決まり手
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ライデン君の駆動における解決策。
それは、「石」に蓄えたエネルギーを、運動エネルギーへ変換して、ダイレクトに機体の制御をさせるというものだった。
機体各所の「石」が、その回りの部位を前後左右、それに加えて回転まで、任意の場所へと直接動かす。
負荷のかかりやすい精密部品を必要としないのだ。
これにより、ライデン君は、繊細且つ豪快な動きが可能となり、極限の環境においても活躍できる切り札となったのだ。
「のこったぁぁっ!!!」
再びぶつかり合う。
今度は左四つにがっぷりと組んで、そのまま膠着。
「はい、はっけよーい!はい、はっけよーい!」
私もノリノリである。
冷静に考えれば、とんでもない異常事態なのだが。
未知の場所で、未知の生物(?)に出会い、相撲を楽しんでいるなど。
ライデン君に廻しを付けておくべきだった、などと呑気に考えてもいたのだ(汗)。
「うぉりゃぁっ!!!」
彼女が仕掛けた。
ぐいと押し込み、距離をとる。
そのままくるりと回転し、懐に入ると、相手の右腕を取り、体を腰に乗せる。
「そいやぁっ!!」
ズデーン!!
きれいな一本背負いが決まった。
「ライデン君の勝利じゃ。カワムラ君、懸賞は出とらんかの?」
「所長、いつから柔道の試合になったんです?一本背負いだなんて。」
少々呆れながら返事をすると、彼女は意外そうに返してくる。
「ん?知らんのか?相撲の決まり手、八十二手の中にちゃんとある技じゃよ。」
それは知らなかった.......
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「さて、遊ぶのはここまでじゃ。君は誰で、そして何故ここにおる?」
彼女は、ひっくり返ったままの黒い人影に尋ねる。
それを聞いてゆっくりと起き上がった人影は、その体をブルリと震わせると、再び元の大きな黒い球体へと戻る。
そして、ふわりとライデン君にまとわりついた。
ガガガ.....pipipi.......
いきなり通信が途絶える。
私は慌てて、マイクに向かって大声を出す。
「所長っ!大丈夫ですかっ?所長っ!!返事をしてください!!」
ガガガ.....pipipi.......ガガガガ.......
「.......だ......だ........じょ.......おう、大丈夫じゃ、聞こえておるぞい。」
突然の事態に焦り、何度も呼びかけていると、再び不意に通信が回復した。
回復したのだが.......
「コ.......コンニチハ?」
恐る恐るといった感じで、彼女とは違う子供の様な声が響く。
あの黒い球体が何処からかしゃべりかけてきたようだ。
思わず、キョロキョロと辺りを見回す私と乗客達。
だが私の雇い主は、黒い球体が何処へ行ったのか分かったようだ。
彼女は、衝撃的なことを呟いた。
「ふむ、どうやらあの黒い球体は、ライデン君の中枢コンピューターと一体化したようじゃな?」
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そこからは大騒ぎだった。
とりあえず、ライデン君のコンピューターと一体化したので、成り行きで彼(?)のことをライデン君と呼ぶことになった。
コンピューターのデータを読み込み、スピーカーを使うことで、ライデン君と私達との間で、意志疎通が可能となったのは有り難かった。
「で、ライデン君は何処から来たんじゃ?地球の産まれでは無いのじゃろう?」
「ボク、トテモトオイトコロカラ、コノ惑星ヘ連レテコラレタ。」
「それは、何というところじゃ?」
「分カラナイ......ボクマダ小サカッタカラ......ゴメンナサイ......」
「あああ、気にするな!いいんじゃよ、いいんじゃよ!!泣くでない、泣くでない!!」
まるで、小さな子供をあやしているようだ。
「と、取り敢えず、ライデン君を収納して、浮上しようかのう?」
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潜水艦はゆっくりと帰路に就く。
ライデン君の話によると、とんでもないことが分かった。
まず、この宇宙には、我々以外の生命体がいるということ。
そしてライデン君は、何か悪さをしでかして、罰としてこの地球の深海に封印されていたとのことだ。
「あれ?じゃあ、一緒に連れてきたのはマズかったかの?」
「ソレハ、ダイジョウブ。るるいえノ檻カラ自分デ出テコレタラ、オ仕置キハ終ワリッテ言ワレテタカラ.....」
「ルルイエの檻」とは、あの幾何学的に狂った気持ちの悪い建造物のことか。
確かに、あの中に閉じ込められていたら、私でも色々と懺悔をしてしまいそうだ。
賞味期限の切れたアイシングクラッカーを、素知らぬふりで彼女に出していたこととか.....
「.....何か言ったか?」
「いいえ何も!!」
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