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雪山

「タケルが連れされられたーーーー!!」


「ぎゃーーーっ寒い寒い寒い寒い寒い」


「どこだーっ吹雪で見えないっ」


「キシャアアアアアアアッ」


 のっけからてんやわんやであるが、私達は雪山に来ていた。


 第二の祭壇がそこに有るからである。

 麓の仮拠点で毛皮の服やその他必要な装備を整えて怪物に乗り、踏破を開始した。

 常に吹雪が舞っている過酷な環境の場所だ。天候が良い状態の時間が少ないので、待っても回復しない。だから雪が降っている状態で出発した。


 その途中で山腹を飛ぶ怪物、ナハトゴーンを見かけた。

 巨大な鷲のような姿をしたその怪物は空中の移動にも戦闘できる有益な怪物だ。

 その話をすると、強い怪物をすぐタームしたがるシズカさんが、すぐに手に入れたいと言いだした。


 最初はこの天候でタームするのは難しいと難色を示した私だったが、シズカさんに押し切られ、結局首を縦にふることになった。

 いつものパターンだ。


 そこでゲームでよく使われていたナハトゴーン用の捕獲用のトラップを建築した。

 門の枠をいくつも連ならせて回廊を作り、両端だけ扉を付けてナハトゴーンを中に誘導したら、扉を閉める。


 枠の隙間は人間は通り抜けられるがナハトゴーンは抜けられないちょうどよい隙間にすると誘導の人間だけ逃げられる。

 その加減が難しい。


 伏見稲荷大社、千本鳥居の極短いバージョンを思い浮かべてもらえばいい。

 ナハトゴーンを見かけた箇所から少し離れた平らな場所にそのトラップを建築した。

 さあ、罠に誘導だという段階になって、私はナハトゴーンのくちばしに掴まれてさらわれた。


 さらに私を拐った個体以外の数匹がエリカさん達に襲いかかる。


「カルっ、食い散らせ」


 シズカさんのカルカロドントサウルスがそれらを噛み潰す。そちらは数十秒でケリが付いたようだ。


 問題は現在進行系で空高く連れ去られている私の方だ。


「これでも喰らえ」


 私はバッグのインベントリからライフルを取り出した。そこに緑縞瑪瑙を加工した弾丸を込める。


 更に拠点の文明が進んで火器の製作も可能になっていた。

 胴体はくちばしでつままれているが両手は自由だ。落ちてもリスポーンするだけだ。


 私はナハトゴーンの首筋に向かって引き金を引く。この距離なら外さない。

 ブシュッという音と共に血が飛び散る。


「キュエエ」


 たまらずナハトゴーンは私を離そうとする。


「させるか」


 私は、カルカロドントサウルスのタームのときにも使ったワイヤーネットトラップを自分の腰の部分に付けて発動させる。

 ワイヤーがそこを中心に飛び散り、私とナハトゴーンのくちばしをがんじがらめに固定する。


「キュエッ??」


 突然の拘束感にナハトゴーンが目を白黒させる。


「おらああああああっ」


 私は連続でリロードしながらライフル弾を撃ち込む。

 しばらくめちゃめちゃに上昇、下降を繰り返していたナハトゴーンだが、ついに白目を向いて気絶した。


 そしてそのまま墜落を始める。

 私は無理やり嘴の奥に肉を押し込む。


 墜落するまでにタームが完了しなければ終わりだ。

 リスポーンすれば良いのだが、雪山をここまで来る手段がなくなってしまう。多分ここに来るまでに凍死してしまう。エリカさん達に追い付けなくなる。


 ぐんぐんと地面が迫ってくる。


「だめかっ?」


 目をキツくつぶったその時。


【ナハトゴーンLv45をタームしました】


「キィエエエエエエエエエ」


 ナハトゴーンは私を咥えたまま上昇を開始した。

 良かった・・・間に合った。


 あと、トラップが無駄になってしまったな。


「良し、さっきの所にもどってくれ」


 そしてエリカさんとシズカさんの所へ戻ることができた。


「うまくターム出来たようね」


「少しヒヤヒヤしたぞ」


「ご心配おかけしました。祭壇に急ぎましょう」




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