表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

最終話 決意

今回が最終回です!打ち切りという形ですみません!

「何で来たんだよ!?」


先程、国民と一緒に逃がしたはずのリスアが、俺とドラゴンの間に立っている。でもなんで……?何でここにリスアが来るんだよ……!!


「逃げろと言ったはずだ!!リスアでも、一人じゃドラゴンに敵わない!!お前も分かっているだろ……!?」


必死の訴え。俺ならまだしも、リスアをここで死なせるわけにはいかない。今は勝てなくても、今後成長してきっと強くなる。そんな確信にも近いものをリスアに感じていた。だから……!!


「一人……じゃないでしょ?」

「え……」


初めて、リスアが俺に向けて笑いかけてくれた瞬間だった。向日葵に似たような温かさ、朗らかさ……、あぁ、この子が笑うとこんなにも……“美しい”んだなと場違いにも思ってしまった。俺は、最初に見たリスアの闘い方や終わった後の顔で「美しい鬼」と思ってしまったが、今はそんな事を微塵も思えなくなってしまった。今の彼女はーー


「天使……」


暖かな笑みと、軽やかに戦う姿はまるで背中に羽があるようで……とても美しかった。


「私は今、一人じゃない。貴方がいるもの」

「っ……!」


それは、何も取り繕っていない本音の言葉だった。だからだろうか……。とても胸が苦しくなった。悲しみではない……。嬉しみでもない……。なんだろう……この胸がキュッと締め付けられる感覚は……。


「卯月!何か策はあるの!?」


ドラゴンから目を離さないようにして俺に聞く。これは、リスアからの信頼の証とも言えるだろう。なら、それに全力で答えるまでだ!


「一応ある!でも……これの成功率は正直言って高くない……」

「でも、0じゃないんでしょ?」

「あぁ」

「なら十分!」


リスアはその言葉を合図にドラゴンに向かっていき、ドラゴンの意識を自分へと集中させる。


「で、私はなにやればいいの?」


ドラゴンの攻撃を躱しながら聞いてくる。あの状況で質問できる余裕があるなんて流石だ。なんて、関心している場合じゃないな……。


「ドラゴンから俺の注意を極力無くしてくれ!俺に少しでも注意を向けていたら、この作戦は失敗に終わる!」


それを聞いたリスアはコクリと小さく頷き、きっとドラゴンを睨みつける。敵意を丸出しにして、ドラゴンを自分が敵だと確実に認識させるためだろう。


(隙を見つけろ……!ドラゴンがリスアに完全に意識が向いている時……それが最大のチャンスだ!)

リスアはドラゴンの視界に入るギリギリの場所で行動している。もし、リスアが視界から消えてしまったら、ドラゴンは辺りを見渡し、下手したら俺に注意が向く可能性がある。でも、決められた範囲で避け続けるのは至難の技であり、長くは持たないだろう。


ゴァァァァ!!


ドラゴンは、物理攻撃では拉致があかないと思ったのか、少しのタメをつくって一気に炎のブレスを吐き出す。あまり広くない道だ。躱すとなれば、さっきの物理よりも制限させるだろう。だけどーー


(見つけた……!ゆういつの隙を……!)


このブレスのおかげで隙を見つけることができた。後は、俺がしっかりとできるか……だ。


「リスア!もう一回、あのブレスをドラゴンにさせてくれ!」

「……!分かった!」


リスアがそう言うと、ドラゴンの物理攻撃がギリギリ届かないところまで間合いを詰め、一定の距離を保っている。ドラゴンはまたしてもブレスを吐こうとしているのか、少しだけタメを作る。


「今だ!!」


ゆういつの隙ーーブレスをする時のタメだ。その間は、通常よりも少しだけ無防備になる。それに加えて、リスアに注意が向いているから、不意打ちは楽だろう。


「うぉぉぉぉぉ!!」


俺は、後ろを向いたドラゴンの尻尾から背中まで駆け上がり、顔の近くまで行くと、注射器の取っ手部分を指にはめる。よし!塩酸と硝酸がうまく混ざっている!これならいける!!


「くらえっ!!」


俺はそう叫ぶと、注射器の針の部分をドラゴンの目に突き刺した。そして、すかさず取っ手部分を押し込み、中にある液体を目から注射する。


ゴァァァァァァ!!!??


絶叫。はじめの咆哮とは違う、もがき苦しんでいる声だった。上手く……いったのか……?


「あなた、何をしたの?」


すると向こうから、ドラゴンの異常の原因を確認し、その元凶の僕に聞きにきたリスアがいた。


「簡単な話さ。塩酸と硝酸を混ぜて王水を作り、それをゆういつの針が通せそうな目玉に突き刺しただけだよ」

「うわっ……あんた結構エグい事するのね……」


王水……鉄すらも溶かす強力な酸だ。それを、デリケートな目玉に注入されたんだ。ひとたまりもないだろう。


「でも、そんな事で倒せるの?」

「まぁ、見ててよ」


ドラゴンは、目を抑えもがき苦しんだ後、ゆっくりと地面に倒れ、それ以降ピクリとも動かなくなった。どう言う事だ……?とリスアが不思議そうな顔したから解説しよう。


「目玉と脳って結構近くにあるんだ。そこに、鉄でも溶かす王水が大量に注入されたらどうなると思う?」

「まさか……」

「そう。肉が爛れ、脳までも溶かしてしまうんだ」


このドラゴンは、脳にまで王水が周り、溶けてしまったから死んだのだ。


「そう言う事だったのね……ふぅ……」


緊張と躱した事での疲労が溜まっていたらしく、その場にヘタリ込む。俺も、今回は……がん……ばっ……。


ドサッ!


「卯月……!?」


◇ ◇ ◇


そこから記憶がはっきりしない。多分、ただの疲労だろう。でも、リスアの最後の言葉が妙に耳に残った。『ありがとう』と……。これからのことはわからない。だけど、俺はこの知識で成り上がってみせるさ。何年かかっても……!


お読みくださってありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ