助けを求めていた。

その美しさに心奪われた下人は、すぐさま娘を助けた。下人は優しい声で


「お嬢さん、大丈夫ですか」


と娘に声をかける。

下人は、下心はありつつも、自分の中にはまだ善意が残っていたのだと、こんな声を出せるのだということに少し心の中で驚いていた。

娘は小鳥のさえずるような可愛らしい声で


「ありがとうございます」


と、下人に感謝した。

太陽のような、それでいて何処か影がある笑顔を見せる娘に、下人は不思議と心惹かれた。

娘は人探しをしていたらしい。この広い街中で特定の人を探すのは至難の技だ。

だが下人は鼻の下を伸ばし、自分も手伝おう、と言った。

娘は頰に大きなにきびがある男を探しているようだった。町にはそんな輩はたくさんいる。探し出すのは無謀と言ってもいい。

だが下人は手伝った。

しかし案の定、探し人は見つからず、ただただ時間が過ぎていくだけだった。

この時、娘も下人に少しだが惹かれつつあった。


 あるとき、下人は娘を見ていると、ふと娘と目が合う。そして二人とも顔を赤くして顔を背ける。

 あるときは互いの名を呼び合って笑い合ったり。

そんな甘い時間を過ごしていくうちに、二人の心にはいつしか恋愛感情が生まれていた。


そしてとうとう、


「私は盗人という下賤な身であるが、お前が良いというのなら、私と契りを交わしてはくれないだろうか」


 下人と娘は愛し合い、求め合うようになった。


 なってしまったのだ。


 互いの正体も、知らずに。


 娘と過ごすうちに、やがて下人は悩むようになる。娘の優しさに当てられ、自分の行いを振り返るようになった。


 あの老婆の言ったことは正しかったのか。

あの老婆にした行いは本当に許されてよかったのか。

考えるたびに下人は悩み苦しんだ。

 だがしかし、それはとうに過ぎたこと。もうどうしようも無いことなのだ。


   一度の過ちは、修正が効かない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 長い月日が立ち、娘は下人に問うた。


「あなたはどうして、盗みをする様になったのですか」


下人は少し言い淀んで、答える。


「私の心を動かした老婆がいたのだ。」


その一言で娘の心臓がドクンと跳ねた。

娘は考える。


(この人は頰に傷がある。にきびの跡なんてなかった。きっと違う。そうに決まっている。こんなにも優しいのに。でも、もしも。この人なのだとしたら。)


「その老婆は死人の髪を抜いていてな。」


娘が自分の髪を触る。


「何をしているのか。と、私が問い詰めたら奴はこう言ったのだ。『生きるために仕方がなくする悪事は、許される。』と」


 考えないようにしようとしても、無意識に耳がその話を聞き、頭の中では勝手に思考が巡り、仮定がどんどん確信に変わってゆく。

下人が話し終わった頃には娘は顔を覆って俯いていた。


「すまなかったな。お前には刺激が強過ぎたかも知れぬ。」


娘の肩をさすり慰める下人。

 だが娘の顔はしおらしい泣き顔ではなく、激しい憎悪を持った怒りの顔へと変わっていた。




 翌日。すっかり日が暮れて、あの日のような黒洞洞たる闇を纏う夜。小刀を隠し持ち、娘は掌に煙管(キセル)を燻らせ、布団に潜り下人を待った。

下人が帰ってくる。


「どうしたんだ。お前が煙草を吸うだなんて。何かあっ…」


下人は息を呑んで、思わず口を閉ざす。

娘が自分に覆い被さってきたからだ。驚いて目をパチパチとさせる下人に対し、娘は隠していた小刀をサッと振り上げた。

勢い良く振り下ろされた小刀を、下人は咄嗟に避ける。

下人は低い声で言う。


「何をする」


すると娘は憎しみの籠った声で話す。


「これは復讐なのです。」


娘は下人に明かした。自分があの老婆の娘であることを。仇である自分をずっと探していたことを。

肉親の死の原因を作った自分が憎いということを。

殺したいということも。


「あなたのせいです。あなたがあんな事をしたせいでであの人は、体を壊して死んでしまった!」


 下人は驚くと同時に、娘の髪に目を見やる。

 不自然なほどに傷んだ髪。まさか、その髪は、鬘は。

 下人はかつての、鬼の様な形相をした老婆を思い出す。

私は、殺されるのか。


いやだ。


死にたくない、死にたくない、死にたくない!


 下人は殺される恐怖に駆られ、抵抗し、もう一度小刀を振り下ろそうとする娘の腕を掴み、動きを止め、押し倒した。

 そのまま聖柄の刀に手を伸ばし、娘の無防備な首元に目を移す。下人の頭の中は、この恐怖から逃れたい思いでいっぱいだった。

殺さなければ、殺される。下人の感情は昂り、そのまま刀を抜いて娘の喉元をかっ切ろうとした。その瞬間


「どうしてあなたなのですか!どうしてっ…!」


 哀願するような、娘のその言葉に下人は手を止めた。恐る恐る娘の顔を見る。

 娘の目は、涙目になりながらも下人を鋭く睨んでいた。まるであの時の老婆のように。下人の感情は揺らぐ。

 殺すべきだろうか。

きっと、今ここで殺さなければ娘は自分を殺すため、またやって来るだろう。

下人はそう考えると、もう一度刀を強く握りしめて構え直す。

そうだ。殺せばいい。

だが、この感情は何だ?どうして今更、罪悪感などが押し寄せてくる。


どうして、こんなに悲しいんだ。


(私は、生きるためにこの道を選んだはずだろう?)


生きるためならなんでもする。そう決めたはずだ。この娘は殺すしかないんだ。でも。


その時下人は老婆とのことを思い出す。

あの時の行いは本当に正しかったのか。

自分はそれを考えるたび、何度も悩み苦しんだ。しかし、その苦しみの意味はずっとわからなかった。

だが、今ならわかる。


 これは、後悔なのだと。


 一度の過ちは、修正が効かない。だから。


それをきっかけに下人は冷静さを取り戻し、聖柄の刀を下ろすと、娘を離す。

そしてゆっくりと仰向けに倒れて、頰の傷をぽりぽりと掻いた。

いきなり抵抗を止める下人に娘は驚いた。


「殺してくれ」


下人のその言葉に娘が狼狽える。


「どうして」


下人は包み込むような優しい声でこう言った。


「私にはお前を殺せない。」


下人の瞳はもう怯えてはいなかった。

それは、愛しいものを見つめる瞳であった。


「お前を、愛してしまったからな。」


娘が固まる。


「お前の手で死ねるのなら本望だ。」


「一思いにやってくれ。お前の気が晴れるなら。」


娘の刀を持つ手がカタカタと震えた。

一向に動かず、震えるばかりの娘に下人は不思議に思って


「どうしたのだ」


と、声をかける。

すると下人の頰に、大粒の雫が落ちてきた。


「何故、抵抗してくれないのですか。」


ポタポタと雨粒のように、雫は絶えず落ちてゆく。


 「何故、受け入れるのですか。」


娘は声を荒らげる。


「何故あなたは、そうやって、いつもいつも、お婆さまのように優しい声で、私を呼ぶのですか…!」


娘は泣き叫ぶ。


「憎しみを持ったままあなたを殺せたのなら、私はあなたを殺しても、まともでいられた!なのに、あなたは!あなたは!」


大声で捲し立てる娘に、下人は何も言わなかった。


娘は、小刀を手放す。


「私は…」


大きく上下に動く肩を落ち着かせるように、ゆっくりと息を吐いて、声を絞り出す。


「…どうして、あなたを愛してしまったのでしょうか」


下人は娘を見つめ、目に涙を浮かべながら抱き寄せた。


「すまなかった」


娘は震える声で


「遅いです」


と、小さく言う。


「もう私は、あなたを殺せません。私もあなたを愛しています。」


「そうか」


「ですが私は、今まであなたと共に過ごした月日が、復讐に駆られた時間が長すぎました。」


「そうだな」


「復讐がなくなれば、私はどうやってこれから生きれば良いのですか。何をして生きればいいのですか」


娘が下人の着物に掴み、縋って、静かに泣いた。

下人は、娘を壊物を扱うように、優しく撫でて言う。


「一緒に生きて、ここから足を洗わないか?」


「…へ?」


娘は目を丸くさせる。


「私はもう、お前の所為で盗みをすることに嫌気がさしてしまった。お前を見ていると、どうしても後ろめたくなってしまうんだ。」


下人は微笑む。


「盗人を止めれば、生きる術は極端に狭まるだろう。

私はお前に合うまでは一人だった。一人で生きる術を知らなかったから盗人になったんだ。

だが二人ならどうだ?私とお前、これからも支えあえるとは思わないか?」


娘は言う。


「これからもあなたと共に暮らせと?」


「そうだ。」


「あなたはお婆さまの仇なのに?」


「そうだ。」


娘はクスリ、と手を口に添えて笑う。



「…仕方のない人。分かりました。

 私もあなたと生きていくことにしましょう」


下人と娘は、もう絶対に互いを離すまいと、強く抱き合った。


 この廃れた京の町で、卑怯な真似をせずに生きることは、きっと困難を極め、最悪死ぬだろう。

 だが二人なら。どうなったって、君がいるなら大丈夫だ。たとえ二人で飢え死にになったとしても。一人じゃ無い。

 君がいるだけで明日生きる理由になる。

 君がいるだけで死ぬこともできる。

 二人の心はもう、固まっていた。


 二人は見つめ合い、互いの手を強く握ると、あばら家を飛び出した。

 黒洞洞たる闇の中、かけてゆく足音は、もう一人ではない。

 二人のクスクスという笑い声のする道の向こうには、もう二人の姿は見えなかった。

 過去を振り切り決心した二人に、踵を返すことはもう、必要も無いのだから。


二人の行方は、誰も知らない。


アドバイス下さい。


なんなら罵倒でもokです。




国語の単位落としたくないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!


(((宿題のルールに、なろうに投稿してアドバイス貰うのダメとか聞いてないから大丈夫!きっと!

でも先生と同級生には絶対にバレてほしくないっ!!!!)))

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