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日々

作者: 花守 一華

 ハンドクリームはK●SEのコエンリ●チです。それ(とネックレス)を除いて作者の生活との関係は一切ありません。こんな充実した大学生活を送れるのなら、という理想でもあります。

 翌日の午前六時にアラームを設定し、分厚い単行本を閉じる。枕元のチェスト上に置いてある、夜用のハンドクリームに手を伸ばす。今日も一日お疲れ様、と丁寧に両手を労う。電気スタンドを消して、季節の割にもこもこした布団に潜る。休日のうちに毛布をクリーニングに出してしまうのもいいかもしれない。頭の中は雑然として、ぐるぐると回る。ぐるぐる、ぐるぐる。


 けたたましいアラーム音に意識が揺さぶられる。朝だ。のそりとスマートフォンの画面をスワイプして、布団から這い出る。朝だ。しばらく壁を見つめ、窓を見つめ、覚醒を待つ。朝だ。窓の外は目が痛いほどの朝日。ああ、朝だ、気持ちいい。手早く着替えて冷凍庫から食パンを取り出す。カチカチのパンにチューブのバターを塗りたくって、オーブンにぶちこむ。つまみを軽く回して姿見と向き合う。身だしなみを確認する。化粧はしない。そんなに華やかな学生でもないし、面倒臭いというのもある。いつかの冬に貰ったネックレス、銀のネックレスをかける。チンッ!跳ねるような音が背後に響く。キッチンペーパーの上にパンを置く。お気に入りのマグカップに珈琲の粉をすりきれ二杯、お湯をたっぷり。昨日の残りのコールスローサラダ。これが朝食。

 最初の講義までは時間がある。歯磨きをしながら、それまでにすることを頭のなかで整理する。ペンケースも読みかけの本も、縁の可愛い眼鏡も鞄に入れた。キャンパスまでは徒歩二十分。今から出ればたっぷり三十分は暇だ。あ、水筒をつくってない。充分に暖かい季節だから、珈琲を保温の水筒で持って行くのは抵抗がある。今日は晴れると聞いたので麦茶にしよう。


 ただいま。ひとり暮らしの部屋に声が吸い込まれる。寂しくないのは、慣れてしまったからだろう。図書館でギリギリまで粘っていたので、帰って来た頃には夜の九時半。晩御飯は食べてきたので、風呂に入って寝るだけ。

 風呂上がりの火照った身体に、窓から流れ入る涼風が心地よい。珈琲を片手に読書、というのも乙なものだが、今晩は趣向を変えてみよう。地元と比べるとどうしても空が明るいのは、ここが田舎ではないからなのかもしれない。蛙の大合唱が、あの子守唄が懐かしい。星はあまり見えないけど、人工の光も悪くない。夜のベランダは、春の匂いがする。

 しばらくぶりの投稿でした。例に漏れずの拙い文章ですが、最後まで読んで頂きありがとうございます。……定型文の謙遜ではなくて、こんなブツ切れな文章しか作り得ないこと、本当に申し訳ないです。

 しかし、ショートストーリーしか書けない癖は治したいものです。少なくとも今度の大学祭までには長編が書けるようにはなりたいです。精進あるのみ。

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