大宇宙露天風呂
お読み頂き有難うございます。
楽しんで頂ければ幸いです。
このバスドルフィンには、部屋が三つある。
搭乗口をくぐると、まず脱衣所だ。
籐製の涼しいカウチで寝っ転がることもできる。
もちろん、冷蔵庫にはキンキンのビールも冷えているわ。
大事なことよね?
で、片隅の小さなお部屋がトイレね。
円香に「トイレは要らないの?」って言われて、慌てて付けてもらったのだ。
アブナイところだった。
で、その隣が、じゃーん!
大きなお風呂っ!!!
素晴らしい!
そして手元のスイッチで壁の一面を覆うシャッターを開くと、偏光フィルターで太陽光を程よくカットできる大きな窓。
つまりはね、広い宇宙空間を独り占めできる露天風呂なのよ。
既に、月上空の飛行許可は取ってある。
今回は、月の衛星軌道まで行くつもりだ。
飛行ルートをコンピューターに入力し、早速、飛び立つことにする。
イルカちゃんは、静かに月の大地を離陸すると、定められたコースに従って、ぐんぐん上昇していく。
程なくして、イルカちゃんは月衛星軌道上へと到達した。
ワクワクが止まらない。
私は脱衣所で素っ裸になると、浴室へと入る。
湯気で少し曇ったその部屋は、暖かい空気が充満している。
まずは体を洗う。
プライベートなお風呂でもあるし、かけ湯をしてとっとと湯舟に浸かっても良いのだが、これってお祖母ちゃんの躾なのよね。
そして、満を持して湯舟に飛び込む。
ざっばーん!
温かいお湯が湯舟から溢れ出し、幸せが心を満たしていく。
まずはあまり熱くせずに、お肌がふやけるくらい長い時間を楽しむつもりだ。
そして目の前に広がる景色は、宇宙に浮かぶ青い地球。
ため息が出る程、素晴らしい眺めだわ。
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......んがっ!
......いつの間にか、ウトウトしていたようだ。
しょうがないよね、こんなに気持ちいいんだもの。
よし!
次のセレモニーに移るとしよう。
ざぶんと湯舟から上がり、バスタオルで体を拭く。
ふふふっ!
もうお分かりですね?
そのままバスタオルを体に巻き付け、脱衣所へ戻る。
冷蔵庫からキンキンに冷えた缶ビールを取り出し、ぷしゅん!
おっと、左手は腰に当てて、足は肩幅ぐらいに開く、と。
では.....乾杯!
うぐうぐうぐうぐうぐうぐ..........
ぷはーっ!!
火照った体中に沁みわたる、発泡性の刺激と心地良い苦味。
いやいやいや、これを幸せと呼ばずしてどうする?
すぐさま冷蔵庫から二本目を取り出し、ぷしゅん!
そのままカウチに寝っ転がり、お気に入りのファッション雑誌など眺めながらチビリチビリ。
あぁ、幸せだわ.....
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次は熱めのお湯にするよ。
浴室の温度を下げて、少し寒くする。
お盆にぬる燗と、小鉢に盛ったうどの皮のきんぴら。
うーさぶいさぶい。
お盆を持ったまま、そーっとお湯に浸かる。
じんわりと沁みわたる熱が、こころを満たしてゆく。
今度は地球に背を向けて、満天の星空のなかでお猪口をきゅーっと呑る。
心地よく酔いが回り、私は幸せを噛み締める。
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身も心もリフレッシュできた。
お肌も心もピカピカよ。
だけどね...
うーっ、残念.....
もう帰らなきゃ。
あっという間に、休日が終わってしまった。
今度は三日ぐらいお休みを確保して、じっくり楽しむとしよう。
円香を誘って、二人で楽しむのもいいわね。
でもそれだと、冷蔵庫一杯にビールを用意しなきゃね。
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