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謎のゲームワールド転移  作者: 塩コンブ
第一章  …全ての始まり、動き出す蓮斗の運命!
2/83

2話 complete&standby

修正二話です!


(時が止まった? いやいやいや! ありえないって…………。でも、ほんとに……?)


 周囲を見渡す。何も動かない。


(やっぱり何も動かない。本当に……止まったのか)


 どうやら本当に止まったらしい。蓮斗は空を見上げる。


「…………?」


 そして、異変に気付く。

 よく見てみると、先程までは無かったものが、発生している。


 ノイズだ。壊れてフリーズしたテレビの画面のようなノイズが、隕石にある。やがてそれは大きくなり、はっきりとわかるようになる。


 蓮斗は視線を戻し、周囲を見る。隕石だけじゃない、ノイズはそこら中に起こっている。まるでこの世界にバグが起きているかのように。


 この世界のバグ。それは隕石が降ってきたこと? それとも時が止まっていること? 考えてみてもわからない。初めての事態に、蓮斗はただ困惑するばかりだった。


 ノイズは広がっていく。蓮斗は気付く。ノイズは発生する場所に差がある。隕石や壊れた建者、傷ついた人間には特に多く広がっている。だが、日常と何ら変わりないものは全くない。


 バグは隕石の方? わからない。何も。


(おかしい……何もかも、全部……)


 そんなことを考えながら、空を見上げ、隕石を見たその瞬間。


「ッ! 眩しい!」


 思わず声を上げてしまう。


 本来ならば、届くはずのない光が蓮斗の目に入る。太陽からの光じゃない。光っているのだ、隕石が。いや、そこら一面全て。眩しすぎるほどに光っている。自分以外の周囲の物全てが光る。光はさらに強くなっていき、蓮斗はついに目を瞑る。それでも光は止まらない。まぶたの中は光は突き刺さる。

 目には真っ白い景色が映る。蓮斗はその中を歩く。奥へ奥へ。やがてその姿見えなくなってしまったとき、真っ白な景色は突然暗くなる。


(なんだ……?)


 すると、周りからは聞こえるはずのないざわざわとした音が聞こえる。街中を行き交う人々のいつも通りの声色。


 蓮斗は、ゆっくりと目を開ける。


「なッ…………!」


 映ったのは、隕石が落ちてくる前と全く同じ景色。蓮斗の視界いっぱいに、〝日常〟が映る。

 全てが、戻っていた。蓮斗が目を瞑り、意識が一瞬飛んだ間に、全てが元どおりになっていた。


 目を見開き、キョロキョロと周りを見る。だが、隕石は無いし、建物は壊れていないし、炎や煙は上がってなく、人も当たり前のように笑っている。


「夢……だったのか?」


 先程までの惨劇は一体なんだったのだろうか。蓮斗の頭の中に疑問がぐるぐると渦巻き、どこか違和感を感じるが、それをかき消すかのように、華那のことを考え始める。


(まぁ、悩んでても仕方ねぇか。疲れてんのかな? 華那に相談してみるか……)

 

 なんであれ、世界が無事で平和ならそれが一番。考えすぎる必要はないだろう。そう考えながら、蓮斗は病院へと再び歩き出す。



 だが、隕石など所詮きっかけに過ぎなかった。きっかけにして、蓮斗の運命を大きく動かすもの。


 この瞬間、たしかに〝それ〟は終わり、〝それ〟は始まっていた。



《ザザッ、ザザッ…………game complete……》


《………………restart……standby……ザッ、ザザッ》



 もう、戻ることはできない。





誤字脱字質問文句否定愚痴なんでもいいのでお願いします。

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