約束
遅くなりました~
美「アハハハハッ!!」
今、俺の目の前でバカ笑いしている者がいる。
美咲だ。
夜「そこまで笑うことないだろ~」
美「ご、ごめん…ハアハア‥あ~苦しい」
突然の事で困惑する者もいるだろう。そんな君たちのために説明しよう。…まあ、簡単に言えば『学校が休みだった』ってなわけなんだが。
夜「だいたい、何で電話ん時に教えてくれなかったんだよ」
美「教えようとしたよ。でも、その前に電話切れちゃったから」
美咲が笑いすぎたために流れた涙を指で拭き取る。
夜「それでも、もう1度電話するとかあるだろ」
美「だからゴメンって言ってるじゃん」
美咲がしつこいな~とため息混じりに言う
美「だいたい夜光が忘れてさえいなかったら、こんなことにはならなかったんだから、私のせいじゃありません」
全く持ってその通りなのでなにも言い返せない
美「それより、明日何の日か覚えてる?」
夜「学校だろ?」
美「そうじゃなくて~」
美咲が首を横に振り、詰め寄ってくる
美「明日は私の誕生日でしょ!」
美咲の顔がこれでもかってほど近い
夜「美咲、近い近い」
美咲の顔が「え?」という感じになり、次の瞬間ものすごい勢いで後ろへ下がりながら顔を横にそらす
気のせいか、頬が若干赤らんでいるように見える
夜「そうか、明日は美咲の誕生日か」
美「まさか、忘れてたの?」
美咲が心配そうな顔でこちらを見てくる
夜「すっかり忘れてた…美咲?」
美咲が俯きながら
美「…夜光にとって、どうせ私の誕生日なんて…」
涙目で泣きそうな声をだす。もう少しこの顔を見ていたい、だが…
夜「拗ねるな、嘘だ嘘!俺が美咲の誕生日を忘れるわけないだろ~」
美咲の肩に腕を回しながら笑いかける
美「ホント?」
美咲が顔をこちらに向ける
若干目が潤んでいて、可愛いすぎる!
だが、上目づかいじゃないのが惜しい!!
夜「ホントホント、美咲はそんな事心配してたのか?可愛いやつめ~」
そう言いながら美咲の頬を指でつつくと、美咲の顔がみるみるうちに赤くなっていく
(これだ、俺はこれを見るためだけに今日という日をいきているんだ)と、バカなことを考えていると
美「か‥かわいい…私、かわいい…」
夜「美咲?」
美「えへへ~‥かわいい」
美咲が少し壊れてしまった
夜「お~い、美咲さん?お~い」
美咲の肩を揺らしてみる
美「ハッ!な‥何?」
どうやら正常に直ったようだ
夜「明日、学校の帰りに2人でどっか行こうぜ!」
美咲は一瞬キョトンとした後、満面の笑みを浮かべて
美「うん!約束だよ!!」
夜「おう、約束だ!」
そう告げたのだった
美咲は表情豊かで思ってることがすぐ顔や言葉に出てしまいます。