表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/128

110. ヘリ部隊

 俺はシロとヤカンを連れて、皇居外苑(こうきょがいえん)付近(ふきん)様子見(ようすみ)()散歩(さんぽ)をしていた。


 機動隊(きどうたい)警備(けいび)している中を光学迷彩(こうがくめいさい)()けて(かわ)していく。


 そして、転移ポイントを作るべく皇居外苑に侵入(しんにゅう)。 地図にマークされていたポイントを回り、ソルジャーアントの巣への出入口確認も行なっていた。


 ところが、日が昇ると突然 ソルジャーアントが巣の中から地上へ()い出してきた。


 わらわらとその数が増えいき、300匹を超えた頃、先頭のソルジャーアントが南側の橋(祝田橋(いわいだばし))を目指して行動を開始した。


 それに対する機動隊は手前と奥に数台づつの護送用(ごそうよう)バスを並べ応戦(おうせん)する(かま)えだ。


 しかし、ライフルや拳銃(けんじゅう)銃弾(じゅうだん)をはね返し、横に広がりながら迫ってくるソルジャーアントに、前線に居た部隊は成す術(なすすべ)がない。


 ここは無理せず、バスで作ったバリケードを放棄(ほうき)。 


 後に下がり、第2のバリケードを(きず)いている後方部隊と共に攻防戦(こうぼうせん)を開始したのだが、全く歯が立たない。


 ……このままではマズい! そう思っている所に自衛隊員(じえいたいいん)を乗せたトラックが列をなし押し寄(おしよ)せて来て、部隊を編制(へんせい)していく。


 「ここは俺達に任せろ!」 と言わんばかりだ。





 バリケードに()めていた機動隊が徐々(じょじょ)に自衛隊に変わっていき。 橋の上の攻防も少し押し返す程になってきた。


 しかし、それでも何とか橋を死守(ししゅ)しているに過ぎないのだが。


 さて、これからどうするんだろう? 考えながら、スマホを取り出し慶子(けいこ)に連絡を入れ、みんなに準備(じゅんび)しておくようにと通達(つうたつ)していた。


 しかし、自衛隊の方も前回のラット戦で反省したのか、今回はトライポッドに()えた ”M2重機関銃(じゅうきかんじゅう)” 数機を素早(すばや)展開(てんかい)


 歩兵部隊(ほへいぶたい)には ”06式小銃てき弾” を装備(そうび)させている。


 それで、それで、 後はどうするんだ? 


 俺は少しワクワクしながら、この現場を見物していた。


 また、装甲車(そうこうしゃ)かな~? 戦車は時間が掛かるし、するとヘリ部隊かな~。


 と、西の丸大手門(にしのまるおおてもん)横の石垣(いしがき)腰掛(こしか)けて成り行きを見守っていた。


 すると、スマホがブルブル震えて着信を知らせてくる。 慶子である。


 急遽(きゅうきょ)皇居の森に(ひそ)み電話を受けた。


 「一応、準備は出来たわよ。どうしたらいい」 とのこと。 俺は一旦豊洲(とよす)へ戻ることにした。





 豊洲に戻った俺は、みんなを集めて、今見てきた事を話していく。


 準備はしてもらったが、今突入(とつにゅう)するとフレンドリーファイアの危険性(きけんせい)がある。


 よって、皇居外苑に戻り、もうしばらく様子(ようす)を見ることにした。


 「希望者(きぼうしゃ)偵察(ていさつ)に連れて行くぞ」 と言ったところ。 メアリー キロ 剛志(つよし)さん 吾郎(ごろう)さんの4人が同行することになった。


 そして残る者には、 「お茶でも飲んで待機(たいき)していて欲しい」 と、甘味などのお茶菓子を出しながらお願いした。


 さて、皇居に行くとしますかー。 と、急ぎ同行する4人を集めていると、


 そいつら(・・・・)は俺の目の前に突然(あらわ)れた!


 3人が(そろ)って手を出している。?! 俺が困惑(こんわく)していると、3人して 「「「んっ」」」 と、言って手を出したままだ。


 ……ああ、これか? まず、牛丼特盛(ぎゅうどんとくも)りが入った袋を出す。


 (うば)われた!  早い。


 ……じゃあ、次はこれか? 徳用(とくよう)アルファベットチョコレートを出す。


 奪われた!  しかし、「コレじゃない」 声には出していないが、不満顔(ふまんがお)だ。


 「()らないなら、返してくれ!」 と言うと、シュッ。一瞬(いっしゅん)で消えやがった。


 ……そして最後はこれだよな? チュールスティックを3本出した。


 奪われた!  そして、(てのひら)をすり合わせて(おが)んでいる。


 ……やれやれ。もう1本出してやると、ニコニコ顔で消えていった。


 何だったんだ? ……ま、いっか。





 俺はちょっぴり(つか)れたが、気を取り直して、4人を連れ再び皇居外苑に転移(てんい)していった。


 さっきの様に石垣(いしがき)腰掛(こしか)け、観戦(かんせん)を決めこむ。


 すると、メアリーがあの木に登りたいと巨大樹(きょだいじゅ)指差(ゆびさ)している。


 ハァ~、この子は。


 「登っても良いが、すぐ帰ってくるんだぞ。異変(いへん)を感じてもだ」 と言って送りだした。


 何でこう、高い所が好きなのかね~。 東京タワーに行ったら、外から上まで登りそうだよ。


 そうして、ソルジャーアントとの戦いを見守ること10分。


 ――――バァッバァッバァッバァッバァッバァッ


 と、東の空から複数(ふくすう)豆粒(まめつぶ)が近づいてくる。


 そちらに注目していると、その豆粒はあっという間に大きく形をなしていった。それは見事な編隊(へんたい)を組んで近づいてくる ”ヘリコプター部隊” であった。


 そして、陸上部隊(りくじょうぶたい)挨拶(あいさつ)でもするかのように、皇居外苑を低空(ていくう)にて1通過(つうか)していった。


 おおっ! ブラックホーク6機に偵察(ていさつ)ヘリが2機か。


 あ、いや 正式には ”UH-60JA多用途(たようと)ヘリコプター” である。


 ブラックホークとは違うのだが、細かい事はどーでもいい。 ヘリ部隊、かっちょえー(カッコイイ)のだ! 





 さっきまで、ブンブン飛んでいた新聞社などの白ヘリ共はもういない。


 作戦の邪魔(じゃま)になるからな。 偵察ヘリが東と南の空に展開(てんかい)して、どうやら作戦開始(さくせんかいし)のようである。


 まず、6機編隊のヘリが皇居外苑の空を一回り。


 そして、その内の3機が南から低空で侵入(しんにゅう)して来て、ソルジャーアント共を薙ぎ払(なぎはら)っていく。


 そして、北の空へと()けて行く。 すると、もう次の3機が南からゆっくり侵入して来ている。


 いわゆる波状攻撃(はじょうこうげき)だ。


 この(わず)か10分程の攻撃により、ソルジャーアント軍団は壊滅的(かいめつてき)打撃(だげき)を受け、巣穴(すあな)撤退(てったい)していった。







11.08 日曜日 

11.24 満月




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プチ プチ(。・・)σ|ω・`)ノ おっ押すな。押すな~!
小説家になろう 勝手にランキング
シロかわいい! と感じたら押してください。シロが喜びます。U•ɷ•)ฅ
挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ