第4話 目が覚めたら船酔い☆
船酔いはキツい。
車酔いならお父さんの「窓開けるぞー」でなんとかなるが、
船酔いはそうはいかない。
吐くか、負けるか……。
そんな、戦いである。
君には、この苦しみがわかるだろうか?
俺、宮城駿は船酔いする体質である。
なので、船には絶対に乗らない。
乗ったら吐く。乗ったら酔う。
なのに……。
「何で船にいるんだぁぁぁ!!!」
目が覚めたら船の中だった。
「おえぇぇぇぇぇ、気持ち悪うぅぅぅぅぅぅ」
「あ、目が覚めたぞ」
「こんにちは、あなたのお名前は何でしょう?」
「よ、酔い止め、酔い止め、酔い止め……」
「あらあら」
頼んだら薬をくれた。
なんだこいつら。
「誰だ、お前ら! なんで俺は船の中にいるんだ!」
「そりゃ、目的地が海の上だし」
「人のことも考えて!? もう少し遅れてたら船の中ゲロ臭くなってたんだぞ!」
「お前……。あんま、生意気言ってると掘るぞ?」
「誠に申し訳ございませんでした」
なんだコイツッ……。
「気をつけて下さい。彼、ホモですから」
「自分ホモですから☆」
ホモなんですね☆(投げやり)
「やだ……。もう、帰りたい……。おうち、かえらせて……」
「え、ひらがな?」
俺の吐いた言葉に金持ちそうな女が反応した。
「か、かわいい……」
「what?」
「ま、まずい! に、逃げろ!」
「え!? な、何が!?」
「早く逃げろって!」
逃げろっていっても船の上だし……。
「かわいすぎるんじゃくそがあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「えぇぇぇぇぇ!?」
「そう、彼女は……」
ホモが、もったいぶってそう言った
「元ヤンなんだ!」
そういう問題じゃねえ!
「とりあえず、脱げ」
「えぇ……」
「はやく!!!」
「い、嫌だ!」
「へぇ」
「私に刃向かうって事だな?」
怖すぎワロエナイ。