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1話 転生しました

こんにちは!とうです!!

第三作目ということで、気合が入っています(笑)

面白いと思ったらブクマ、感想、評価、レビューよろしくお願いします!!

数年前ーー


「あの女どこへ行きやがったっ!?」

「見つけ次第息の根を止めろ!!」


ある嵐の夜。深く暗い森の中で複数の屈強な男の野太い怒号が響き渡る。手には、剣や槍などの武器を持っており、逆の手にはランプを持っている。


「はぁっ……はぁっ……」


そんな森の中を明かりもなしにひたすら走る少女の姿があった。男の声の逆の方へひたすらと走る。どんなに転ぼうが起き上がり逃げ続ける。


「おい!!あっちの方から音が聞こえたぞ!!」

「どこだ!?」


しかし、男達の声は徐々に自分へと近づいてきている。後方を振り向くと、ランプの明かりがゆらゆらと揺れていた。


「お母さん……お父さん……どこぉ……?」


両親とはぐれてしまった事への不安が大きくなっていく。男達から隠れるようにして木の根元に体を小さくして隠れたが、知らない男達から命を狙われて、自分の両親とはぐれてしまっ少女は、もはや余裕がなくなっていた。


「誰か……助けてっ……!」


それはまだ9歳になりたての少女の精一杯の心の叫びだったーー


◇ ◇ ◇


挿絵(By みてみん)


「さて、そろそろ寝るか」


現在午前6時。まだ冬だから外は薄暗い。電気点けないでパソコンとにらめっこしていたから目がチカチカする。普通の人なら今の時間ぐらいに起きる人が多いだろう。でも、俺は違う。もう何年か前から昼夜逆転していて、この時間帯に寝るのが俺……卯月誠の普通になっている。


「あ、そういえば今日って……」


ふと思い出し、スマホを操作する。ネットで書籍情報のページを開き、ラノベの発売日を確認する。うん。やっぱり思った通りだ。


「今日って「私のお兄ちゃんは世界一!」の発売日じゃん」


最近ハマりだし、今発売されている巻まで大人買いしたラノベの最新巻の発売日という事に気づく。


「えっと……、確か前回の終わり方は……」


ラノベがぎっしりと収納されている棚に移動して、前回の終わり方を確認する。結構良いところで区切られて、モヤモヤした事を覚えている。


ペラッ……ペラッ……


ラノベを手に取り、立ったままラノベを読み出す。最後のページよりも少し前のページから読み進める。あぁ、確か妹が兄にキスをして終わったんだっけ。この後の兄の反応とか気になるな……。ラノベを読みながら心の中で感想を呟く。


ガタガタッ……


「…………?」


少し体が揺れている感覚に襲われる。始めはそんなに気にするほどの揺れではなかったが、次第に揺れは大きくなる。


「流石にやばいな……」


そう思い棚から離れる。地震の時は頭上を守るために机の下とかに隠れるのが良いって学校で習った気がする。俺はその場からそっと離れようとしたら、ある事を思い出す。


「そういえば棚の上に確か……」


ガタガタッ!!


「……!?」


いきなり先ほどよりも揺れが激しくなる。周りの家具も揺れでグラグラと揺れている。そして、俺の宝物(フィギュア)に危険が迫る。俺は宝物をその危険から救い出そうと手を伸ばす。しかし、とうとう恐れていた事が起こる。


「ちょ!!待っ……!!」


宝物が棚の上からポロッと落ちてしまい、地面へと近づく。この高さから落ちてしまったら恐らく宝物は崩壊するだろう。これはもう世では出回っていないプレミアムのフィギュアだ。これが壊れた時を想像するだけで鳥肌がたつ。


「届け!!俺の手!!」


なんか厨二っぽくなったが気にする余裕はない。まだ地面に落ちてない。まだ……間に合う……!!


パシッ


「やった……!!」


俺はギリギリのところで宝物をキャッチする。しかし、キャッチしたと同時に足がもつれその場に倒れてしまった。受け身とか何も取れなかったから結構痛い……。でもまぁ、宝物を守れたからいっか。


グラッ……


「へっ……?」


突如、棚が大きく揺れ、バランスを崩した棚がこちらに傾く。急な事で俺は避けるタイミングを失ってしまっていた。そのまま俺は棚が倒れてくる光景を眺めている。そして……


グシャ!


そのまま俺の意識は暗転した。多分俺は死んだだろう。これで俺の人生は終わる……


それが本当の“シナリオ”だっただろうーー


これは、俺の新たな“シナリオ”が始まる物語。


◇ ◇ ◇


爽やか風、小鳥のさえずり。ザァーと風が草原を撫でる音がとても心地いい。久々に浴びた日光の日差しにより俺の意識がゆっくりと覚醒する。


「んっ……?」


瞼を開くと、見慣れない草原に俺は横になってた。夢かと思い頬をつねったり、近くにある草を引きちぎって感触を確かめたりする。そして、一つの結論に至る。


「ここは天国か?」


棚に潰されるところまでは覚えている。そして、目が覚めたら見知らぬ草原。普通に考えてここは天国って考えた方が妥当だろう。


「てか、まず三途の川からじゃないのか?」


普通三途の川を渡って、閻魔に会ってから天国じゃないのか?いや、そもそも三途の川や閻魔が存在するか怪しいところだが。てか、死んでも肉体ってあるんだな。


「天国なら、案内人くらいつけてくれたっていいだろうに……」


一人ポツンと放置される人の気持ちを考えろってんだよ……。


「とりあえず……誰か人いないか探すか」


俺はこれからの事を考えながら歩き出した。これが、俺のこの世界での第一歩だ。



自分で描いた挿絵を貼りました!!下手ですみません……

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