第1話 少年はホモに、ならない
「ねえ、駿」 とある一軒家の一部屋。そこで少年が、そろそろ寝ようかと思った瞬間、唐突に扉からノック音が聞こえた。
「なんだい? 姉さん」「私って弟の立場から見て、どう写ってる?」
いきなり何を聞いてきたかと思えば、なにやら難しいことを……。
「そりゃあ……。一般的な、優しい(?)姉なんじゃないの?」「じゃあ、一般的って何っ?」
「むむっ……、平均的というか、何というか……」「ま、そんなことどうでもいいんだけどね……」
そう言った姉の目は心寂しく、まるで氷のような冷たい目をしていた。
「……………………」
黙りこくっていた姉は、スタっと立ち上がると自分の部屋に帰っていった。
ーここから話すことは、今の日本でいう国家機密であるー
二十年前。日本海沖に異常が起きていた。無数の竜巻が水面に舞い、海原は唸るように荒れていた。そこで運行していた漁船《高嶺丸》から、いきなりの創作のような通信。
《人型の何かが、何かが接近中! た、直ちに救助願いまッ…… ピー……》
日本は驚愕した。
何が起こった。
送られてきた映像には、確かに、人型の何かが暴れ回る姿が映っていた。
《高嶺丸》は、残骸となり、海に沈んだ。残ったのは小型ボートで逃げ出した船長、ただ一人。
彼は、何度も同じ言葉を口にした。
「駄目だ、駄目だ……。もうじき世界は終わる。奴らに全員皆殺しだ……。」
だが、何日たってもそいつらは、もう海に現れなかった。
まるで、全て夢だったのかと言うように。
日本は困った。こんな、自分たちでも理解できないようなものをどうすればいいのか。
そして、国民に、他国に伝えるべきか。
それから結局、姿を現す事がなかった奴らを無かったことにし、
そして、日本は決断した。最悪の決断を……
事実の隠蔽。
それが、本当に最適のやり方だったのかは、誰にも分からない。
それが、日本の国家機密。
四年前。
俺の姉が消えた。
自由奔放で大雑把な性格だったが、誰からも好かれていた姉の失踪に俺は絶望した。
警察にも被害届を出したが、何も変わらなかった。
あれから4年。
元に戻った生活に、俺は納得がいかなかった。
ただ、帰ってきてほしかった。
2015年1月の、とある夕方。
俺は、見てはいけないものを見てしまった。
高校の下校中、何となくトイレに行きたいと思い近くの公衆トイレに入ると
全裸のおじさん(見た目四十代)と、全裸のイケメン(金髪)が絡み合っていた。
「………………」
なんだ、この状況?
いや、まて、まて、まて。
さっきまでシリアスの空気が渦巻いてたじゃないか。
何でいきなりホモォな展開になるの?
「おい、少年。三人でホモセ[自主規制]やらないか?」
「ほしい……。俺は、お前のチン[アウトォ!]がほしいぃぃぃ!!」
俺は、扉を閉めた。できるだけ優しく。
その後一分ぐらい、ずっと公園のベンチで目を瞑っていた。
(忘れろ、忘れろ、忘れろ……)
うん、無理☆
「少年、俺のケツの中で暴れてみないか?」
「大人の階段上ろうぜ?」
「うわぁぁぁ、きもいぃぃぃぃぃ!!!」
野生(パンツ一丁)のホモ達が扉を蹴破り現れた。
………………。
(逃げなきゃ!)
やばい、やばい、やばい……。
「待てよ、少年」
「ちょ、村上さん、……。疲れ、たっ、」
この二人組、無駄に早い。(金髪は疲れてるが)
ていうか、捕まったらどうなるんだ?
(アーーーーーーッ)
考えるだけ、恐ろしい。
(急げ、急げぇ!)
やった! ここを曲がれば、自宅のアパートがある!
流石に非常識なあの二人組も民家には入ってこないだろう。
「吉田……。仕方ない飛ぶぞ!」「は、はひぃ!」
は、?
「パタッパタッパタッ……」
「いや、汚ぇ!」
その二人組の背中から、いきなり羽が!?
「なんでえぇぇぇぇ!?」
ちょ、早いはやい!
つ、捕まる____。
「人前で力を使うとは何事ですか。」
(!?)
横に何か、人影が。
(女の子!?)
てゆうか、普通に拳銃を持っていた。
「こういうとき何て言うんでしたっけ……」
「ま、まずい、あれは……」
「あぁ……」
「あ、思い出しました。」
「殺人angelガール!!」
「月に変わってお仕○きよ!」
それちゃう。
楽しんで頂けたら光栄です!