1)サイクロプスvsメデューサ
そして、あれから十年が過ぎた。
ゴル姉は神官への道を選んだ。十年前のあの事件には、ゴル姉なりに思うところがあったのだろう。己の魔力を鍛えるべく、ゴル姉は先祖の神族が暮らしていたオリュンポス山に登り、神言宗に入信した。神言宗は治癒と守護の支援魔法のエキスパートを育成する総本山だ。
負けずぎらいのゴル姉は、すぐに頭角を現した。そしてつい先日、優秀な成績で修行院を卒業し、侍祭に任命されて意気揚々と町に戻ってきた。
だが何よりゴル姉らしいのは。神官として一通りの訓練を受け、神の試練を経て侍祭にまでなっておきながら、世間一般にもよく知られている事実に気付いてなかったことだ。
「え? 第十三階梯に上がるまで神言宗の神官は独身が義務……ですって?」
お祝いの席で石化したかのように凍り付くゴル姉。
ちなみに今のゴル姉は第三階梯。階梯試験は年に一回だから第十三階梯には、最短でもあと十年はかかる。もちろんこれは、一回も落第しなかった場合で、階梯が上になるほど合格率は下がる。十二階梯から十三階梯は合格率、わずか二%だ。
「知らなかったのかよ、ゴル姉。有名だろ。といっても、俺も結婚できない理由までは知らないんだけどな」
「神言宗は高度な治癒魔術を神様と直結して魔力制御する。男女の結婚の誓いは神様とのリンクを削ることになるから、よほど魔術回線が太くならないと、無理」
ゴル姉の安定した迂闊っぷりに呆れる俺に、おかっぱ頭に単眼の幼なじみが博識なところを披露する。
「モ……モノ……あなたそれを知ってて私に神言宗を……」
「私は、ゴル姉が支援魔法のエキスパートとしてもっとも成長できる神殿を薦めただけ。この条件は、ゴル姉自身が持ちだしたもの」
「うがあああああっ! よくも騙してくれやがりましたわねぇっ!」
じゃらん。ゴル姉がモノに錫杖を突きつける。
「無駄なことはやめるべき。十年前ならともかく。今の私が持ち運ぶ火力は、ゴル姉の守護魔法では防げない。これは客観的な事実」
ばさり。黒いマントを広げたモノが、その裏側にずらりと並ぶ試験管に手を伸ばす。その試験管の色を見て俺は叫んだ。
「やめろ、モノっ! それはシャレにならない!」
止める間もあればこそ。
ピンク色の毒々しい煙が爆発と共に広がってパーティー会場となった寺院の中庭を覆い尽くした。
モノがこの十年間に選んだ道は、サイクロプス族の伝統芸である錬金術だった。魔力付与したアイテムや、魔法のポーションを作り出す職業である。モノがこの道を選んだのは、実を言うと俺のせいでもある。
十年前の事件の衝撃に、ゴル姉とティオはすぐに立ち直ったが、モノだけはずっと家に閉じこもって遊びにも出なくなった。
心配した俺がある夜、こっそりとモノの屋敷によじのぼって――モノの家はサイクロプス族であるから、男連中のサイズに合わせて、家の間取りが巨人サイズなのだ――モノの部屋に忍び込んだ時のこと。モノは布団をかぶったままうずくまっていた。
「どうしたんだよ、モノ。みんな心配してるぞ?」
「私はずっと考えていた」
「何を?」
「どうすれば、あのような事態を防げるか、と」
布団の奥から聞こえる声は、いつものように静かで起伏のない、淡々としたものだったが――俺には、モノが歯ぎしりするほど無念さを噛みしめていることが分かった。
「俺ん家の母さんは、皆が仲良くしてれば大丈夫だって言ってたぞ。力を合わせれば、どんなことだってできるって」
「それは理想論。希望的観測。私は理想と希望がかなわなかった時のことを考えている」
モノの八才児らしからぬこの達観はどこからくるのやら、と。当時の俺は考えたものだ。今ならば少しは分かる。サイクロプス族は巨人族の中では人間に与する裏切り者と見なされてきた。そして今なお、サイクロプス族同士の間ですら諍いが絶えない。諍いといっても、ただの喧嘩ではない。暗殺者と毒と呪いが飛び交う血みどろの抗争だ。一族の長であるモノの家のおじさんは、生涯をそうした身内の争乱の仲裁に捧げたのだ。自分の人生だけでなく、八人いた息子のうち六人の命まで捧げて。
それはまだこの時点では未来のことだったが、聡明なモノには一族を覆う暗い未来が見えていたのだろう。
「喧嘩になり、もし私が暴走したとしても。ゴル姉は私を止めることができる。ティオだって、私を止められる。今この時だけではなく、未来においても、ふたりは私を止めるだけの力を持つ」
人の世になってから薄れたとはいえ、ゴル姉はオリュンポス神族の魔力を引き継ぐ。
勇者の血を引き継ぐティオも、伸びしろは青天井だ。
「私にはふたりのような力の素質がない。ルーが持っているような、力なき交渉には必須の愛嬌もない。私には、力が必要なのだ」
繰り返すが、モノが本当は何を求めているのか、モノと同じく八才だった十年前の俺には分からなかった。分からなかったが、それでも俺は真剣に考えた。
「力がないなら、さ。どこからか借りてくることはできないかな?」
「借りる?」
布団の山がもそり、と動いた。隙間から青く光るモノの単眼がのぞく。
「うん。借りるんだ。たとえばほら、ゴーレムとか、使い魔とか作っておいてさ。モノひとりでは力が足りなくても、そういうのと力を合わせれば――」
「それだ!」
布団の山がばさり、と俺の上に覆い被さってきた。俺は布団の中でモノに抱きしめられる。骨が折れそうだった。
この日から、モノは錬金術の道を目指して勉強を始めた。この勉強には俺も付き合わされた。モノが魔力など力の素質を持たない以上に、半端な人間である俺はろくな力を持っていない。錬金術は総合的な学問なので、誰でも学べばそこそこには身に付く。親父や母さんに命じられ、俺はモノと一緒に錬金術の私塾へ通った。
頭の良さ、手先の器用さ、そして何より集中力の点でモノは俺や他の学生とは比べものにならなかった。私塾での後半の四年間は、モノがアルバ老に替わって俺たちに塾頭として勉強を教えていたほどだ。
だからこそ、俺は知っている。モノの繊細な指先がどれほど凶悪な物を作ることができるかを。
ピンク。どこまでもピンク。ピンク以外には何も見えない。
モノが爆発させた試験管に入っていたものは、それ自体が人に害を与えるものではない。犯罪者を逮捕するために使う無力化ガスに分類されるものだ。
錬金術をかじればすぐに分かるが、無力化ガスというのは、攻撃用の毒ガスや可燃ガスよりも難しい。たとえば、麻痺系の薬の効果は、個人の抵抗力によって変化する。もし抵抗力の強いゴル姉を麻痺させるほど強力な薬品を使えば、俺など一発で気絶して数日は目覚めないだろうし、パーティー会場にいる一般人は心臓麻痺や呼吸困難で死んでしまう。かといって、周囲に被害を与えないよう弱い薬を使ったのでは、狙う標的にも効果が薄く、無力化できない。
これを何とかする方法のひとつが、標的の属性を狙い撃ちする薬品や呪術を使うことだ。たとえば狼男など獣憑きであれば、銀の触媒を利用した呪術をかけたガスで無力化する、という風に。ゴル姉であれば先祖はオリュンポス神族であるから、ティターンの呪いと呼ばれる古巨人の呪術が有効だ。
が、これには準備がかかり、常に有効な薬品や呪いが用意できるとは限らない。そこでモノが作ったのが、対象を狙うのではなく、対象のいる空間を狙った無力化ガスだった。
「く、このような霧。風の魔法で散らせば――えっ?」
完全にピンク色に閉ざされた状態で、ゴル姉の声だけが聞こえる。
「風で散らそうとしても、無駄。私が使ったのは、煙幕ではない」
「煙幕では……ない? 確かに、空気の中に何かが混ざってる感じはありませんわね。呪いか何か? いえ、違いますわね。私の視界を奪うタイプの呪術ならば、これほどすんなりと広がるはずはありませんわ」
「さすがゴル姉。女神ヘラの地上代行者候補だけのことはある」
「どうやってあなたがそれを知ったのかは後でお仕置きしながら聞かせていただきますわよ」
「それは無理。ゴル姉の魔術で私は捉えられない」
種明かしをすれば、モノの使ったピンク色の霧は、空気を不透明化するというシロモノだ。範囲を限定し、人間ではなく空気に呪いをかける魔術。神族であろうが、竜族であろうが、自分を対象としない呪いに抵抗することはできない。
視界を完全に塞ぐことで、対象を無力化する。それがモノの使った錬金術だ。
「……なるほど、視界は確かに戻りそうにありませんわね」
しばらくしてゴル姉が静かに言った。声に怒りは感じられない。むしろ楽しそうですらある。
大変よくない兆候だ。
「ならば、モノ。あなたはどうやって私の位置を? いえ、言わなくても結構ですわ。だいたいの想像がつきましたから。音、ですわね」
「……お見事」
モノが感嘆する。俺も思わず拍手してしまう。こんな短い時間で、モノの錬金術の特性だけでなく、モノがどうやってこの状態で周囲を把握しているまで突き止めたのだから。
「ふふん。神言宗には、イルカ族の入信者もいるのでしてよ? 彼らは反響定位という手法で音の反射から海の暗がりでも周囲を知覚できます。モノ、あなたも錬金術でそのような知覚を得ているのでしょう? ですが、残念ながらこの程度では私の魔法を止めることはできませんわよ」
「強がっても無駄。ゴル姉に熱や匂いでこちらの位置を特定する方法がないのは、分かってる」
「ええ、その通りでしてよ。そして、無差別に空間全体を攻撃するわけにもいきません。何しろこのパーティーの主賓は私ですからね。でも、この魔法なら……」
「?」
ゴル姉が何かをやってるらしい、ということは気配と衣擦れの音から何となく分かった。同時に、モノのいぶかしげな気配も伝わってくる。と、しばらくして、モノの慌てた声がピンクの空間を通して聞こえてきた。
「ゴ、ゴル姉、いくら見えないからといって、服を脱ぐのはまずい。この魔術はもうすぐ解除される。そうなった時に裸ではいくらなんでも、まずすぎ」
ふおおおお、とパーティーに参加している男どもの声が足下からわき上がってきた。何と心得た友人どもであろうか。モノの錬金術が炸裂するや、こいつら全員、躊躇せず地面に伏せたに違いない。手にした料理の皿や酒の杯を持ったまま。
「あらあら。やはりちゃんと“見えて”ますのね。では、これでいかが?」
ちりぃぃぃぃぃぃぃぃいいいん。
甲高い、音のようでどこか違う空気の振動が、駆け抜けていった。
「あ――っ」
どさり、と。誰かが倒れる音。音の位置と大きさから、モノが倒れたのだ。
「あ、あら? ちょっと強すぎましたかしら」
「ゴル姉、何をやったんだ?」
「錫杖についている遊環の音の周波数を上げて、耳に聞こえない甲高い音にして流しましたの。音波を使って周囲を探査しているならば、こういう音には弱いのではないかと思いまして」
常人に聞こえない音を使って周囲を“見て”いたモノは、強烈な音で“目つぶし”をくらったというわけだ。
「すごいよゴル姉。だけど、まずい……かも」
モノのマントの下には、無数の危険なアイテムが仕込まれている。もし、今のタイミングでその中のどれかが、割れて外にあふれていれば――
ぶぅぅぅぅぅん。
低く空気が震える音。
「ゴル姉、また何かやった?」
「いいえ。今は何もやっていませんわ」
悪い考えほどよく当たる。羽音? 蟲か?
そしてそれを制御するモノは気絶したまま。
「お兄ちゃん、ゴル姉ー、モノ姉ー、お待たせー。遅れてゴメンね。お母さんがパイを焼いて……っわわわわ! 何これ? ピンク?」
そこへやって来たのが我が弟にして勇者見習い。
「全員、目を閉じて息を止めて地面に伏せろっ! ティオ! 真空斬! そこから――」
頭の中で周囲の空間を把握する。ティオは母さんが焼いたパイを持って来た。神殿の裏側にある勝手口から中庭に。そしてモノがいた場所。
「前に十歩分! 両手を広げた幅! 高さは腰から上! やれ!」
自分も地面に身を伏せながら俺は叫ぶ。
「了解!」
ティオは須臾もためらわない。
どすん。母さんの焼いたパイの入ったバスケットが地面に投げ出された音。
しゃらん。勇者見習いとして常に携帯を義務づけられた魔剣が抜かれる音。
「せいっ! 真空斬!」
刃を振るう音はない。音を伝える空気がなくなるのがこの技の特徴だ。かわりに、衣服の背中側が引っ張られる。刃に切り裂かれた真空を埋めるため周囲の空気が渦を巻く。
ごうっ。一拍子遅れて、風の音。
目を開ける。見える。真空斬で空間が破壊され、モノのかけた呪が解けた。
立ち上がる。モノの場所を確認。よし、気絶してるだけ。そして、その身体の上には――黄色と黒のまだらな蟲の群れがぶんぶんと渦を巻いている。ほっと安堵する。
「やれやれ、防御用の使役蟲か」
考えてみれば、いくらモノでもゴル姉が何をするか分からないまま攻撃用の蟲を用意するはずがない。防御用の蟲なら、こちらから手を出さなければ……と思っていたら。
「あ、あれれ? ボクに向かってくるよ?」
ぶんぶんと唸りながら蟲が裏口側にいるティオに向かう。どうやら今の真空斬を攻撃と見なしたようだ。
「お兄ちゃん! ボクは状況よくわからないけど、どうしたらいい?」
華奢な身体に無骨な両手持ちの魔剣。正直、蟲のような群体に向いた武器ではないし、見習いのティオにそれを補う技はあまりない。そしてまた、今日のティオの格好が蟲と戦うのに輪をかけて向いてない。ホットパンツにノースリーブのシャツ。太ももも腕もむき出しのままだ。目に毒なのは言うまでもない。
だが、この危機においてもティオが俺に向けるまなざしに揺らぎはない。満腔の信頼と、たっぷりの恋慕。恋慕の方はともかく、信頼の方は兄として応えねばなるまい。
俺は考える。ティオの足ならば、今なら逃げ切れる――が、そうなるとこの蟲の動きがどうなるか、計算が立たない。気絶したモノを守ろうと遠くまでは動かないのか。それとも、ティオを追いかけて神殿の外に出るのか。はたまた、それ以外の行動に出るのか。
やはり、神殿の中で何とかするしかない。
さて――
“仕掛け”ておく時間はあまりなかった。午前中、ゴル姉を歓迎するパーティーの準備をしながら、あちらこちらに、何かあった時の“仕掛け”はしていたものの、想定していたのは、男どもの誰かがこっそり持ち込んだ酒に酔っぱらって裸踊りを始めるとか、その程度のことだ。防御用の使役蟲が暴走するというのは、さすがに想定にない。床に伏せたままの連中やゴル姉、モノに被害を与えることなく、蟲を止められそうな“仕掛け”はただひとつ。
俺は中庭の真ん中にある、噴水のある池へ走った。柵を飛び越え、池の中に入る。春になったとはいえ、山から水道管で運ばれる水は冷たい。
「ティオ! 俺のところに来い!」
「うん!」
ティオの輪郭がブレて、消える。次の瞬間、ティオは俺の腕の中に飛び込んできた。
「うわっ、たっ、たっ」
縮地の法。勇者が持つ肉体強化で脚力を上げ、短距離であれば瞬間的な移動を可能とする。だが、きちんと止まるのは難しい。支えようとした俺を巻き込んで、ティオとふたり、もつれ合うようにして水しぶきをあげる。
「ごめん、お兄ちゃん。ありがと」
水に濡れて髪の毛やシャツが肌にはりついたティオが、照れくさそうな笑みを浮かべる。心臓にきわめて良くない。……あ、いや。冷水につかったという意味で。
ぶぅぅぅん。怒りに燃えた蟲の群れがティオを追って迫る。
よし、周囲には誰もいない。
水の中に手を突っ込み、噴水台の下から伸びる紐を掴む。そしてそのまま紐を強く引く。
ガチリ。“仕掛け”が起動する。噴水からわき上がる水が氷の粒となり、無数の礫となって蟲を襲う。
防御に特化した使役蟲の群れは、この不意打ちにもわずかの間、耐えた。だが使役蟲は虫であるから、寒さに弱い。ぼたぼたと池に落ち、そして魔素に戻って消える。
「やれやれ。大丈夫か、ティオ」
蟲がいなくなったのを確認してから、俺は“仕掛け”を止めた。立ち上がり、ティオに手を伸ばす。
「うん! すごいやお兄ちゃん!」
ティオが目を輝かせて俺に飛びついてくる。濡れた髪の毛が俺の顎をくすぐる。
「ティオ、お久しぶり。相変わらず兄弟仲のよろしいこと」
ゴル姉が声にわずかに怒りを忍ばせて言う。
「うん! ゴル姉も……おっぱい大きくなったね」
ティオが、乱れたゴル姉の僧衣からのぞく豊満な乳房に目を向ける。こちらはうらやましそうな声を忍ばせようともしていない。
「え? あっ? こ、これは、そのっ!」
あわててゴル姉が着衣の乱れを直そうとする。モノの注意を引きつけるためとはいえ、どうやら本当に脱ぎかけていたようだ。まだ伏せたままの――下からのアングルを狙ったのだろう――悪友どもが、いっせいに舌打ちをする。こいつらへの処罰は後で考えるとしよう。
騒ぎを聞きつけて神殿の大人たちが本殿から出てきた。先頭に立つのは司祭長のおっさんだ。いつもの福々しい笑顔だが、禿頭に血管が浮いている。
「とりあえず逃げる……のはやめておくか」
モノは気絶したまま。あいつを放置して逃げるわけにはいかない。司祭長も一目で事態を見抜いたのか、気絶したモノを医務室へ運ぶように指示を出した後、ゆっくりとした足取りで俺の方に向かってきた。
「ルー。ルードヴィッヒ・トゥルーゼン! この状況について、納得のいく説明を君がしてくれるものと私は確信しているのだが?」
「俺、ですか?」
俺はできるだけ無害そうな顔を作って聞いてみた。
もちろん、司祭長は誤魔化されない。かつて親父や母さんとも冒険の旅に出ていたという“鉄壁”ハーケンは、ごつごつとした指を俺につきつけて言った。
「もちろん、君だとも。神言宗期待の新人であるゴル侍祭でも、アルバ老の錬金塾の塾頭モノ・キュクロスでも、勇者見習いのティオでもなく」
司祭長はにやり、と鱶のような笑みを浮かべた。
「それがパーティー・リーダーの責任というものだろう? あん?」