表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新米魔術師:セレマの凱旋  作者: 木本 泰士
1/2

第1話 あの日。あの時に。

この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

ーーーそれは雷光のようだった。

 鎧袖一触。

その言葉通りに、化け物は()()()()()()()()()息絶えた。

大人5人がかりで殺そうとして、

一瞬たりとも、傷を与えることが叶わなかったものを、だ。

それも、...........ただの少女が。


「............一体、何者なんだ...?」


少年 ーセレマ・ファウストが問う。

すると少女は、不機嫌そうな顔を見せる。

.....そして長い静寂を経て、少女は重たい口を開くと、

悲しく、自虐を込めて答えた、

ーーーそれも、可憐な少女の容貌からは想像できない口調で。


「...........ただの魔術師さ。.....最底辺の、だがね」


そう言った瞬間。少年は胸が張り付けられるほど悲しく感じた。

自分を助けてくれた人が、そう言う姿を見るのが。

とても悲しかった。


「...............ぁ.....」


そしてふと冷静になり、自分の父親だったソレを見る。

その視線を感じ取ったのか、少女はどこか哀れむように、優しく尋ねる。


「.........父親、か。...大丈夫か?少年」

「................大丈夫、だと思います」

「そうか、ならーーー」


なら。とまで言いかけたところで留まった。

だが意を決したらしい。静寂を断つように口を開いた。


      「ーーーなら、わたしの所に来るか?」


ーーー瞬間。

モノクロで彩られた世界が、少女の姿のみを色鮮やかに映していったーーー




ーーーPiPiPi、PiPiPi


「................ぅん」


............となりから、「起きろ!」と騒音が聞こえる。


「............ねーかーせーろっ.....よー..........!」


そう言いつつ、その音の原因を叩いて音を止めた。

それを終えた後、再び眠りに落ち............


「起きろ、ボケがァァァーーー!」

「ぐほぉ!」

「ぁあ?「ぐほぉ!」ってゴリラかこの野郎?!」


...........小説のセリフだけじゃ、男としか思えないこの暴力女は、

レマール・クオ。

ボーイッシュのテンプレ...。もとい、女なのは顔だけですか?って人だ。

..........まぁ


「?何だよ。じっくり見つめて」


........とんでもない美人さんである。

もし姉なら無関心だっただろうが、なんと養母さんだ。

更に、酔うとすっごい甘々になるので、毎回ドキドキしてしまう。

ちなみに、養母と言っても。母に見えますか?って聞かれたら、「NO!」と即答できるぐらいの歳だけれど。

.........実際、若さと無防備の危うさが相まって、思春期のセレマは、いつもタイヘンな事になっている。


「ん、まぁどーでもいいが.........。大丈夫か?今日は”魔女さん”との訓練じゃなかったか?」

「あっ」

「.........はぁ...。やっぱ忘れてたのかよ...........」

「んな事より!.......今、何時?」

「...................9時」

「いやぁあああああーーー?!」


テッテッテレ!

何でしょうか?ここは地獄なんですか?状態に変化しました。

..........実際、地獄なんだが...。


(あ〜クソどーし)「たらいいんですか?チクショー!!」

「声にででたぞ。途中..........」


この間3分。

流石に冷静になってきて、とりあえず出かける用意をし出した。

まず顔を洗い、歯を磨き、着替えて、ちょっと行くか迷ってから、ドアを開け、


「じゃっ。行ってくる!」

「お〜。死ぬなよ〜〜〜」


とんでもない弔いの言葉を受けて家を出る。

家と外との温度差に慣れつつ、少年が出せる程度の速度で走り出す。

でないと、”遅刻したため”が死んだ理由になってしまうからだ。

.................ちなみに、”あの人”の性格上、10分でも死刑である。


「...........まぁ、いっか!」


全然良くないが、元気で無理やりポジティブぶって、

少年は”魔女”の所へと走り出したーーー。

【ブックマーク】や【評価ポイント】、【感想】など、励みになるのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ