第1話
暗闇の倉庫、 一人の少年が様々な銃火器や武器を装甲車に詰め込んでいる。
少年が荷物を詰め込んでいると倉庫の扉が開き、中に少女が入って来た。
「ごめんねぇ、ライト君。手伝うのおそくなって~。」
「別にいいよ、クーちゃんも色々準備してたから仕方が無いよ。」
少女は近くにあった椅子に腰をおろし、 「この町に居られるのも今日の夜が最後かぁ…、何だか寂しいな~。」と呟いた。
「そうだね、でも出て行かないと町の人々に迷惑がかかるね。」と少年。
そう、この二人は動物である……、この町は彼ら動物達を政府の部隊から見つかり殺されぬように保護していたのだった…。 しかし、ある日隣町の住人がこの町に来ていて人間の姿から動物の姿になるところを見てしまい政府に通報してしまったのだ。
そのおかげでこの町に住んでいる動物達は政府の部隊がやって来る明日の朝までにここから出て行かなくてはならなくなった。 自分達の事だけではなく彼らを匿っていた人々も罰として殺されてしまうので余計に動物達は出て行かなければならない……。
「いい所が見つかるといいけどねライト君?」
少女の名前はクーといい、種族は黒猫。 歳は15歳。
人間の時の姿は可愛い顔立ちで綺麗な黒い髪をしている(この世界の動物達は人間社会で生きていけるように殆んど人間の姿でいる。)
少年の名前はライトといった。
歳はクーと同じで15歳。 人間の時の容姿は長めの銀髪で、美人なまるで女の子のような顔をしており身長はさほど高くなく、そのおかげでよくライトは女の子と間違われていた。
種族は犬、犬種は毛並みが美しいシベリアンハスキー。
「うん、でもごめんねクーちゃん…。僕のせいで余計に迷惑かけるかもしれないし………。」
そうライトの種族は犬であるため動物達からは酷い差別を受けている。
「そんなことないよ、私はライト君と一緒にいられるだけで幸せなんだかね。」
「クーちゃん………。」