部活を決めよう。
どこからこうなった?
全校生徒からの目が痛い……。
理由として、僕は今イケメンでモテモテなのであろう達也と、みなが羨む美少女、霧江さんと委員長というまさにトリプルフルコンボという状態。
その中に混じるモブの僕、辛い……。
というかなんで委員長までいるんだ!? 達也とかと仲良かったっけ!?
まあ、こんなことになったのは遡る事約十分前のあの時だ……。
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僕は学校での辛い授業の終わりを迎えた後だった。
いつも通りのホームルームをした後、いつも通り帰るつもりでいた。
きっかけはホームルームでの担任、三上先生の一言だった。
「お前ら、部活動の入部希望そろそろ締め切りだからちゃんと考えとけよ! うちの高校は強制じゃないけど面白いかもしれないぞ」
ということでその後、部活見学に行こうと霧江さんに誘われてなんやかんやあって達也と委員長も参戦した。
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ここまでが今の僕の状態に至るまでのざっとした経緯なのだが……正直胃が痛い……。
学校でも指折りの美少女に入るだろう二人と部活見学をするモブこと僕。
男子からの目線が特に痛い。
「なんであんな可愛い子と二人で……」 「俺だって同じクラスだったらなあ」
そんな気持ちが痛いほど伝わってきます……。
「ちょっと、烏間君顔色悪いけど大丈夫?」
僕の海のように青いブルーな気持ちが顔に出ていたのか、霧江さんに心配されてしまった。
まさか霧江さんに『あなたたちのせいですよ?』なんて言えない。
「大丈夫、大丈夫、気にしないで」
「そう、ならいいんだけど……」
「うん、何の部活を見に向かってるの?」
「まず、運動部系から行こうかなって」
運動部か楽しみだな。特に女子からは目が離せないかもしれないな……。
達也も同じ事を考えているようで、目が合うとお互いにニッコリ微笑んだ。
委員長から視線を感じ、汚物もとい僕と達也を見るような目は何とも辛かった……。
「じゃあまず体育館でやる運動部ね」
委員長の提案で僕たちは体育館に向かう。
体育館では、バトミントン、卓球、バスケ、チアガールが活動している。
まずバトミントンを見学した。
しかし特に興味が出ない、他のみんなも同じようで少ししたら別のところに行く。
卓球、バスケと続けて見学したがバトミントン同様特に興味が出ることはなかった。
少し離れたところで一際目立つ部活動があり、僕らは目を奪われる。チア部だ。
完璧とも言える息の合ったダンス、綺麗に統率されたぽんぽん。
その見事なダンスに僕らは圧倒され、体の自由が奪われたかのように目がくぎ付けになった。
ダンスが終わるまでじっと見ていた事に気がついたのか、チア部の女子が一人こちらに歩いてきた。
「こんにちわ! 私はチア部の部長をしているのだけど……。そこの二人、借りてっても良いかな?」
唐突に霧江さんと委員長を借りていいかと許可を求める先輩。
霧江さんも委員も訳が分からないという顔をしている。
状況がうまく飲み見込めずに唖然としていると……。
「沈黙は肯定と受け取ってもいいんだよね。じゃあ借りていくよ!」
後ろからふっ、と他のチア部の人が急に後ろから二人現れ、霧江さんと委員長を更衣室の中へと連行してしまった。
何だったんだ……と思う僕に、ある懸念が念頭に浮かぶ。
もしかして……これが噂のカツアゲ、というやつかもしれない。
達也も同じことを考えていたのかもしれない。
「これ……やばくね?」
「うん、やばいかも……」
ダッシュで更衣室の前まで行き、聞き耳を立てる。傍から見れば女子更衣室の前にいる変態だ。
扉の前で聞き耳を立てていると、急にドアが開き僕と達也は鼻に直撃を受ける。
「「いって……」」
「だ、大丈夫ですか!? 二人とも」
「あなたたち、何してたの? まさか覗き……」
「ま、まさか烏間君、達也さん?」
ドアから出てきた霧江さんと委員長にあらぬ疑いを掛けられそうになる。
「ちげえよ。もしかしたらカツアゲとかされてるのかもって……翔太が」
「僕かよ!」
いや、まあ思ってはいたけど、責任を全部僕だけに押し付けないでほしい……。
「ふふ、心配してくれたんですね。ありがとうございます。それに烏間君が思っているような事はされていませんよ。これですよ」
そう言って、霧江さんは服をつまむ。やっぱり霧江さんは優しいなあ……。
服が制服から変わっている、そう! 男のロマン――チアガールの姿になっていた。
黄色を主体とした色合いに、はち切れそうなほどパンパンな胸。それにミニスカ姿におへそまで見える、男子高校生には刺激の強い格好だ。
「どうだい! 私は二人を見た時から似合うと思ってたんだ。そうだろ!」
「「「「うん、うん!」」」」
さも自分の事のように自慢するチア部の部長に、突如後ろから現れる、チア部の先輩たち。忍者か何かなのかと疑うほどに気配がない。
もうすごいを通り越して怖すぎる。
「二人とも、すげえ可愛いね。どっちか俺の彼女になってくれない?」
「無理です」
「ごめんなさい、私も」
「えーマジ? じゃあ気が変わったら考えといて」
二人から断られる達也、けど気にしてない辺り冗談みたいだ。
それにしても冗談を言いながら、二人の服装を褒められるのは陽キャの成せる技なのだろうか。
「ねえ、あんたはどう思うの?」
「え、どうってチアガールの恰好の事?」
委員長が急に話題を振ってくる。
「そうです! 烏間君はどう思いますか? 正直に言ってください!」
なぜか、霧江さんも興奮しながら聞いてくる。
どうしたんだろう?
本当に正直に言っても良いのかな……?
「えーと……。すごく似合ってるし、可愛いし……。それに……胸もちょっと……、その、セクシーだなーって……」
「「……」」
あ、やっぱりやばいかも。
「ふーん、そんな風に思ってたんだ~……」
「烏丸君……本当なんですか?」
委員長と霧江さんが心情の読めない顔で見てくる。
やめて、そんな怖い顔しないで……。
「正直に言って良いって言ったじゃないか!」
「ええ、私は烏間君ごときにエッチな目で見られても……別に平気だし……」
「か、烏間君も男の子ですし……ね?」
霧江さん……「ね?」って僕の罪悪感が凄いから……気を使われた感が半端ないから……。
すたすたと霧江さんと委員長が更衣室の方に歩いていく。
「え? 二人ともどこ行くの?」
「着替えるの! いつまでも盛った目で見られたらたまんないしね」
委員長が赤くした顔でそう言ってくる。
やっぱり僕に見られるのが平気だとか言っといても、恥ずかしかったのかもしれない。
霧江さんまで顔を赤くしてる、罪悪感が凄いな……。
「翔太……お前やるな」
「何を!?」
「いやー、本当に君は凄いですね。女性二人をあんな顔にさせるなんて……」
「「「「すごい!」」」」
チア部の僕への罵倒はコンビネーションが凄まじい。
何もそこまでハモらなくてもいいじゃないか……。
その後、他の部活を回るのかと思ったのだが、そのまま帰ることになる。
やっぱり怒らしてしまったと思い謝ったが、驚いたけど怒ってないと言っていた。
理由が気になって聞いたけど『僕の顔を今日はもう見られない』だそうだ。
やっぱり怒ってるよね!?
女子って本当に良く分からない……。
どうも秘凪です。
リアルが忙しく中々更新できませんでした。申し訳ありません。
この話もバタついて書いたので、後で修正を入れると思います。
ちょくちょく更新していくので読んでいただけると嬉しいです。
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