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捕獲

 元の世界でも中生代白亜紀に生息していたそれは、ギガノトサウルスを超える最大の肉食恐竜だ。その怪物は、セカンダリー・カダスでモデルになった恐竜の名前をそのまま与えられていた。


「なんでこんなところに」


 いや、先程の遠方に見えた影はこいつだったのか、セカンダリーカダスでも、全域でリポップしてマップ中を周回していたはずだ。

 ただし、マップには常に一匹しかいないレアな怪物だ。


 カルカロドントサウルスに噛まれたアヴィドは逃げようともがくがその顎の力から逃げられない。


 バリッボリッ。


 そしてそのまま上半身を貪り食われる。カルカロドントサウルスの顎の形にえぐられたアヴィドの体から内蔵がこぼれ落ちる。

 そして倒れ落ちたアヴィドは更に残さずカルカロドントサウルスの胃の中に収まってしまった。


 そしてカルカロドントサウルスは私達に目もくれずどこかに行ってしまった。

 腹がくちて可食部の少ない私達には興味がわかなかったのかもしれない。


「あ、あれはなんだったの?」


 エリカさんが近づいてきて問いかけてくる。少し離れたところでシズカさんはウルムに対してなにか話しかけている。「助けてくれてありがとう」とか「前に殴ってしまったことはすまない」とか聞こえてくる。


「カルカロドントサウルスです。セカンダリーカダスで、タームできる怪物の中で二番めに強力なものですね。一番目はDLCマップにしかいないのでこのマップでは最強です」


「まじで?この辺って初期地点に近いんじゃないの?」


「マップ中を周回しているのです。こっちから手出ししない限りめったに攻撃してこないから事故で敵対しない限り無視しておけばいいんで」


「なるほどね。タームするとき以外無視してもいいのね」


「ええ」


「では、そいつをタームすればいいのじゃないか?」


 シズカさんが近づいてきてそう言った。


「は?無理無理、無理ですよっ!!ゲームのときでも友達と何人かで挑んで、何度も死んでようやくタームしたのですから」


「そうね、あまりにも危険だわ」


 エリカさんも私に賛成してくれた。


「しかし、アヴィドがターム出来なかった今、代わりになる怪物をタームしなければならないだろ」


「さっきのスピードとパワーを見たでしょ。ターム方法はアヴィドと同じ建築トラップですが誘導がめちゃめちゃ大変なんです」


「あいつがここにいる今がチャンスなんだっ。もしナイナメスにあいつをタームされたら最悪の状況になる」


「それは、そうですが」


「ここで安全策をとっても、いずれジリ貧になる。ナイナメス達は人員が多いというアドバンテージを持っているからな」


「し、しかし」


「安心しろ、今度の誘導は私がやる。言い出したからには責任をとるさ」


「駄目です」


「私がわがままを言ったんだ。私が行く」


「駄目です。やるなら私が行きます」


 私はシズカさんの肩をガシッとつかんでその瞳を覗き込んだ。


「どうしてもやるというなら、私が誘導します」


「クヌギ殿、いやタケル殿・・・」




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