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97. 剛志合流

 俺達はお台場(だいば)を出て、有明(ありあけ)方面に向け歩きだした。


 のぞみ橋を渡り 有明テニスの森の信号を左に折れる。 そのまま道なりに進み、200m程の橋を渡った。


 ここからが例の竪穴(たてあな)が発見されている豊洲(とよす)の現場となる。


 ここで俺は、(たよ)りになる従魔(じゅうま)たちを召喚(しょうかん)して偵察(ていさつ)のため()(はな)った。


 そして観光客を(よそお)いながら、豊洲のど真ん中の道を豊洲駅(とよすえき)の方に向かって縦断(じゅうだん)していった。


 んっ! テント? サーカス?  俺は左手に見える沢山(たくさん)のテントが気になり、近寄ってみた。


 そして、案内の看板(かんばん)やキロがスマホでググってくれたお陰で、ここがアウトドアやバーベキューが楽しめる施設(しせつ)であることが分かった。


 おおっ、ペットOKになっている。 これは良いな。 ご飯はみんなで楽しく食べたいからな。


 中で話を(うかが)うと、今の季節(きせつ)はそんなに混まないし、地震(じしん)や例の穴の影響(えいきょう)なども有り、最近ではガラガラなのだそうな。


 良かったら、割引するので是非(ぜひ)にと、熊のような風貌(ふうぼう)の店長はスゴイ(いきお)いだった。


 せっかくの申し入れなので、今日の夕食はバーベキューに決定した。 バーベキューコース3人と1匹で予約を取り、夕方に また。 と手を上げてその場をあとにした。





 料金(りょうきん)を支払う時に、追加(ついか)(あぶら)ののった(さば)や今が(しゅん)秋刀魚(さんま)などを頼むと、


 「それはもう、最高の物を用意しておきます」 


 ドンっと(こぶし)で胸を(たた)き、笑顔で見送られた。


 ……あ~。 ”中トロ” も頼むんだったー。 まあ、今度で良いか。 持ち帰りも有りだよな。


 よしよし♪ 俺達は豊洲駅まで出て、”ゆりかもめ” に乗り有明まで戻ってきた。ホテルでチェックインを済まし、タマとキロを連れ部屋へはいった。


 シロやヤカンからの連絡はまだ無いので、俺とキロはコーヒー、タマにはアイスカフェオレを作って出してやった。


 ベッドに腰掛(こしか)け、テレビを見ながらマタ~リ時間が流れる。 夕方近くになり、シロより念話(ねんわ)が届く。


 だいたい調べが着いたようだ。ヤカンにも問い合わせると、調べは終わっているということで、ホテルの室内に二匹を召喚(しょうかん)した。


 帰って来た二匹を盛大にモフってやり(ろう)をねぎらう。


 そして、それぞれの頭に手を乗せて、情報をリンクさせていく。


 ふんふん。 なるほど、結構なものだな。 う~む。やはり、覚醒(かくせい)と同時に展開(てんかい)させるようだな。


 穴の中に待機(たいき)させているラットの数は、俺が予想していた数字をはるかにオーバーする、1800匹近くに上っているようだ。





 「豊洲。竪穴(とてあな)中層域(ちゅうそういき)モンスター ”ラット” が(ひそ)んでいる事を確認」


 「その数、およそ1800匹。 明日、展開させる前に討伐(とうばつ)が出来るよう。各機関(かくきかん)協力(きょうりょく)を求む」


 一応、佳奈子(かなこ)と、坂井隊長(さかいたいちょう)にメールとっ! 


 さてさて。各機関が どう動いてくれますかね?  もしくは、全く動かない場合も考えられるのか……。


 それなら、せめて討伐する姿だけでも見学してくれれば、これからの事が少しは楽になるとは思うのだが。……と。


 また。いろいろ考えを(めぐ)らせていると、スマホが着信(ちゃくしん)を知らせてきた。


 んっ、だれ? と、ディスプレイを見ると、「本条剛志(ほんじょうつよし)」 と出ている。 おおっ、剛志さん!


 急いでスマホをタップし、通話に切り替えた。


 「お久しぶりです。お元気でしたか? ……はい。 そうじゃない? えええっ!」


 俺達がこちらに向かっていると知り、仕事している場合ではないと。急ぎ車で此方(こちら)駆け付(かけつ)けてくれたようだ。


 今、ようやくホテルのロビーに到着したそうだ。 出たのが11時だったらしいので、 おぉー、6時間かけてかー。 とにかく合流しなくては。





 時間は17時過ぎ、(あた)りはだいぶ暗くなっている。 剛志さんは本当に急いで来たのだろう。スーツ姿のままだ。


 どこで話をする? ホテルのロビー、喫茶店(きっさてん)、……少し早いが、テント村? に行くことにした。


 あれっ、何て名前だったか?  ほにゃららマジックとか、そんな感じ。


 ……まぁー、そのまま行けよ、行けばわかるさ! ダァー! 


 失礼しました。 タマに猫パンチで闘魂注入(とうこんちゅうにゅう)されてしまった。 口には出して無いのに、 なぜに? 


 俺達は、剛志さんが乗って来た会社のライトエース乗り込むと、豊洲に有る ほにゃららマジックに向け出発した。 着いた! 


 だって近くだから。 車を駐車スペースに止め、牧場(ぼくじょう)の入口のような門を(くぐ)る。


 もちろん、シロもリードを付けて連れている。 ああっ、はいはい。「ワ○ルド・マジック」 だったね~。 覚えとこっ。


 受付で、一人増える事を申告(しんこく)追加(ついか)料金を払う。


 すると、案内のお姉さんが一人づつリストバンドを渡していく。


 今日は少ないから、分かるのだが、なるべく帰りまで付けていて欲しいそうだ。


 そして、自分たちのテントまで案内された。





 日が(しず)んで暗くなる中、俺達は豊洲(とよす)の野外でバーベキューを楽しんでいた。


 いいな! これ。 何もしなくていい。(かまど)(まき)集めも、重たい木の(おけ)での水汲(みずく)みも、トカゲの解体(かいたい)も何もない。


 そして、後片付けですらしなくていいのだ。 んっ、肉とか焼いてる? そんなものは、焼き肉店でもやるだろうが。


 まあ、これはアウトドアだな。 でも、これはこれで良いものだ。実際(じっさい)(うま)いし、シロも(よろこ)んでいるしな。


 ある程度(ていど)飲み食いしたところで、じっくりと腰を落ち着ける。 剛志さんに今回の事を (くわ)しく話していくのであった。







11.03 火曜日 

11.24満月 .02日ダンジョン




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挿絵(By みてみん)
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