かくれんぼしよう
どうもこんにちは、こんばんは。えだまめです!
ホラー祭出させていただきました。あんまり書いたことないジャンルなので、結構ムズかったです。
楽しんで頂けたら幸いです。
「はぁ・・・」
私の名前は優華。
ごくごく普通の小学6年。
そして今は6月。
私の一番、嫌いな季節。
梅雨・・・!!!!!!
じめじめしてて暑いし雨降ってて気分駄々下がりだし、
良いとこ何もない。
今、友達来ているんだけど、おかげさまで深いため息ですよ。
「ねー、優華何する?」
答えようとしたその時だった。
ピーンポーン
チャイムが鳴った。
誰だろ。
「誰?」
「知らないけど郵便とかじゃない?それよりさ、ゲームしようよ。」
「うん。何するー?」
しばらくゲームをした。
ファイナル戦真っ最中の時だった。
扉が開き、
ママが入って来た。
「優華」
あわててゲームを止める
「何」
「この子達と遊んでくんない?」
お母さんの後ろにいたのは二人の少女だった。
一人は水色のワンピースの子。もう一人の子はピンクのワンピース。
そっくりだなあ。
双子かな?
「誰なの?」
「いとこよ」
「へー。」
こんな子いたっけ。
「私、買い物行って来るから。」
「えぇ!?友達来ているんだけど。」
みんなが気まずそうに頭を下げる。
「みんなで遊べば良いでしょ。」
「ちょ、お母さん!!」
困るなあ。もうお母さん行ってしまったし。
「何したい?」
親友の璃沙が聞いた。
「・・・かくれんぼ」
「かくれんぼ・・・?」
「私鬼やりたい。」
「え?別にいいけど・・・」
双子のうちの水色のワンピースの子が言った。
それより見つけられるのかな。
人数多いし。私達だけでも6人いるのに。合計7人。
・・・泣かれたら困るし、手加減するか。
「始めるね。いーち、にーい、さー・・・」
みんなそれぞれ行ってしまった。
あわてて近くのクローゼットに隠れる。
ここなら外の様子も見れるし良いとこ隠れられたかも。
あと50秒もあるし。
その時、光が差し込んできた_________じゃなくて、クローゼットのドアが開く。
入って来たのは璃沙だった。
「あ、ごめん。優華いたんだ。」
「一緒に隠れる?」
「いいの?」
「え、あ、うん。二人の方が楽しいし。私、右側に隠れるから。」
「OKー!私は左ね。」
二人で息を圧し殺しながら待つ。
「きゅうじゅうはーち、きゅうじゅうきゅーう、ひゃーく!!!」
穴からそっと覗く。
しかし、少女はちょうど視角の所に行ってしまった。
しばらくして少女が声をあげた。
「みぃつけた!!」
二人の少女が手をつないで来た。
しばらくして美桜が見つかった。
「美桜ちゃんみぃつけた!!」
そう言って少女はにっこりと笑った。
あれ?おかしいな。少女に美桜の名前教えたっけ?
「今から楽しい所に連れていってあげる。」
そして美桜は消えた_____いや、違う。食われたのだ。
口の回りに血がついていた。その血をぺろりとなめた。
少女達は歌を歌い始めた。
<どーこかな どーこかな どーこかな
かくれていないで でておいで>
凄く気味の悪い歌だ。
その歌を何度も何度も繰り返し歌う。
そして残りは私達だけになった。
みんな食われてしまった。
璃沙には見えているのだろうか。
少女達が近づいてくる。
少女が来ている水色のワンピースで目の前が水色に染まった。
もう、だめだ。
そう思ってぎゅっと目をつむる。
_________しかし、扉が開いたのは左だけだった。
「わあ~、璃沙ちゃんみぃつけた!!!!」
可愛いらしい声で言う。
この後、二度と璃沙の声を聞くこともなく、見ることなかった。
扉がしまった。
涙が出そうになったがぐっと堪える。
やっば!喉まで来たよ・・・‼
また穴を覗く 。
____・・・あ、あれ?い、ない????
「ばぁ!!!!!!」
「ぎゅやぁあああ!!!!!!」
目を開けると少女達がにこにこと笑いながら立っていた。
思わず腰を抜かす。
座ったままの私に少女が手を差し伸べる。
反射的に手を捕る。
あんな細い腕のどこにそんな力があったのだろうか。
軽々私の体を持ち上げる。そんな力に驚きながら辺りを見渡す。
やっぱりみんないない。
今さっき見つかったはずの璃沙も跡形もなく、消えている。
「ふふ、優華ちゃん隠れるの上手いね。」
そんな無邪気な笑顔も何故か怖く感じる。
「美味しいご馳走をくれた優華ちゃんにはプレゼントをあげましょう。
何でも10年後に1つ願いを叶えて差し上げましょう。ただし、もう一度死んだ人を生き返らせるのはダメだよ。」
「じゃあ、みんなに会いたい!!」
「それでいいの??」
「はい。」
~10年後~
家に帰ってふう、とため息をつく。
さっき、璃沙達のお墓参りに行ってきた所だ。
あの日の事は絶対に忘れない。
「ママぁ、お帰り!!」
今の生活は楽しい。
息子がいて夫がいる。息子はもう、五歳になった。一軒家をこの前買った。夫の仕事もはかどっているし、
新しいママ友もできた。
あの日の出来事がなければもっと楽しかっただろう。
たまに夢を見る。あの日の夢。その度に怖くなる。
「お帰り、優華。買い物いってくるよ。」
「え、いいよ。」
「疲れてるだろ?たまには俺も役にたちたいんだ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「いってくるよ。」
「行ってらっしゃい。」
「ママ、おしっこ」
「早くトイレ行きなさい。」
トイレに駆け込む息子を見て微笑む。
玄関を振り替える。
するとそこにはあの子達がいた。
「皆のとこに行きましょうか。」
「あら、変な子がいるわね。」
優華の家のお隣さんがいった。
そのお隣さんが目にしたのは水色とピンクのワンピースを着た二人の少女だった。
そしてその口の回りには真っ赤なドロリとしたものがついていた。その赤いものをペロリと舐めたとか。
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では~